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サクソバンク、蘭ブローカーBinckBankの買収認可を取得

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update 2022.05.20 17:43
サクソバンク、蘭ブローカーBinckBankの買収認可を取得

update 2022.05.20 17:43

35%のプレミアムを乗せてBinckBank株式の買取を実施

デンマークに拠点を置く投資銀行であるSaxo Bank Group(本社:Philip Heymans Alle 15 2900 Hellerup Denmark[1])【以下、サクソバンクと称す】が、オランダを拠点とするオンラインブローカーであるBinckBank(本社:Barbara Strozzilaan 310 1083 HN Amsterdam The Netherlands[2])を4億2,400万ユーロ(4億7,200万ドル)で買収する事案に関し、欧州中央銀行(European Central Bank, ECB)とオランダ銀行(De Nederlandsche Bank)より認可を取得したことが明らかになった。[3]

サクソバンクは買収に必要な全ての認可を取得したことで、BinckBankの全株主に対し買収提案に応じるよう求めている。また、BinckBankの監査役会への役員追加と経営陣の刷新に関しても、ECBの同意とオランダ銀行の認可を得たとのことだ。2018年12月にサクソバンクが初めてBinckBankへ買収提案を行った際、同社の全発行済み株式を1株当たり6.35ユーロで買い取る意向を示しており、当時35%のプレミアムが上乗せされていた。なお、今月23日のBinckBankの終値は6.33ユーロとなっている。同社の取締役会もサクソバンク傘下に収まることで事業規模の拡大とビジネスリスク管理の効率化を期待できることから、満場一致で買収提案に賛成しているとのことだ。

また、サクソバンクはBinkBankの株主に対し、買収提案に応じるか否か決断する期間を2019年7月31日まで延長すると発表した。今回サクソバンクが行った買収提案を無条件に実施するためにはBinckBank株式を少なくとも80%買い取らなければならないが、サクソバンクによると買取水準を67%に引き下げる可能性があるという。仮に最終期限となる7月31日までに条件を満たせなければ、買収提案を見直す必要が出てくる模様だ。

なお、BinckBankは本拠地であるオランダを始めフランス、ベルギー、イタリアで確固たるプレゼンスを確立しており、サクソバンクの傘下に加わることで、競争が激化する地域におけるオンライントレード及び投資サービス業務の拡充を図る意向である。また、オンラインブローカーとしての特性を活かして世界中の主要な金融市場にアクセスし、グローバル投資家に対して投資一任業務を含む様々なソリューションを提供していく方針だ。一方サクソバンクは、同社の日本法人であるサクソバンク証券がTradingViewと提携するなど、トレーダーの取引環境の改善にも努めている。サクソバンクがBinckBankの買収手続きを早期に完了させ、両社が強みを持つ西欧市場を始めグローバルベースで業容拡大を図ることを期待したい。

release date 2019.07.24

出典元:

ニュースコメント

世界規模の収益基盤を誇るサクソバンクグループ

BinckBankは、2000年に設立された電子取引プラットフォームプロバイダーである。オランダやベルギーでは有力ブローカーのひとつとされ、フランスでは国内3位の取引高を誇り、同社の主要株主はオランダやアメリカを中心とする世界各国の有力投資会社が名を連ねている。同社を買収するサクソバンク自身も中国自動車メーカーGeelyグループに株式の30%を売却し、さらにフィンランドの大手金融機関Sampoによりサクソバンク株の買収が行われたことで、その経営基盤はグローバル化している。サクソバンクの子会社であるSaxo Capital Marketsの2017年度業績は不振であったものの、2018年には日本子会社のサクソバンク証券が6,000銘柄以上の米国株の取り扱いを開始したことに加え、2019年のTradingViewとの提携により、豊富な取り扱い商品に関する充実した情報提供が可能となった。世界規模の収益基盤と著名な老舗ブローカーを抱えるサクソバンクの、グローバルなサービス展開と今後の躍進に期待したい。


Date

作成日

2019.07.24

Update

最終更新

2022.05.20

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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