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FXブローカーはMT4を選好

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update 2022.07.07 11:41
FXブローカーはMT4を選好

update 2022.07.07 11:41

投資家も高い安定性や使い勝手の良さなどを高く評価

ロシアのソフトウェア会社MetaQuotes Software Corp.【以下、MetaQuotesと称す】がリテールFX業界に革新をもたらした取引プラットフォームがMetaTrader4【以下、MT4と称す】だ。利用拡大が進むMT4は15年ほど前にリリースされて以来、世界中の投資家に最も愛用され続けており、未だその人気に陰りが見えない状況である。

MetaQuotesではMT4の後継版となるMetaTrader5【以下、MT5と称す】を9年前にリリースしたことから、MT4は既に旧式モデルとなったことに加え、MT5は継続したアップデートが行われる他、ブローカーによって独自開発された取引プラットフォームや取引アプリが多数世に送り出されてきた。[1]それでもMT4はリテール電子取引分野を大きく発展させた最たる象徴と認識され、未だ圧倒的な普及率を誇り市場を席巻している状態だ。

MetaQuotesにとっては、最新の取引プラットフォームであるMT5への切り替えが進まない困難な状況に直面している。MetaQuotesはブローカーがMT5を導入するインセンティブとなるように、まずMT4の利用料金を上げると共にMT5のライセンス使用料を優遇する措置を講じた。その後の2018年1月にMetaQuotesは、これ以上の業務拡張ができない旧式取引システムであるという理由でMT4の提供を中止する決断を下したのだ。それでも依然としてMT4は使い勝手の良さなどを背景に、非常に多くの投資家に選好されており、ブローカーもMT4取引システムの提供を続けている。

しかしながら、ポーランド・ワルシャワを拠点とする海外FX・CFDブローカーであるDom Maklerski TMS Brokersのトレーディング部門ヘッドを務めるPiotr Baszak氏によれば、MT5は信頼性の高い優れた取引システム設計であり、より多くのアセットクラスのトレーディングサポート体制を構築する多数の追加機能が付帯されていることから、MT4と比較してより多くの利点があると言う。 またMetaQuotesはMT5へのシフトを優先しており、MT4向けの新機能の開発を行っていないことに加え、MT4とMT5はインターフェースが似通っていることから、顧客にMT5を提供しても大きな問題は生じないともコメントしている。なおGrand CapitalがMT5をリリースするなど、先進的な取引環境が整備されたMT5を採用するブローカーも出てきているのも確かである。

一方で、少なくともFXやCFD取引を手掛ける投資家の間では、高い安定性や使い勝手の良さを誇り、且つ数えきれないほど多数のアドオンが組み込まれるMT4を選好する状況が続くことが予想されている。世界中の投資家が使い慣れたMT4を愛用していることに加え、MT4とMT5の間に互換性が乏しいことから、多くのブローカーも引き続きMT4を採用する構図に変わりはなさそうだ。

release date 2019.04.12

出典元:

ニュースコメント

普及が進まぬMT5

MT5は2010年にMetaQuotesが開発したFXのトレーディングプラットフォームである。2005年に開発されたMT4の後継版として開発されたMT5ではあるが、リリースから9年ほど経った今でも市場ではMT4が広く愛用されている。MT5の普及が進まない背景には、MT4のカスタムインディケータやEAが使えないなど互換性に乏しく、MT5に対応しているFX業者もMT4に比べると少ないことが要因だと考えられる。MT4は2019年3月1日をもって一部ビルドが公式サポートの対象外となることが発表されるなど、開発元であるMetaQuotesとしても、ブローカーならびにトレーダーのMT5への移行を促していく考えのようだ。トレーダーにとっては、使い慣れたMT4の取引環境が利用できなくなるなどの懸念があり、またブローカーとしても、使い勝手の良い取引システムを提供することが顧客獲得戦略において非常に重要なポイントの1つになっていることから、MT5への移行には多くの課題が残っている状況だ。MetaQuotesはMT5の提供価格を下げるなどブローカーに対する優遇政策を行っているが、トレーダにとってもMT5へ移行しやすい環境が実現するような戦略に期待したい。


Date

作成日

2019.04.12

Update

最終更新

2022.07.07

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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