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LCH、ForexClearとステートストリートのFX Connect TradeNeXusを統合

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update 2021.08.31 15:29
LCH、ForexClearとステートストリートのFX Connect TradeNeXusを統合

update 2021.08.31 15:29

TradeNeXusの顧客はForexClearの決済サービスを利用可能に

世界有数の専業清算機関であるLCH (本社:Aldgate House, Aldgate High Street, London EC3N 1EA, UK[1])は、同社傘下にて店頭FX取引関連の清算サービスを手掛けるForexClearと、State Street(本社:One Lincoln Street Boston, Massachusetts 02111[2])【以下、ステートストリートと称す】のFX取引プラットフォームであるFX Connect TradeNeXusとを統合する初めての決済機関となることを発表した。

ステートストリートは、自動マッチングや取引及び決済コンファメーションの作成、サードパーティーとのメッセージング機能などが付帯したTradeNeXusを活用し、フロントからバッグオフィス向けのFXエコシステムを構築している。一方でForexClearは、エマージング諸国の内12か国とG10(Group of Ten、米国や日本など先進10か国)の内5か国を対象に、効率的なリスク管理に繋がるNDF(Non Deliverable Forward、為替先渡取引の一つ)決済サービスを提供している。TradeNeXusを利用するユーザーは、今回の統合により、既存のバイラテラル・ネッティングサービスや使い勝手の良さなどは維持しつつ、ForexClearの決済サービスも容易に活用できるようになるという。なお、アライアンス・バーンスタイン(AllianceBernstein LP)やブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメント(Brandywine Global Investment Management)、スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)、ステートストリートなどは、既にTradeNeXusとForexClearが手掛ける新たな決済スキームを利用し始めている模様だ。

両社の統合に際し、ForexClearの責任者を務めるPaddy Boyle氏、アライアンス・バーンスタインのデリバティブオペレーション兼テクノロジー部門ヘッドであるGaetano DiMiceli氏、ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのクライアント兼トレーディング業務部門ディレクターであるMark Solomon氏、TradeNeXusのマネージングディレクター兼グローバルヘッドを務めるKate Lowe氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

FX Connect TradeNeXusとForexClearを統合することにより、アセットマネージャーにとってFXデリバティブポートフォリオの清算をより容易なものにします。2019年もしくは2020年からの非清算取引に係る証拠金規制の対象となる大手運用機関の効率的な決済ニーズの高まりが、今回の統合を後押ししたと考えております。

Paddy Boyle, Head of ForexClear, LCH - LCHより引用

決済サービスは、カウンターパーティーリスクの管理や取引の確実性を確保するために大きく貢献しております。TradeNeXus上からLCHにアクセスし、より効率的な決済を行うことができるようなったことを喜ばしく思っております。

Gaetano DiMiceli, Head of Derivative Operations and Technology, AllianceBernstein LP - LCHより引用

LCHとFX Connect TradeNeXusが統合し、新たに構築された決済スキームを利用する最初の企業になったことを喜ばしく思っております。FX Connectと我が社の注文管理システムをシームレスに統合する作業は容易に実行され、効率的な決済業務に寄与すると期待しております。我々は、バイラテラル・ネッティング時のカウンターパーティーリスクの管理や当初証拠金の削減に繋がる新たなFX執行手法を提供できるようになりました。

Mark Solomon, Director, Client and Trading Operations, Brandywine Global Investment Management - LCHより引用

非清算取引に係る証拠金規制により、ポストトレード関連のワークフローが変化してきております。我が社の既存のマッチングシステムやメッセージング機能を活用した決済システムとの統合ニーズの高まりを認識していると共に、お客様にできる限り影響を与えないシームレスなソリューションを導き出すことを目標としております。FX Connect TradeNeXusは、バイラテラル・ネッティングを活用した決済機能を有するユニークなFX取引プラットフォームであり、バイサイド(買い手)・セルサイド(売り手)双方のお客様に対し、フロントからバックオフィスに至る決済ソリューションを提供すべく、LCH ForexClearと協働していくことを楽しみにしております。

Kate Lowe, Managing Director, Global Head of TradeNeXus - LCHより引用

今回、欧州を代表する有力決済機関と、様々な機能を有するFX Connect TradeNeXusが融合し効率的な決済スキームを提供することで、LCHとステートストリートの両社にとっては、更なる顧客取引の拡大が期待できそうだ。

release date 2019.09.26

出典元:

ニュースコメント

更なる業容拡大を図る欧州中央清算業界のガリバーLCH

LCHが拠点とする英国では、ジョンソン首相の議会閉会措置に対し最高裁判所が違憲判決を下す一方で、同首相は10月31日にEUから強硬離脱する方針を堅持しており、ブレグジット情勢は不透明感を増している状況だ。他方で、英国FX取引高は過去最高を更新したことに加え、ハードブレグジットが生じた際にはLCHが英国地盤の中央清算機関(CCP)として引き続きEU域内の事業認可を取得する可能性があることから、市場拡大と相まって同社を通じた効率的な決済需要が高まっていると推察される。実際に、足元ではみずほ証券がLCH SAのレポクリアに加入し、ネッティングや中央清算機能の利用が可能となっている。また、LCHはGenesisと提携し、オプション取引の権利行使を自動化させるソリューションの構築を試みており、サービス機能の強化にも積極的に動いている。親会社のロンドン証券取引所グループは香港証券取引所による買収に備える意向であるなか、同社の有力子会社に位置づけられるLCHが、市場拡大の見込まれる中央清算業界をリードすべく、積極的に業容拡大を図ると見込まれる。


Date

作成日

2019.09.26

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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