Select Language

イーサリアム、テストネットで一時的な分岐が発生

イーサリアム、テストネットで一時的な分岐が発生

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
イーサリアム、テストネットで一時的な分岐が発生

update 2021.08.31 15:29

予定が早まったことが原因でマイナーの対応が遅れる

イーサリアム(Ethereum)の次期ハードフォーク計画であるイスタンブール(Istanbul)の実装に向けて、テストネットワークのロプステン(Ropsten)でシステムアップグレードが実施されたが、一時的にブロックチェーンの分岐を生むエラーが発生したことが明らかになった。[1]

当初、このテストネットのアップグレードは648万5,846番目以降のブロックで有効化される予定だったが、ブロックの承認間隔が異常に狭まったことから予定日の9月30日より2日早く実施されたという。通常、イーサリアムのメインネットやテストネットでハードフォークを実施する際は、スムーズなシステムの移行をサポートするためにクライアントソフトウェアを手動で更新する必要がある。しかしながら、今回ロプステンのアップグレードが予定よりも早まったことが原因で、大多数のマイナーがそれに対応できず、ブロックチェーンの分岐が発生したようだ。

イーサリアム財団のコミュニティマネージャーであるHudson Jameson氏は、このテストネットの分岐について次のようにコメントしている。

テストネットのロプステンに2つの異なるブロックチェーンが存在することが確認されています。マイナーがそれぞれ古いブロックチェーンと新しいブロックチェーンをマイニングしているようです。PoW(プルーフ・オブ・ワーク)のテストネットにおける難しい部分はマイナー間の調整を促すことですが、現在、我々はロプステンにイスタンブールを正しく実装するために複数のマイナーに協力を求めています。

Hudson Jameson, Community Manager of Ethereum Foundation - CoinDeskより引用

また、このロプステン以外にもイーサリアムは問題を抱えており、イスタンブールがメインネットに実装された場合、dApp(分散型アプリケーション)を管理するスマートコントラクトのコードを更新する必要があることがわかっている。特にイーサリアムブロックチェーンを活用してDAO(Decentralized Autonomous Organization)を構築するAragon Oneのプラットフォーム上では、680個ものスマートコントラクトが影響を受けることが報告されているようだ。その原因はイーサリアムの手数料(GAS)の変更に関する条項が含まれるEIP(Ethereum Improvement Proposal)1884だと特定されているが、効率的なブロックチェーン実現のためにはこの変更が必須であることから、各所で早急な対応が求められている状況だ。

今回のテストネットでの失敗がメインネットでの計画にどのように影響するかは明らかではないが、Jameson氏はこのことを今月4日の開発者会議で議論すると述べている。今のところ、イーサリアムコミュニティとのコミュニケーションが不十分であることが課題としてあげられているが、既に1ヶ月の遅れが生じているイーサリアムのハードフォーク計画に変更はあるのか、今後も同仮想通貨の取り組みに注目していきたい。

release date 2019.10.01

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨市場の命運を握るイスタンブール

仮想通貨市場でビットコイン(Bitcoin)に次いで第2位の時価総額を誇るイーサリアムは最も開発活動が活発な仮想通貨として知られているが、過去にもハードフォーク時の調整ミスやバグなどが原因でブロックチェーンに分岐が発生する事態に見舞われた経緯がある。イーサリアムにおける4度目のハードフォークでは、今回と同様の理由でメインネット上に分岐が発生し、破棄されたブロックチェーンのマイナーが合計750ETHのマイニング報酬を失う結果を招いた。今年8月にはハードフォークを前にイーサリアムクラシック価格が高騰していることが確認されるなど、同仮想通貨のハードフォークが価格決定に大きな影響力を持っているだけに、仮想通貨市場全体にとってもイスタンブールの成功が重要になってくると言えるだろう。現在ビットコイン価格が転落し、仮想通貨市場は調整相場の様相を呈しているが、今後もイーサリアムのハードフォークと合わせてその動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.10.01

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

Vantage Tradingが入出金額の上限を変更、100万円以上の出金は自動分割

海外FX業者のVantage Tradingが、銀行振込の入出金額の上限を変更しました。今後は銀行振込で一度に出金できる額が100万円に制限されます。本記事では、変更された条件や高額送金時の注意点などを説明します。
update2025.11.11 19:00

Money Charger(マネチャ)情報流出で問われるキャッシュバックサイトの運営体制と安全性

Money Chargerは2025年10月25日、ユーザーの個人情報が外部に流出したことを公表しました。キャッシュバックサイトはうまく活用すれば取引コストを抑えられる一方で、個人情報を扱う性質上、安全管理体制が極めて重要です。本記事では、安全性や透明性の観点から主要なキャッシュバックサイトを比較します。
update2025.11.17 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Bybitが日本ユーザーの新規登録を停止!日本撤退で海外FXユーザーにも影響大か?

Bybitが2025年10月31日をもって日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。既存ユーザーは継続利用できるものの、締め出しも時間の問題と予想する声も少なくありません。本記事では、Bybitの発表内容や海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.11.06 19:00

FXGT破綻の噂がSNSで再浮上、CEOは「完全なデマ」と否定

海外FX業者のFXGT(エフエックスジーティー)が「経営破綻の危機にある」との噂が一部で広がっています。噂が流れているのは主にX(旧Twitter)で、FXGT公式はこれを否定しています。当サイトではFXGTにこれらの噂について、事実確認を行いました。
update2025.11.04 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル