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4つの消費者団体が参加企業にリブラからの脱退を要請

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update 2021.08.31 15:30
4つの消費者団体が参加企業にリブラからの脱退を要請

update 2021.08.31 15:30

Facebookの取り組みをカルテルだと批判

Facebookが独自仮想通貨であるリブラ(Libra)の詳細を発表して以来、Facebook, Inc.(本社:1 Hacker Way, Menlo Park, California 94025)【以下、Facebookと称す】は各国政府の批判の的となってきたが、現在、新たに4つの消費者団体がリブラに参加する企業に対してプロジェクトから脱退するよう求めていることが明らかになった。[1]

今回、Open Market Institute、Public Citizen、The Revolving Door Project、The Demand Progress Education Fundの4つの消費者団体はコンソーシアムを結成し、参加企業28社に向けてリブラからの脱退を促す旨の文書を発行したという。これら4つの消費者団体は、消費者の利益を守ることを念頭に、政府や特定企業の活動を監視する圧力団体として様々な取り組みを行っているようだ。先日開催された公聴会でBrian Schatz上院議員は、このコンソーシアムの存在について触れており、これらの消費者団体がFacebook(フェイスブック)の支配的な立場にあることに懸念を抱いていると伝えた。

ホワイトペーパーによると、リブラは世界17億人に新しい金融ソリューションの提供を目指すとしているが、コンソーシアムはその目的が不明確で権力の集中を招く恐れがあると指摘している。また、David Scout上院議員は、一部後進国の人々が金融サービスを利用できない理由として、有効な身分証明書の保持が一般化していないことが関係すると分析し、そのような状況でリブラが目標達成すると同時に、顧客確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)の徹底を両立させることは現実的ではないとの意見を呈した。

このコンソーシアムにおいてPublic Citizenは、Facebookに対して最も否定的で、代表のRobert Weissman氏は同社の取り組みを市場の独占(カルテル)だと批判している。公正なルールに基づいた民主的なソリューションの構築を望む消費者団体は、リブラや参加企業への圧力を強めていくことが予想されるが、Facebookはどのような対応を見せるのか、今後も同社の動向を注意深く見守っていきたい。

release date 2019.07.24

出典元:

ニュースコメント

Libra Associationの選定基準に不公平感

先日、米上院にてリブラに対する公聴会が実施されたが、個人情報や取引データの取り扱いに関して質問を受けた際、その運用をFacebookがスイスに設立した子会社のカリブラ(Calibra)に委任し、直接的な管理を行わない方針であることを明らかにした。Facebookはリブラを分散型の組織体系で管理することを強調したが、その肝となるLibra Associationのメンバーには同社を含め、プロジェクトへ多額の出資を行った企業が名を連ねているため、完全に公平なシステムだとは言い難い現状がある。また、FacebookはLibra Associationを米国の金融犯罪捜査網(FinCEN)に登録し、当局の管理下に置くことを公表しているものの、リブラの透明性に対する疑念を払拭できるほどの材料とはなり得ないだろう。消費者団体の要請通り、Libra Associationから参加企業が脱退すれば、Facebookもシステムの見直しを迫られるが、各企業はどのような判断を下すのか、今後はその去就に注目していきたい。


Date

作成日

2019.07.24

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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