作成日
:2019.09.03
2021.08.31 15:30
日本三大メガバンクグループの一角であるみずほフィナンシャルグループ傘下の大手証券会社であるみずほ証券(本社:東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア
)が、日本の金融機関としては初めて、世界有数の専業清算機関であるLCH (本社:Aldgate House, Aldgate High Street, London EC3N 1EA, UK )傘下のフランス子会社LCH SAが提供するレポクリア(RepoClear)サービスに加入したことが明らかになった。英国・ロンドンを基盤とする中央清算機関(Central CounterParties, CCP)であるLCHは、売買の売り手と買い手それぞれのカウンターパーティーになることで、仮に取引の相手方が契約を履行しなかった場合でも、カウンターパーティーやオペレーション、決済、市場、法律、デフォルトリスクを軽減させるサービスを提供している。同社傘下のLCH SAは欧州最大の債券決済プールを構築しており、今回みずほ証券がレポクリアサービスに加わることで、LCH SAのネッティングや中央清算機能を利用できるようになるという。
日本の金融機関では初となるレポクリアサービスへの加入に際し、みずほ証券レポ取引部門のNozomi Kishimoto氏と同社ロンドン現地法人であるみずほインターナショナルレポ取引部門のAmandine Triadu氏、およびLCH SAのレポクリア兼コラテラル部門ヘッドを務めるCorentine Poilvet-Clèdiere氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
みずほがLCH SAのメンバーになったということで、これからヨーロッパ最大級のユーロ債取引プールのベネフィットを活用することが出来ます。LCH SAのクリアリングサービスにより、カウンターパーティーリスクを効果的に管理しながら、この重要な流動性プールへのアクセスを維持することが可能となるのです。
Nozomi Kishimoto and Amandine Triadu, Head of Repo in Tokyo and London respectively at Mizuho Securities - LCHより引用
みずほがLCH SA初の日本企業のメンバーとなられましたことを大変喜ばしく思っております。LCHでは今年初めにユーロ債清算事業をLCH SAへ統合、今後レポクリアサービスを広げていく上で非常に重要なステップと思っております。またこれから先何ヶ月も会員とサービス提供の拡大が続いていくことを楽しみにしております。
Corentine Poilvet-Clèdiere, Head of RepoClear and Collateral, LCH SA - LCHより引用
なお、みずほフィナンシャルグループは他社との提携を推進させており、傘下のみずほ銀行では、流動性の集約及び最適化やFX取引フロー管理の内製化を図る電子FXプラットフォームの構築、コスト削減、新たな投資機会の創出などを目的としてスマートトレード(Smart Trade)と提携した。一方のLCHもGenesisと提携し、FXオプション取引の権利行使プロセスの自動化ソリューションの構築を行っている。今回、みずほ証券は欧州で圧倒的な決済取引シェアを握るLCH SAのネットワークに加入しグローバルな決済機能を提供することで、更なる顧客満足度の向上を実現できそうだ。
release date 2019.09.03
リーマンショック後に金融規制が強化されたことを受け、デリバティブ取引の適正化を図るためのCCPを活用した集中決済義務が適用された。これにより、デリバティブ分野においてCCPの存在感が高まっている。また、世界のデリバティブ取引の中心である英国ではハードブレグジットの可能性が高まっており、各金融機関が継続的なサービスを提供すべく、ビジネス拠点をフランクフルトなどの大陸欧州へシフトさせる動きも出ている。このような市場環境下において、ESMAはハードブレグジット時に英国CCPsに事業認可を与える意向を示していたが、2019年4月には正式に、LCH、LME Clear Limited、ICE Clear Europe Limitedの3機関に認可を与える通知を発令した。特にLCHは金利スワップ取引の清算において、世界で90%超の取引シェアを占める英国を代表するCCPの一つであり、欧州全域で継続的に中央清算サービスを提供することが期待されている。また、ブレグジットを機に欧州の主要清算拠点としての地位獲得を目論むドイツ取引所傘下のEurex(ユーレックス)が提供するユーレックスOTCクリアにバークレイズが加入しており、各CCPによる顧客争奪が過熱を帯びている状況だ。他方で、日本のCCPである日本証券クリアリング機構も清算契約書の書式を英語対応とし、グローバル顧客の獲得を目指している。規制強化と相まって集中決済ビジネスは成長分野の一つとされていることから、今後もグローバルベースでCCPの顧客獲得競争が激化するものと予想される。
作成日
:2019.09.03
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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