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英中当局、上海・ロンドンストックコネクト開始を承認

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update 2022.01.27 12:12
英中当局、上海・ロンドンストックコネクト開始を承認

update 2022.01.27 12:12

両国間のクロスボーダー投資と証券市場へのアクセス向上

英国と中国それぞれの金融監督当局である英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】と中国証券監督管理委員会(China Securities Regulatory Commission)【以下、CSRCと称す】は、上海・ロンドン間を結ぶ株式取引接続スキームであるストックコネクトの開始を承認したことを発表した。[1]

同スキームの導入は、英国と中国間のクロスボーダー投資を後押しすると共に、投資家及び企業が両国の証券市場へアクセスする機能を提供する目的を持つ。これにより、上海証券取引所(Shanghai Stock Exchange)【以下、SSEと称す】に上場する中国企業をロンドン証券取引所(London Stock Exchange)【以下、LSEと称す】に新設された上海セグメントで取引することが可能になる一方で、LSEのプレミアム上場企業(EU指令より厳格な規制やコーポレートガバナンス基準を満たす企業[2])をSSEのメインボードで取引できるようになった。なお、中国では上海・香港ストックコネクトや深セン・香港ストックコネクトが始動しているものの、国際間の株式取引接続制度は初の試みであり、同国を拠点とする投資家に対し、自国通貨で国際的な証券取引を行う画期的な機会を提供することになる。英国にとっては、ストックコネクトを利用することで、従来QFII(Qualified Foreign Institutional Investors、適格外国機関投資家)資格を保有する金融機関のみに制限されていた中国A株に関して、他の機関投資家も投資ができるようになったことを意味する。

上海・ロンドンストックコネクトの開始に際し、FCAのチーフエグゼクティブであるAndrew Bailey氏は以下のようにコメントしている。

ストックコネクトスキームは英国と中国の資本市場の結びつきを強化し、両国にとって多大なメリットをもたらすでしょう。両国の規制当局が国際的な資本市場の形成に貢献すると共に、同スキームの構築及び運営を成功に導くためには我々が協働していくことがカギになると確信しております。

Andrew Bailey, Chief Executive of FCA - FCAより引用

17日に取引が開始されたストックコネクトは、ロンドンに上場した中国の華泰証券株が一時7.1%の上昇を演じて上々の滑り出しとなり、その注目の高さがうかがえる。[3]同スキームはグローバル取引を望む投資家や企業にとって大きなメリットがあると見られ、両国間での更なる取引活性化と証券市場の発展が期待される。

release date 2019.06.18

出典元:

ニュースコメント

中国市場を下支えする中国A株

ストックコネクトは2014年に上海・香港の両証券取引所間で初めて導入された、人民元建ての上場株式取引である。今回導入された上海・ロンドン間のストックコネクトには、上海企業によるロンドン市場での資金調達や、イギリス企業による上海市場での投資家基盤拡大が期待されている。また、従来QFII資格を保有する中国投資家と一部の国外投資家のみ取引可能であった中国A株を取引できる投資家層が拡大され、人民元の国際化や、両市場の流動性向上が見込まれている。 昨年1年間を通じて緩やかな下降トレンドであった中国A株だが、今年2月にCSI300指数における中国A株の組み入れ比率引上げが発表されると急激な上向きトレンドとなり、今回のストックコネクト導入発表によってさらに中国A株の投資バリュー向上が期待できよう。加えて、急激な上昇トレンドとなったにも関わらず、中国A株の株価収益率(PER)は11~12倍と過去平均よりかなり割安な値を推移しており、海外資本の積極的な流入が見込まれる。今回のストックコネクト導入によって、相場の乱高下で有名な中国A株はさらなる投機対象となることが予想され、政府による相場介入があり得るとの見方も強まっている模様だ。


Date

作成日

2019.06.18

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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