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ドイツ銀行、2019年第3四半期決算を発表

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update 2021.08.31 15:29
ドイツ銀行、2019年第3四半期決算を発表

update 2021.08.31 15:29

2四半期連続で赤字を計上

ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行(本社:Taunusanlage 12, 60325 Frankfurt Am Main Germany[1])は、2019年第3四半期決算を発表した。[2]大規模なリストラ費用を計上したことで、最終損益は8億3,200万ユーロ(9億2,435万ドル)の損失となる軟調な結果に終わった。

2019年7月初旬に、ドイツ銀行は大規模なリストラの敢行及び74億ユーロのコストを計上する計画を発表していたことから、市場参加者の間では、同行が2019年に損失を計上する可能性があるとの懸念が高まっていた。実際に、ドイツ銀行の2019年第3四半期損益は、同年第2四半期の31.5億ユーロの損失から赤字幅は縮小するものの、2四半期連続で赤字になったことに加え、2018年第3四半期の2億2,900万ユーロの純利益と比較しても非常に厳しい決算内容であった。

純営業収益に関しては52.6億ユーロと、2018年第3四半期の61.8億ユーロから15%落ち込んだ。株式セールス・トレーディング事業からの撤退が、純営業収益の減少に大きく影響した模様だ。また、セグメント別に見ていくと、投資銀行業務の純営業収益は前年同期比5%減の16.5億ユーロ、債券及び為替セールス・トレーディング事業の収益は12億ユーロ、ファイナンシング事業は顧客取引の拡大と貸し出しの増加により収益が伸びた一方で、FX事業はボラティリティの低下により若干収益が落ち込み、金利・エマージング市場債券事業はリストラと厳しい市場環境のあおりを受け、大幅な減収となった。こうした大規模な損失を計上したものの、抜本的な改革が想定通りに進捗していることから、経営陣は総じて強気の姿勢を示している。

2019年第3四半期決算の発表に際し、ドイツ銀行のCEOであるChristian Sewing氏は以下のようにコメントしている。

我が行は過去20年間で最大のリストラを敢行しているものの、2019年第3四半期には注力する4つのコア事業で利益を計上すると共に、貸出及び預かり資産残高は拡大しております。また、コストやリスクの減少といった改革も明確に成果を挙げているほか、普通株式等ティア1(CET1)比率は13.4%と強固な財務基盤も誇っています。良好な決算及び改革へコミットする従業員と我が行の経営戦略を力強くサポートして下さるお客様に感謝の意を申し上げます。

Christian Sewing, CEO of Deutsche Bank - Deutsche Bankより引用

足元では、ドイツ銀行はリストラ費用を計上し損失が膨らんでいるものの、経営陣が明るい見通しを示しており、大規模改革を推し進めることで、中長期的に利益体質の企業に生まれ変わることができるか、今後の業績動向を見守りたい。

release date 2019.10.31

出典元:

ニュースコメント

抜本的な改革を遂行する欧州の巨人、ドイツ銀行

収益性の低下に苦しむドイツ銀行は、事業の選択と集中を推し進め、ビジネスモデルの大転換を進捗させている。大規模リストラ計画を発表した後の9月下旬には、BNPパリバがドイツ銀行スタッフの受け入れに関して基本合意したことが発表された。これにより、投資銀行業務の大幅縮小を実現させ、今後はドイツ銀行が世界的にも高いプレゼンスを誇るファイナンシングやアドバイザリー、債券、外国為替といった伝統的に強みを持つ分野に注力していく方針だ。更に、リストラ計画の発表と同時に、新たな事業の柱となるコーポレート・バンク事業を立ち上げており、ドイツ国内外の法人及び商業顧客向けに送金ソリューションなどを強化していく意向である。そのほかにも、ドイツ銀行はCobaltのポストトレードインフラを採用し、需要が高まるFXポストトレード関連サービスを提供する見通しだ。これらの計画が順調に進捗し、高い収益性を誇るドイツ銀行として復活することを期待したい。


Date

作成日

2019.10.31

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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