作成日
:2019.10.02
2021.08.31 15:29
先日、大幅な下落に見舞われたビットコイン価格は8,000ドル付近にまで転落したが、今月1日に24時間で7%の上げ幅となる804ドルの上昇を記録し、一時的に8,519ドルの高値を付けた。
現在、ビットコインは1通貨あたり8,330ドルで取引されており、先月最終週に2,000ドル以上値を下げた状態から回復へ向かっているようだ。しかしながら、ビットコイン価格が8,440ドルの200日平均移動線が形成する抵抗線をブレイクアウトできるかは明確になっておらず、このポイントを上回れるかどうかに注目が集まっている。先月末にビットコイン価格はこの平均移動線を試す動きを見せたものの、同価格帯で売り圧力が強まったことで7,700ドルまで後退する結果に終わった。これは200日平均移動線が強い抵抗線になっている事実を明らかにすると同時に、重要なブレイクラインとして意識されていることを意味する。
あるアナリストはビットコイン価格が7,700ドルで底を打った可能性があると述べ、更にこれが9,000ドルへ向けた強気な動きを誘導する前兆だと主張している。また、別のアナリストはビットコイン価格が8,800ドルを超えた場合、強気相場に突入すると発言しているが、それを成す材料が欠けているため、現実的に難しいとの見解を示した。実際に4時間足のチャートでは8,900ドルを目指してブレイクアウトが発生したが、取引量の増加が伴わず、8,500ドル付近でその動きは消滅したようだ。反対に1時間足のチャートでは、弱気を予感させる下向きのウェッジが形成されており、ビットコイン価格が8,000ドルを割る可能性が高まっている。
一方、1週間足のチャートで支持線となる100週平均移動線が試される展開を迎えているが、これが破られると最終的にビットコイン価格が6,000ドルと4,650ドル付近に存在する150週および200週平均移動線に向かう可能性が出てくる。この展開を暗示するかのように、チャート上では値幅を予想するボリンジャーバンドが急速に収縮し始めており、ブレイクアウトの瞬間に近づいていることを示している。ボリンジャーバンドの上限は1万2,000ドル、下限は7,700ドルにまで広がっているが、ビットコイン価格がこれらを超えた場合、更に強いトレンドが発生する可能性もある。
別角度からの分析として3日足のチャート上では、50%のフィボナッチ比率線が支持線として機能し、その位置でビットコイン価格が上方に跳ね返ることが期待される展開となっている。また、TDシーケンシャルインディケーターも同様に、今後3日から12日間の間にビットコイン価格が上昇に転じるシグナルを出しているが、実際には現在も下落が続いているため、トレンドの転換には出来高の増加が伴った強い突き上げが必要だと言えるだろう。これらのテクニカル分析の結果、現実的にビットコイン価格は9,800ドル程度まで盛り返す可能性を含んでいる様子がうかがえるが、反対に再び強い売り圧力が発生すれば、6,500ドルラインまで下げることも十分に考えられる。
ビットコイン価格が9,097ドルのラインを超えなければ、長期的に弱気なトレンドが継続していると判断できるため、市場が活発に動き出すかに関しては疑問が残る。今回発生したビットコイン価格の急反発は一時的な調整だった可能性もあるが、今後もその動向に注目していきたい。
release date 2019.10.02
年初から続く大幅な価格上昇の煽りを受けて、仮想通貨市場全体におけるビットコインの時価総額は2017年以来の高水準に達したが、最近の暴落の影響からその値は徐々に低下しているという。先月、ビットコイン価格は20%近く後退しており、それに伴って時価総額が約50億ドルも減少し、仮想通貨市場全体の弱気がより確定的なものとなった。このビットコインの動きに吊られる形で多くのアルトコインは値を下げているものの、先日事業拡大に向け企業買収したリップル社のXRPなど、一部の仮想通貨はその影響を物ともせず、好調に転じているようだ。XRPの他にもトロン(Toron)やモナコイン(Monacoin)、ステラ(Stellar)をはじめとする仮想通貨は、過去1週間で5%近く価格をあげている。来年にかけてはCMEの仮想通貨オプションのローンチが予定されるなど、注目のイベントが控えているだけに、今後も仮想通貨価格の変動を見守っていきたい。
作成日
:2019.10.02
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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