Select Language

蘭AFMと香港SFCが覚書を締結

蘭AFMと香港SFCが覚書を締結

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.26 11:54
蘭AFMと香港SFCが覚書を締結

update 2022.01.26 11:54

相互に投資ファンドの提供が可能

オランダ金融市場庁(Authority for the Financial Markets)【以下、AFMと称す】と香港の証券先物事務監察委員会(Securities and Futures Commission)【以下、SFCと称す】は8月16日、両国の投資ファンドの相互承認を図る覚書(MoU)を締結したことを発表した。[1]

今回、覚書を締結したことにより、EU法を遵守してオランダにて設立・運用される投資ファンド(Undertakings for Collective Investment in Transferable Securities、譲渡可能証券への集団投資の引き受け)【以下、UCITSと称す】及び香港の集団投資スキーム(Collective Investment Schemes、多くの投資家から資金を集め、有価証券などへ投資することで、その収益を投資家に分配する仕組み)の両国市場における提供が可能になるという。また、SFCのRecognised Jurisdiction Schemes(投資ファンドの一つの販売スキーム)の適用対象であり、オランダ以外の欧州の国にて設立されるUCITSの運用を手掛ける際に、オランダのファンドマネージャーを起用する場合には、ファンドの設立認可手続きを合理化するとのことだ。

覚書の締結に際し、AFMの役員であるGerben Everts氏とSFCのCEOを務めるAshley Alder氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

今回、新たにオランダと香港の間で関係を構築できたことは、オランダのアセットマネジメント業界がアジア市場の開拓を図るうえで非常に重要な足がかりとなります。今後同市場の投資家に対し、投資の選択肢を広げると共にポートフォリオ分散の機会を提供することができるようになるでしょう。今回のMoUの締結をきっかけとして、我々とSFCが積極的に協力し合うことで、様々なビジネス機会が生まれることを楽しみにしていることに加え、金融機関が明瞭で堅固な監督体制の下でサービスを提供し、投資家が適切な保護を受けられるよう規制枠組みを構築する考えであります。

Gerben Everts, Board Member of the AFM - AFMより引用

AFMと締結した投資ファンドの相互認証スキームは、両国のアセットマネジメント業界に様々なビジネス機会をもたらすと共に、投資家に対しては投資の選択肢を増やすことに繋がります。我々は、香港を国際的なアセットマネジメントセンターへと発展させるコミットメントの一部として、その他の国とも同スキームの適用を拡大させていく意向であります。

Ashley Alder, the SFC's Chief Executive Officer - AFMより引用

今回、オランダと香港が相互に投資サービスを提供できるようになったことで、投資家が受け取ることのできる情報も充実することが予想され、両国の証券取引が活性化されることを期待したい。

release date 2019.08.16

出典元:

ニュースコメント

世界の監督当局の連携が活発化

今回、ヨーロッパとアジアの金融監督当局が主導する形で、両国のアセットマネジメントビジネスの更なる発展を目指し、投資ファンドのクロスボーダー化を実践する意向である。足元では、新たなソリューションの提供などを目的とした民間企業同士のパートナーシップ契約の締結に留まらず、世界各国の監督当局同士の連携が活発化している。2019年6月には、英中当局が上海・ロンドンストックコネクト開始を承認し、両国間のクロスボーダー投資及び証券市場へのアクセス向上を実現させた。また、シンガポールのMASとカナダ銀行がクロスボーダー決済の実証実験に成功し、より割安で高速且つ安全な決済システムの構築を模索しているほか、同じくMASとカンボジア国立銀行が提携し、フィンテック分野の発展に向けMoUを締結している。これらの事例のように、各国監督当局が連携することで、新たなビジネス機会の創出を大いに期待することができる。また、適度な投資家保護策と適切な監督体制を構築することで、グローバルに健全な市場が形成されることを期待したい。


Date

作成日

2019.08.16

Update

最終更新

2022.01.26

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル