Select Language

Match-Trade、MT4とMT5の機能を徹底考察

Match-Trade、MT4とMT5の機能を徹底考察

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2025.04.14 20:11
Match-Trade、MT4とMT5の機能を徹底考察

update 2025.04.14 20:11

自身の取引スタイルに適したプラットフォームを追い求める必要性

FX関連テクノロジープロバイダーであるMatch-Trade Technologies LLC(本社:123 Waterleaf, Irvine, CA 92620, United States[1])は、ロシアのソフトウェア会社MetaQuotes Software Corp.【以下、MetaQuotesと称す】が開発し、世界で最も人気の高い取引プラットフォームのMetaTrader 4【以下、MT4と称す】とその後継版となるMetaTrader 5【以下、MT5と称す】の成功の要因や課題などに関する見解を明らかにした。

海外FXブローカーが取引プラットフォームを選別する際には、リクイディティプロバイダー(流動性供給業者)を含む多岐にわたるコネクティビティ先の確保と、執行やコピートレード、ボーナスプログラムなどのプラグインを活用できることが重要なポイントになるという。また、ソーシャルトレーディングやPAMM(Percentage Allocation Management Module)などの取引手法を用い、別のトレーダーに取引シグナルを送れるようにするなど、トレーダーのネットワークの構築やマネージドアカウントの運用をサポートするアプリの利用も望んでいる模様だ。

これらのブローカー需要に対し、MetaQuotesはMetaTrader専用のアプリやプラグインを開発する外部の独立したテクノロジープロバイダーとの広範なネットワークを構築しているところに強みを持っており、MQL4(MetaQuotes Language4)やMQL5(MetaQuotes Language5)を使いこなし、ロボットやインディケータ、その他の使い勝手の良い取引ツールを開発する何千人ものプログラマーを擁している。また、これらのアプリをダイレクトにMT4やMT5にインストールすることができるメリットも有している。一方で、旧式のMT4から最新版であるMT5にシフトする際に、MQL4とMQL5の間で互換性がないという問題を抱えている。つまり、MT4上で自動売買のために利用していたロボットは、MT5上では機能しないことになる。互換性がないことこそ、海外FXブローカーがMT4を選好する大きな要因となっている一方で、MetaQuotesはMT4ライセンスの付与を完全に停止することで、MT5の導入を強力に推し進めている状況だ。これにより、MT4の導入を望む新興ブローカーは、テクノロジープロバイダーが提供するMT4のホワイトラベルサービスを活用しなければならない問題も生じてしまっている。

また、MT4とMT5はC++というプログラミング言語を使用している。このプログラミング言語で書かれたソースコードは盗むことが非常に困難なため、MetaQuotesは事業者向けにこれらのシステムを安全に提供している。それもあり、海外FXブローカーにとってMetaTraderは、自社のサーバー上で様々なプラグインのインストールやアドミン設定、顧客データの管理などを行うことができる柔軟性の高い取引プラットフォームとしての評価を得ている。特に、MT4は非常にシンプルなシステム設計になっており、新興ブローカーにも容易に管理することが可能だ。一方で、MT5のシステムアーキテクチャは非常に複雑であると共に、無数のオプション機能が付帯されていることに加え、MT4との互換性がなく、IT部門に大きな負担を与えることになる。これらの点が、MT5が一部の海外FXブローカーにとって使い勝手の悪い取引ツールとされ、MT4の利用拡大が進む要因として考えられる。そこで、ブローカーの中には柔軟性の高い設計とメンテナンスや日々のサポートなど、充実したフルサポートを提供する他の取引プラットフォームを選好するケースも出てきている。

MT4とMT5は共に直感的に理解できるインターフェイスを用いていることがメリットとされる一方で、依然としてデスクトップ版をメインのプラットフォームとして提供している点はデメリットになり得るであろう。現在、多くのトレーダーがウェブ版やモバイル版に容易にアクセスできる環境に慣れているなか、MetaTraderは非常に多くのプラグインを提供しているものの、それらを使用するためには顧客のコンピューターに同システムをインストールしなければならない。また、デザインが非常に古く、設定オプションも限定的である。MetaTraderのモバイル版は極めてスムーズに機能するものの、海外FXブローカーのブランドを表示させることができず、MT4もしくはMT5のウェブトレーダーやモバイルトレーダーを開発するサードパーティーも数が限られているのが現状だ。

仮に海外FXブローカーがMT4のホワイトラベルソリューションを活用したブローカレッジサービスを提供する場合には、いくつか留意すべき点がある。多くのホワイトラベルサービスを提供する業者は、ブローカーのために新たに個別シンボルを付与することを避ける傾向にある。各MT4サーバーには32種類の証券グループしか確保されておらず、仮に新規の金融商品を追加する場合、「EURUSDxyz」のように奇妙な表記を用いなければならない。また、証券グループ全体で一つのマークアップ表記がなされることに加え、MT4のチャートにはマークアップを加味した価格が表示されない問題も生じている。更に、MT4のホワイトラベルを活用する海外FXブローカーは、アドミンパネルへのアクセスが許可されておらず、自らの証券グループのパラメータを設定することもできない。

このようにMT4を導入する際には、マークアップの表示や新規の金融商品の表記など依然として解決されていない大きな課題があるため、投資家は自身の取引スタイルにマッチする可能性のある取引プラットフォームを常に探し求めることが重要であろう。

release date 2019.10.18

出典元:

ニュースコメント

海外FXブローカーによるMT5導入を積極的に推進するMetaQuotes

10年間以上にわたり海外FXブローカー向けのソフトウェアプロバイダー業界を席巻しているMetaQuotesは、10月28、29日にエジプト・カイロで開催される中東最大の投資イベントの1つであるEgypt Investment Expo 2019にプラチナスポンサーとして参画する予定だ。リテールブローカーやヘッジファンド、個人投資家などが一堂に会す同イベントにおいて、MetaQuotesはマルチアセットクラスに対応したプラットフォームであるMT5の最新機能を紹介する見通しである。なお、2018年に行われた同イベントでは、15か国から8,000名の来場者を集めたという。また、MetaQuotesはForex Expoドバイのテクノロジースポンサーに就任し、積極的にMT5のプロモーション活動を行っている状況だ。他方で、多くの投資家は高機能が付帯されたプラットフォームを求めていることから、Borsaがヘッジファンド向けプラットフォームとしてMT5を導入したほか、VIPTRADEがMT5をリリースするなど、海外FXブローカー各社も先進的な機能が付帯されたMT5の導入を進めている。MetaQuotesはMT4のライセンス付与を停止し、退路を断ったうえでMT5の普及を推し進めており、今後も同プラットフォーム上の機能向上を図ると見込まれ、投資家にとってより快適なトレーディングエクスペリエンスが提供されることを期待したい。


Date

作成日

2019.10.18

Update

最終更新

2025.04.14

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

Exnessの出金方法から銀行振込が一時削除!?現在は復旧も今後は代替手段の検討が必要か

2025年8月、Exnessの出金方法から一時的に国内銀行振込が削除され、オンラインウォレットと仮想通貨のみ利用可能な状態となりました。現在は復旧していますが、今後のトラブルに備えて、代わりの決済方法の準備を検討するのが望ましい状況です。
update2025.08.06 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

【当サイト限定】FXONの口座開設でボーナス15,000円をプレゼント!既存ユーザーも対象

2025年8月1日より、FXONでの口座開設で15,000円のボーナスを獲得できる、当サイトMyforex限定のキャンペーンがスタートしました。この記事では、ボーナスの受け取り方法や注意点などを説明します。
update2025.08.01 19:30

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

MT4初心者必見!FX自動売買EAバックテストのよくあるトラブルと対策集

バックテストをした際にEAを選択できない、途中でテストが止まる、結果が安定しないなどの症状が発生することがあります。本記事では、バックテストをした際に発生する症状別に対処方法を解説します。
update2025.05.13 19:00

ThreeTrader・Vantageが消えた?偽アカウントによる詐欺に注意

ThreeTraderやVantageのX(旧Twitter)公式アカウントに表示制限がかけられていることが確認されました。本記事では海外FX業者のアカウントが制限された背景や、こうした状況で注意すべき偽アカウント詐欺について説明します。
update2025.07.04 19:00
口座開設で15,000円のボーナス 口座開設で15,000円のボーナス

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル