作成日
:2019.10.01
2021.08.31 15:29
仮想通貨関連の開発を手がけるRipple, Inc.【以下、リップル社と称す】が、事業拡大に向けて仮想通貨取引技術に特化したアイスランド企業のAlgrimを買収したことを発表した。
発表によると、Algrimが抱えるエンジニアチームの6名はリップル社に移籍し、同社の独自仮想通貨であるXRPを利用した国際送金を行うためのOn-Demand Liquidity(ODL)製品の継続的な開発に貢献するという。これまでリップル社は200社以上の企業とパートナーシップを締結して世界中にネットワークを拡大しており、ニューヨーク、シンガポール、ムンバイ、サンパウロ、シドニーに拠点を構えている。今回、リップル社はAlgrimを買収することで人材の確保を図ると同時に、アイスランドを欧州の地域拠点とするよう計画しているようだ。
イーサリアム財団の役員であるChristopher Kanaan氏は、Algrimの買収に関して次のようにコメントしている。
仮想通貨取引および取引所に関する専門知識を有したAlgrimのエンジニアがチームに加わったことは、On-Demand Liquidity製品の継続的な開発の手助けとなるでしょう。我が社は当初から仮想通貨および取引技術に精通した人材を確保することに取り組んでおり、Algrimの買収はそれを実現した成功例となりました。
Christopher Kanaan, Senior Vice President of Engineering at Ripple, Inc. - Ripple, Inc.より引用
今年初めにリップル社はマネーグラムへ3,000万ドルの投資を発表するなど、2018年5月以降、同社のインキュベーション部門はXRP関連プロジェクトに総額5億ドルの投資を行っているという。最近、リップル社は決済サービスのLogosを買収し、新たに8名のエンジニアをチームに加えているが、これらの企業買収がどのようなシナジーを生むのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。
release date 2019.10.01
今月の仮想通貨市場は前月からの弱気な流れを引き継ぎ、ビットコイン(Bitcoin)をはじめとする主要な仮想通貨の価格が更に下落することに対する懸念が高まっているようだ。9月頃にビットコイン価格が転落し8,000ドル付近を記録しているが、このまま下向きのトレンドが継続すれば、1通貨あたり3,000ドルに迫る可能性もあるという。一方のアルトコインも状況は好ましくなく、仮想通貨市場で時価総額2位を誇り人気が高まるイーサリアム(Ethereum)も、次期ハードフォークであるイスタンブールの実装に向けたテストネットの運用で一時的な分岐が発生する事態に見舞われている。イーサリアム価格に大きな変動はなかったものの、同仮想通貨におけるハードフォークの先行きが案じられる出来事となった。今回、Algrimの買収を受けてXRPは6%ほど価格が上昇したが、これが仮想通貨市場全体にどのような影響を与えるのか、今後もその動向を見守っていきたい。
作成日
:2019.10.01
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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