Select Language

ESMA、ASICと覚書を締結

ESMA、ASICと覚書を締結

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.24 17:31
ESMA、ASICと覚書を締結

update 2022.01.24 17:31

豪州のベンチマーク活用を模索

欧州証券市場監督局(European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は10月21日、オーストラリア証券投資委員会(Australian Securities and Investments Commission)【以下、ASICと称す】と、オーストラリアのベンチマークの活用を図る覚書(MoU)を締結したことを発表した。[1]

覚書の締結に際し、ASICの委員長を務めるJames Shipton氏とESMAの局長であるSteven Maijoor氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

グローバル規制当局と協調体制を構築及び強化させることは、我々の最優先事項といえます。ベンチマークはクロスボーダーの金融取引を行う際に必要不可欠なものであり、ベンチマークの統一性と正確性を確保すべく、各国の規制当局が協働しなければならないでしょう。当局が相互にサポートし、意見交換を密にすることで、オーストラリアの投資家に対し、公平で効率的かつ強固な金融システムの構築に寄与すると考えております。

James Shipton, chairman of ASIC - ESMAより引用

グローバル資本市場において金融ベンチマークを活用することは、ベンチマークの正確性と信頼性を常に確保すると共に、市場参加者にとっても重要な役割を果たします。これらの目的を達成すべく、我々とASICがMoUを締結し、効果的な協調体制を構築したことを喜ばしく思っております。

Steven Maijoor, chairman of ESMA - ESMAより引用

欧州では域内において利用されるベンチマークの統一性と正確性を確保するための共通フレームワークを定めたEU金融ベンチマーク規則(EU Benchmarks Regulation)【以下、BMRと称す】が導入されている。2019年初頭には、欧州委員会(European Commission, EC)がオーストラリア法及び監督体制を、BMRで求められる基準を満たし、一定の金融ベンチマークを導入する際の根拠となる法体系として承認した。これにより、ESMA規制下の事業体が、オーストラリアで公表される銀行間取引金利(Bank Bill Swap Rate, BBSW)やS&P/ASX200、債券先物決済価格(Bond Futures Settlement Price)、CPI、政策金利(Cash Rate)などのベンチマークを欧州域内で活用することができるようになった。そして今回、ESMAとASICが正式にMoUを締結し、オーストラリアのベンチマークの活用を推進することで、より透明性の高い金融市場の形成に寄与することが期待できそうだ。

release date 2019.10.22

出典元:

ニュースコメント

クロスボーダー取引を推進すべく協調体制を構築する各国規制当局

今回、ESMAとASICがMoUを締結したように、各国規制当局は健全な市場形成や新たな付加価値ソリューションの提供を行うべく協調体制の強化を図っていることがうかがえる。たとえば、AFMとSFCが覚書を締結し、相互に投資ファンドの提供を可能としたほか、英中当局が、ストックコネクトの開始を承認し、両国間のクロスボーダー投資及び証券市場へのアクセスの向上を試みている。また、MASがカンボジア国立銀行と提携し、フィンテック分野の発展に向け関係強化を図っている状況だ。トレーダーのグローバル投資需要が拡大するなか、各国規制当局が協調体制を強化し、信頼の置けるクロスボーダー取引スキームの構築を目指していることが推察される。他方で、Orient Global ServicesがMT5上でドバイ金商品取引を開始するなど、海外FXブローカー各社も多彩な投資家ニーズを満たすべく商品ラインナップの拡充を図っている。今後も、投資家が世界中の金融市場にシームレスにアクセスし安全に取引を行うためにも、金融当局及び海外FXブローカー各社が画期的なソリューションを提供することを期待したい。


Date

作成日

2019.10.22

Update

最終更新

2022.01.24

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

XMTradingがおみくじプロモ2025を実施!総額1,000万円越えのキャンペーン

海外FX業者XMTradingは、1月2日~1月31日までの期間限定で「おみくじプロモ2025」を実施すると発表しました。賞金総額は1,000万円以上であり、抽選で100名に最大75万円の現金がキャッシュバックされます。
update2025.01.06 19:00

このローソク足あと何秒!?残り時間を表示するMT4/MT5のインディケータを比較

MT4やMT5でトレードする際、インディケータを使えばローソク足が確定するまでの残り時間を表示できます。アラート機能付きや残り時間以外の情報も表示するインディケータもあります。本記事では、MT4・MT5にローソク足の残り時間を表示するインディケータを紹介します。
update2024.12.12 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル