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フィンテック企業AlgoTrader、金融サービス業者Avaloqと提携

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update 2021.08.31 15:30
フィンテック企業AlgoTrader、金融サービス業者Avaloqと提携

update 2021.08.31 15:30

デジタルアセット関連エコシステムの構築を模索

スイス・チューリッヒを拠点とするフィンテック企業であるAlgoTrader(本社:Letzigraben 89 8003 Zürich Switzerland[1])は、同じくチューリッヒを拠点とする金融サービスプロバイダーのAvaloq(本社:Schwerzistrasse 6 CH-8807 Freienbach Switzerland[2])と戦略的提携を締結したことを発表した。

今回のパートナーシップ契約の締結を通じて、両社は銀行やウェルスマネージャーなどの金融仲介業者向けに、今後起こり得る仮想通貨のカストディ及びトレーディングの変革に対応したグローバル・デジタルアセット・マネジメント・エコシステムの構築を目指すとのことだ。Avaloqが運営するフィンテック関連のマーケットプレイスであるavaloq.one上にて、AlgoTraderが機関投資家向けに構築した取引インフラを利用できるようにする見通しである。

これにより、Avaloqの顧客である世界中の銀行やウェルスマネージャーは、高い安全性を誇るFIX APIを経由して、仮想通貨取引の自動化やほぼ全ての主要な仮想通貨取引所にアクセスすることができるようになる模様だ。なお足元においては、Sygnumがシンガポールでの銀行ライセンスを申請しトークン化証券の提供を目指すなど、各金融機関がデジタルアセット業界の急速な発展に対応すべく、専門性と柔軟性の高いソリューションの活用を模索している状況である。

両社の提携に際し、AlgoTraderのCEO兼創業者であるAndy Flury氏とAvaloqのCPOであるMartin Greweldinger氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

グローバルに158社のお客様と取引するAvaloqは、今日の銀行業界を支える主要企業の1社であり、エンドツーエンドのデジタルアセット取引プラットフォームの構築に向けて、同社とパートナー契約を締結したことを喜ばしく思っております。また、全ての分散台帳技術(Distributed Ledger Technology, DLT)やブロックチェーンを基にした銀行システムを構築するフィンテック業界の更なる発展に向けて、我が社の技術及びサービス基盤を整備していく考えであります。

Andy Flury, CEO & Founder of AlgoTrader AG - AlgoTraderより引用

AlgoTraderとの提携は、我が社のエコシステムであるavaloq.oneのネットワークを拡大させるうえで重要なことであります。我々のお客様が最良執行価格で仮想通貨取引を行うために、同社のテクノロジーを活用することにより、多岐に亘る仮想通貨取引所やブローカーにアクセスすることが可能になります。また、AlogoTraderと協働してavaloq.oneを運営することにより、お客様は同プラットフォームを通じて有力なフィンテック及びレグテック企業のテクノロジーを自社の銀行システムへシームレスに統合させることができるようになります。

Martin Greweldinger, Chief Product Officer at Avaloq - AlgoTraderより引用

なお、AlgoTraderは機関投資家を対象に、伝統的金融資産とデジタルアセットの両方のアルゴリズム取引関連ソフトウェアやスマートオーダールーティング(最良価格を自動選択し売買を執行する注文)を実現させる取引インフラ、クオンツ分析、トレーディング戦略の立案、戦略のバックテストなどのサービスを提供している。今回、AlgoTraderにとっては、多くの金融機関が利用するマーケットプレイスを構築するAvaloqと提携し、需要が拡大するデジタルアセット関連ソリューションを提供することで、更なる顧客取引の拡大が期待できそうだ。

release date 2019.09.03

出典元:

ニュースコメント

業界のサービス構造を一変させる可能性を持つフィンテック企業

今回、AlgoTraderは既存の銀行システムやウェルスマネジメントサービス構造の変革を目指し、Avaloqとのパートナー契約の締結に至ったとのことだ。そのAvaloqは、バークレイズやドイツ銀行、HSBCといった有力なグローバル金融機関を顧客に抱えており、多くの金融機関がフィンテックを活用して既存の金融サービスシステムからの変革やデジタルアセットビジネスへの対応を急速に図っていることがうかがえる。また、サクソバンクがTradesocioと提携したように、フィンテック企業と伝統的な金融機関との提携に留まらず、ロビンフッドがFCAよりブローキング業務認可を取得し、英国で投資プラットフォームの提供に乗り出したことに加え、レボリュートが株式取引手数料無料サービスを開始するなど、フィンテック企業自らが、金融業界の勢力図を一変させるような付加価値の高いソリューションを提供し、投資家からの注目を集めている状況だ。現在、金融業界は、フィンテック革命による業界構造の変革の過渡期にあると思われ、今後もフィンテック企業及び金融機関による戦略的提携を通じた画期的なソリューションが提供させることを期待したい。


Date

作成日

2019.09.03

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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