Select Language

BNPパリバ、ドイツ銀行プライムブローカレッジ部門スタッフの受け入れで合意

BNPパリバ、ドイツ銀行プライムブローカレッジ部門スタッフの受け入れで合意

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.10.18 11:33
BNPパリバ、ドイツ銀行プライムブローカレッジ部門スタッフの受け入れで合意

update 2022.10.18 11:33

既に同部門からの顧客の離反が進んでいる模様

フランス・パリを拠点とする投資銀行であるBNPパリバ(本社:16, boulevard des Italiens 75009 Paris France[1])とドイツ最大の銀行であるドイツ銀行(本社:Taunusanlage 12, 60325 Frankfurt Am Main Germany[2])は9月23日、最大1,000名規模に及ぶドイツ銀行のプライムブローカレッジ部門のスタッフをBNPパリバへ移管する手続きをスムーズに進めるための基本合意書を締結したことを発表した。

2019年7月にドイツ銀行は大規模リストラを敢行し、株式トレーディング及びリサーチ部門、プライムブローカレッジや株式デリバティブを含む米国株式事業など18,000名の行員を削減する決断を下すと共に、多岐に亘る保有資産の売却先候補企業との交渉を進めていた。同行のプライムブローカレッジ部門は世界でトップ10にランキングする規模を誇っていたが、同行CEOが投資銀行業務の大幅縮小を宣言して以降、投資家が10億ドルの資金を引き揚げるなど業務を縮小させている状況だ。また、ドイツ銀行はコメルツ銀行との合併交渉が破断して以降、投資家から更なるコスト削減と収益性のない事業からの撤退を求める圧力を受けており、難しい経営のかじ取りを迫られている。

今後ドイツ銀行は、プライムブローカレッジ部門スタッフの移管に関する手続き上の影響などを説明したレターを顧客に送付する予定であるが、既に投資家の一部は、プライムブローカレッジ業務の預かり資産残高が約200億ドルのバークレイズなど競合他社に流れている模様だ。

プライムブローカー各社は、リスクの高い過剰な信用供与によりバランスシートを毀損させたことから、金融危機時には当局による財務状況の厳格な精査に対応せざるを得なかった。また、最低資本金額の引き上げやレポーティング費用の増加など銀行規制も強化されたことを受け、多くの金融機関がプライムブローカレッジ業務から撤退を余儀なくされていた。一方で、バランスシートの改善を早期に進めたBNYメロン(Bank of New York Mellon)やその他の米系銀行が同業務を再び手掛け始めている。今回、BNPパリバが欧州を代表するドイツ銀行のプライムブローカレッジ部門を手に入れたことで、業界の勢力図に変化が見られるか注目したい。

release date 2019.09.25

出典元:

ニュースコメント

新規参入や既存ブローカーによる事業強化が進むプライムブローカレッジ市場

プライムブローカレッジ業務とは、グローバル投資銀行がヘッジファンドや機関投資家などの顧客を対象として、株式や債券、為替などマルチアセットクラスの優れた売買執行や豊富な流動性供給、カストディ(証券保管)、レンディング(貸株)サービスなどを提供することである。顧客にとっては取引をするプライムブローカーの信用力が最も重要な指標となるため、モルガンスタンレーやJPモルガンチェースなどと並び欧米を代表するプライムブローカーであったドイツ銀行は経営基盤が揺らいでいることを背景に顧客離れが目立っている状況だ。一方で、プライムブローカレッジサービスを提供するInvast Globalが香港に新オフィスを開設したほか、INTLがプライムブローカレッジ業務の人員を拡充することが明らかになったことに加え、最大手のゴールドマンサックスがアジアのプライムブローカー人員を拡大させるなど、高い手数料の獲得が期待できるプライムブローカレッジサービスを拡充させるブローカーも増加してきている。2019年1月から6月までの半年間において、ヘッジファンドは2009年以来の良好な運用パフォーマンスをあげた模様であり、最高クラスの取引環境を望む顧客を対象としたプライムブローカレッジ市場の拡大が続くと予想される。


Date

作成日

2019.09.25

Update

最終更新

2022.10.18

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

日本でも税率20%でビットコインのトレードが可能?IG証券がIBIT・ETHAのCFD取扱い開始

IG証券がブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、イーサリアム現物ETF「ETHA」のCFD取引を提供開始し、SNSで話題になっています。本記事では、IG証券の発表内容やSNSでの反応、国内の仮想通貨税制、海外FXとの比較などを紹介します。
update2025.10.10 19:30

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

XMTradingが新銘柄GAUUSDを追加!取引コストはGOLDより割高か

XMTradingが新たにGAUUSDなど4種類のゴールド銘柄を追加し、グラム単位で少額取引が可能になりました。この記事では、従来のGOLDとの取引コストやスワップを比較します。
update2025.10.10 19:00

Exnessがスプレッドを最大30%OFF!仮想通貨・株価指数で大幅縮小

海外FX業者のExnessが主要銘柄のスプレッドを縮小しています。BTCUSDは16%、ETHUSDでは23%の縮小が確認されています。本記事では縮小後のExnessスプレッドを主要なブローカーと比較しました。
update2025.10.02 19:00

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

Exnessのスワップフリーが突然解除?!条件をサポートに直接聞いてみた

「Exnessのスワップフリーが解除された」という投稿がSNSの一部で話題になっていますが、解除の具体的な条件は公式サイトにも掲載されていません。そこで当サイトではサポートに直接条件を質問してみました。
update2025.08.25 19:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

【要注意】堀江氏・テスタ氏のディープフェイク広告が急増中?国内で詐欺の事例も

ディープフェイク技術を使った詐欺広告が世界的に増加しており、国内でも有名人を装った広告が出回っています。広告は精巧で、違和感に気づけないケースもあるため、真偽を見抜くのは簡単ではありません。本記事では、出回っているディープフェイク動画の広告主を調査しました。
update2025.10.08 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル