作成日
:2019.09.23
2021.08.31 15:29
今月19日に約9,600ドルで月初以来の安値をつけたビットコイン(BTC/USD)価格は、同日に780ドルの反発を見せて直近の高値を更新し、大手仮想通貨取引所であるBitstamp(ビットスタンプ)の相場では1通貨あたり最高1万380ドルの値を付けた。
前日からビットコイン価格は9,855ドル付近の支持線の下で弱気な展開を見せていたが、ここにきて急速に強気相場に転じている。結果的にビットコイン価格は9,600ドルから1万ドルを超える水準にまで回復し、ロウソク足のチャート上では強気のハンマーと呼ばれるパターンが出現した。長い下ヒゲと上側の短い実線で形成される強気のハンマーは、弱気な相場を否定する動きでの中で発生するため、さらなる価格上昇を見込むことができるという。このような強気のハンマーは次の展開を予兆するサインだと考えられるが、ビットコイン価格が高値の1万380ドルラインを越えれば買い圧力が高まり、1万1,000ドル台へ復帰する可能性が見えてくる。
現在、ビットコイン価格は1万140ドルから1万308ドルの間で推移すると同時に、1時間足のチャート上では強気を示すフラッグを形成し、上方へのブレイクアウトが発生する期待が高まっている。ブレイクアウトが発生した場合、ビットコイン価格が1万950ドルを目標に上昇する可能性があり、3カ月間続いたレンジ相場の三角保ち合いをブレイクすれば、その強気がより確定的なものとなるだろう。
この三角保ち合いの上限は1万822ドルに存在し、ビットコイン価格がこれを上回ると4月2日からの上昇トレンドが継続中だとの認識が強まる。反対にビットコイン価格が9,450ドルの下限を割る可能性も十分あるため、予断を許さない状況が続いているが、今後も同仮想通貨の動向には注目していきたい。
release date 2019.09.23
ビットコイン価格は業界のイベントやニュースなど、ファンダメンタルズ的な要因に影響されることがわかっているが、以前と比べるとボラティリティが低下しつつあるようだ。例えば、今年7月に米国のトランプ大統領が仮想通貨に否定的な発言をした際には、仮想通貨市場のヒステリックな反応が予想されたものの、ビットコイン価格はそれを裏切る形で1.3%の増加を見せるだけに留まった。また、今年6月以降、米上院でFacebookのリブラに対する公聴会が開催されたことを皮切りに、同社のステーブルコインに関する発表や各国政府の声明が連日報道される中でもビットコイン価格は終始1万ドル前後の水準を保っていた。直近では、Bakktがテスト段階にあったビットコイン先物の提供を正式に開始したことが公表され、仮想通貨市場が沸いている様子がうかがえるが、ビットコインおよび主要な仮想通貨価格への大きな影響はあるのか、今後も仮想通貨市場の展開を見守っていきたい。
作成日
:2019.09.23
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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