Select Language

ロンドン証券取引所グループ、香港証券取引所による敵対的買収に備える意向

ロンドン証券取引所グループ、香港証券取引所による敵対的買収に備える意向

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
ロンドン証券取引所グループ、香港証券取引所による敵対的買収に備える意向

update 2021.08.31 15:29

元JPモルガンチェースの幹部2名を採用

ロンドン証券取引所グループ(本社:10 Paternoster Square London EC4M 7LS[1])【以下、LSEGと称す】が、香港証券取引所(本社:8/F, Two Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong[2])【以下、HKEXと称す】による敵対的買収に備えるべく、元JPモルガンチェースの幹部2名を採用したと、英国紙Financial News Londonが情報筋の話として報じた。

LSEGがHKEXの買収提案を拒否してから1週間経たずして、LSEGはM&A(企業の合併・買収)アドバイザーとして、元JPモルガンチェースM&A部門のEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域共同責任者であったDwayne Lysaght氏と、同社英国事業の共同責任者を務めていたEdmund Byers氏を引き抜いた模様だ。またJPモルガンチェースは、ゴールドマンサックスやモルガン・スタンレー、Robey Warshawに加わる形で、LSEGの買収防衛アドバイザーに採用されたとのことである。

なお、LSEGがHKEXの合併交渉を拒絶した場合、HKEXによる敵対的買収の可能性に備えることを念頭において、実現可能な合併案を模索すべく、LSEGの株主との交渉を開始したという。今回の報道を受け、LSEGの株主であるSVM Asset ManagementのファンドマネージャーであるColin McLean氏は、HKEXによるLSEGの買収案は非常にリスクが高いと見込まれることから、LSEGの株主が同案に賛成するとは想定しておらず、HKEXによる敵対的買収が成功することに対しても疑問を抱いている模様だ。一方で、LSEGの株主はリフィニティブ(Refinitiv)との合併に賛成しているとコメントしている。HKEXによる大型買収案件が提案されてから即座に暗礁に乗り上げた状態となっているが、LSEGが今後HKEXの買収スキームに取って代わる如何なる戦略プランを打ち出すか注目が集まる。

release date 2019.09.19

出典元:

ニュースコメント

独自路線を歩むLSEGの次の一手に注目

今回HKEXによる買収提案を頑なに拒否するLSEGは、2006年に米ナスダックの買収提案も拒否した一方で、イタリア証券取引所や世界的な指数組成を手掛けるFTSEラッセルを買収したほか、LSEGはLCH株式持ち分を追加取得し、直近では金融情報会社リフィニティブを傘下に収めるなど独自の経営路線を歩んでいる。なお、2019年5月末時点におけるLSEGの株式市場の時価総額は約508兆円であり、同社が拠点とする欧州の有力ライバルであるユーロネクストは約500兆円、ドイツ取引所は約227兆円の規模を誇っている。足元では、ユーロネクストがオスロ証券取引所グループの買収を完了した一方で、ドイツ取引所傘下のクリアストリームはアイルランドに新オフィスを開設するなど、各証券取引所が積極的に業容拡大を図っている状況だ。今後も証券取引所間の顧客獲得競争が激化すると予想されることから、LSEGがグローバル市場で確固たるプレゼンスを確立すべく、顧客ニーズを掴んだ画期的なソリューションを提供することに期待したい。


Date

作成日

2019.09.19

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル