Select Language

英国FX取引高、過去最高を更新

英国FX取引高、過去最高を更新

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:30
英国FX取引高、過去最高を更新

update 2021.08.31 15:30

高ボラティリティを背景に、全主要通貨ペアの取引量が増加

2019年4月時点における最新の英国FXの日次平均取引高が、前回調査時点である半年前と比較して12%増の2兆8,580億ドルとなり、過去最高を更新したことが、英国の中央銀行であるイングランド銀行が公表した最新のFX市場レポート内で明らかになった。[1]

同レポートは、英国FX市場で取引する大手銀行28行が参加した調査に基づくものである。2019年4月時点の日次平均取引高は、2004年の調査開始以降、過去最高記録であった2018年4月の2兆7,200億ドルを大きく上回り、英国FX市場の飛躍的な拡大が示される結果となった。これにより英国はグローバルFX取引高の約40%を占め、世界最大の通貨取引ハブとしての地位を維持すると共に、日次売買代金においては、強力なライバルであるニューヨーク市場の3倍もの取引量を誇ることとなった。なお、ニューヨーク為替市場委員会(Foreign Exchange Committee)が公表した北米の有力FXディーラー及び銀行の取引高サーベイによると、2019年4月時点のFX店頭取引(OTC)の日次平均取引高は、前年比18%減の8,109億ドルに縮小しており、より一層英国のFX取引高の好調さが際立つ結果になったといえるだろう。[2]

また同レポートによると、市場ボラティリティの上昇を要因として、全ての主要通貨ペアの取引高が増加したとのことだ。中でも最も取引高が大きいユーロ/米ドルとポンド/米ドルの日次売買代金は、2018年10月と比較してそれぞれ18%増の8,310億ドル、16%増の3,760億ドルとなった。加えて、米ドル/中国人民元の売買代金は6か月連続で増加し、過去最高の783億ドルを記録した。これは全通貨ペアのうち7番目の取引量であり、ユーロ/ポンドを上回る結果となっている。更に、レポート内では通貨ペア別の取引高シェアも公表されており、ユーロ/米ドルとポンド/米ドルが、2018年10月からそれぞれ27.7%増の29.1%、12.6%増の13.1%のシェアを握っているとのことだ。

ブレグジットに揺れる英国ではポンド取引が低迷していたが、今年に入りブレグジット交渉が決着するとの期待感から回復傾向が見られていた。しかしながら、離脱協議の延長決定によって先行きが不透明となり、FCAが金融パスポート継続措置の申請期間を延長するなど、英国市場の混乱が続いている。乱高下相場による高ボラティリティを背景として、大きな値動きを選好する投資家にとっては良好な市場環境が続くことだろう。

release date 2019.07.24

出典元:

ニュースコメント

英国次期首相の決定で市場混乱が予想される

今月23日、英国の議会与党である保守党は党首選でボリス・ジョンソン前外相が勝利したことを発表した。ジョンソン氏はかねてよりEUからの離脱強硬派として知られており、合意成立の有無にかかわらず今年10月末にEUを離脱する方針を支持すると見られていることから、ハードブレクジットが発生する可能性がより一層高まっている。ポンドは英国でEU離脱の是非を問う国民投票が行われた2016年6月以降、対ドルでの下落率が既に20%近くに達している。しかし英国は引き続き経済、内政、外交など多くの面で圧力にさらされており、今後更にもう一段大幅な下げに見舞われるのではないかという不安が市場では漂っている。このような市場背景の元、ポンドを巡る市場ボラティリティの上昇が続いており、一部の投資家を賑わせる結果となっている。世界的にFX取引量の減少が続き、市場のボラティリティが低下する流れの中、ブレクジットという大イベントによりポンドのボラティリティが上昇することの市場へのインパクトは大きく、今後も短期的な利益を狙う投資家の注目を集めていくことになりそうだ。


Date

作成日

2019.07.24

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル