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Advanced Markets、フィンテック企業Tradeforaと提携

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update 2022.11.21 16:26
Advanced Markets、フィンテック企業Tradeforaと提携

update 2022.11.21 16:26

取引コスト分析や最良執行機能の向上を模索

機関投資家向けFXリクイディティプロバイダー(流動性供給業者)及びプライムオブプライムブローカー(PoP)であるAdvanced Markets(本社:94 Solaris Avenue, Camana Bay, P.O.Box 1348, Grand Cayman, KY1-1108, Cayman Islands[1])が、フィンテック企業Tradeforaとパートナーシップ契約を締結したことが明らかになった。

2016年に設立されたTradeforaは、取引の透明性の改善に寄与すべく、FXやCFD、仮想通貨市場を対象にした取引コスト及び執行分析サービスを提供している。同社の取引分析システムは特許を取得したテクノロジーをもとにしており、ミリ秒単位のリアルタイムで80社を超えるブローカーからの膨大な量の取引データを分析することができるという。新たな取引行為基準を定めた規制策が導入されたことで、多くの投資家が自身の執行パフォーマンスを注視していることから、Advanced MarketsはTradeforaとの提携により取引コスト及び執行分析サービスの強化を図る狙いがある模様だ。

両社の提携に際し、Advanced Marketsのセールス部門グローバルヘッドを務めるNatallia Hunik氏とTradeforaの共同創業者兼CEOであるPavel Khizhnyak氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

Tradeforaが開発した、第二次金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive Ⅱ)【以下、MiFIDⅡと称す】第27条にて最良執行義務を定めた規制技術基準(Regulatory Technical Standards, RTS27)関連のレポーティング機能は、インターバンクのリクイディティフィードにアクセスし、最良執行義務を遵守することに寄与いたします。また、トップクラスのリクイディティプロバイダー(流動性供給業者)からの機関投資家向けプライシングデータを、クライアントサーバー上の専用ダッシュボードに表示することが可能になります。

Natallia Hunik, sales head of Advanced Marekts - Advanced Marektsより引用

今回のパートナー契約の締結は、機関投資家向けの最新のリクイディティデータと精緻な取引分析情報などをもとにした、我が社のプライシングツール機能を高めることに繋がります。我々と取引する全てのトレーダーは、このベンチマークインデックスを利用し、ほぼリアルタイムに執行パフォーマンスを検証することができます。機関投資家向けの優れたプライシングインデックスを開発し、トップクラスのリクイディティプロバイダーのプライシング情報だけでなく、市場全体の出来高加重平均(Volume Weighted Average Price, VWAP)もミリ秒単位で確認することが可能になります。

Pavel Khizhnyak, co-founder and CEO of Tradefora - Advanced Marektsより引用

Advanced Marketsは英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority, FCA)ライセンスとオーストラリア金融サービス免許(Australian Financial Services License, AFSL)を保有し、全ての取引においてSTP方式を採用すると共に、匿名性を確保した取引環境を保ちつつ10社を超えるカバー先(FXブローカーに為替レートを提示する金融機関)からのプライシングを提供している。一方のTradeforaは過去3年にわたり個人投資家向けサービスに注力してきており、足元では機関投資家向けソリューションの強化を図っている。なお、同社が開発したTradefora Composite Index(TCI)と呼ばれる個人投資家専用インデックスは、100社を超えるリテールブローカーのプライシングフィードを集約したP2P(Peer-to-Peer、個人間)のプライシング関連ベンチマークインデックスである。そして今回Advanced Marektsにとっては、高付加価値テクノロジーを有するTradeforaと提携し取引環境の改善を図ることで、更なる顧客取引の拡大が期待できそうだ。

release date 2019.10.18

出典元:

ニュースコメント

市場の急成長が見込まれる取引コスト及び最良執行関連サービス

今回、Advanced MarketsがTradeforaと手を組み取引コスト及び最良執行サービスを強化したように、多くの金融サービスプロバイダーが関連ソリューションの提供に注力している。最近の事例をあげると、Tools For Brokersが新取引コスト分析ツールをリリースしたほか、JPモルガンチェースが次世代型FXアルゴリズム取引ツールを開発し、Cappitechが新執行分析ツールをリリースしている。多数の金融サービスプロバイダーがサービスを強化する背景としては、MiFIDⅡなどの規制により、ブローカー各社が取引関連データの公表や執行方針の変更を余儀なくされていることが挙げられる。また、機関投資家に対して年金基金や政府系ファンドなどの最終投資家から、運用成績だけでなくその前提となる取引コストや執行パフォーマンスに関する改善要求も高まっていると推察される。今後も運用業界においてはグローバルに熾烈な競争が続くと予想されており、取引の透明性と運用パフォーマンスの改善に繋がる画期的なソリューションが提供されることを期待したい。


Date

作成日

2019.10.18

Update

最終更新

2022.11.21

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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