Select Language

チャールズ・シュワブ、取引手数料無料サービスを開始

チャールズ・シュワブ、取引手数料無料サービスを開始

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2023.08.15 07:35
チャールズ・シュワブ、取引手数料無料サービスを開始

update 2023.08.15 07:35

顧客注文データをマーケットメイカーに流す仕組みを採用

米国・サンフランシスコを拠点とする大手金融機関であるCharles Schwab Corp【以下、チャールズ・シュワブと称す】が、米国及びカナダの証券取引所に上場する株式とオプション、ETFの取引手数料を無料とするサービスを開始することが明らかになった。[1]

チャールズ・シュワブは、1件当たり4.95ドル課していた取引手数料を、10月7日からゼロにするとのことだ。2019年9月末には、Interactive Brokersも取引手数料無料サービスを開始したほか、レボリュートが株式取引手数料無料サービスを開始し、eToroも株式とETF取引手数料無料サービスを開始するなど、同サービスの市場規模が急拡大しているとうかがえる。

取引手数料無料の投資アプリを提供し、米国で600万人のユーザーを誇るRobinhood【以下、ロビンフッドと称す】は、2018年に3億6,300万ドルの資金調達に成功し、企業価値は56億ドルに上る。加えて、Menlo Parkを含む他の新興フィンテック企業も更なる顧客獲得を目指し、多岐にわたるサービス展開を図っている状況だ。多くの企業は実店舗を持たず、顧客サービスを提供するスタッフを縮小させ、大規模なプロモーションキャンペーンに資金を投じないとする一方で、ユーザーに積極的な取引とプレミアムサービスを利用してもらうことにより、顧客獲得に寄与する取引手数料無料ビジネスの収益化に繋げている。更に、ロビンフッドやInteractive Brokersの場合、スマートオーダールーティング(最良価格を自動選択し売買を執行する注文システム)により最良執行を行うのではなく、マーケットメイカーに注文を流す仕組みを採用することで収益をあげているが、チャールズ・シュワブも同様のスキームを用いる計画だ。

なお2011年に、チャールズ・シュワブは2000年創業のOptionsXpressを約10億ドルで買収し、急成長するFXや先物取引サービスを強化し、現物株取引に偏重した自社サービスの多様化を図っている。また、足元までの数年間に金融アドバイザリー業務を強化し、顧客基盤と預かり資産残高の拡大を模索している。そして今回、チャールズ・シュワブは投資家の間で人気が高まっている取引手数料無料サービスを開始することで、更なる顧客取引の拡大が期待できそうだ。

release date 2019.10.02

出典元:

ニュースコメント

米ネット証券のガリバー、チャールズ・シュワブ

1971年に創業したチャールズ・シュワブは、ディスカウントブローカーの先駆けとして、インターネットを通じたオンライン取引サービスが拡大するのに歩調を合わせ急成長を遂げた米国最大手のネット証券だ。現在は、傘下の子会社を通じてブローカレッジサービスを始め、バンキング業務、金融アドバイザリーといった包括的な金融サービスを提供している。足元、投資家の間で急速に人気を高めている取引手数料無料サービスを提供する企業は続々と増加しており、同社の競合であるInteractive Brokersも取引手数料無料サービスを開始していることから、顧客基盤の維持・拡大に向け手数料引き下げ競争に加わざるを得ない状況と推察される。一方で、取引手数料無料サービスが企業の収益を悪化させるとの懸念が浮上しており、10月1日には同社を始めとする米国のオンライン証券会社の株価が軒並み急落した。業界のリーディングカンパニーであるチャールズ・シュワブが、顧客を惹きつけるべく導入した取引手数料無料サービスをきっかけとして、今後投資家を納得させるような十分な収益を確保するために、如何なるソリューションを提供するか注目したい。


Date

作成日

2019.10.02

Update

最終更新

2023.08.15

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル