作成日
:2019.08.05
2021.08.31 15:30
今月4日、イラン政府が新しい法案を可決し、仮想通貨を法定通貨として認めず、国内での仮想通貨取引を合法としない方針であることが地元メディアの報道で明らかになった。
報道によると、この新しい法案の成立によって政府や金融機関が仮想通貨を法定通貨として取り扱わないことが明確になったという。以前からビットコイン(Bitcoin)などの仮想取引所についてイラン中央銀行は違法であると明言していたが、今回の発表に際してもその価値を保証しないとの立場を強調した。
これまでイラン政府はマイニング事業を産業化しており、事業者は同国の産業鉱山貿易省(Ministry of Industry, Mine and Trade)から承認を得ることで事業開始が可能となっている。基本的にイラン政府はマイニング事業を新しい産業分野として後押しする構えだが、マイニング施設は国の中心部から30キロメートル以上離す必要があるなど、事業者に対する制限を設けているようだ。イラン政府の新しい規制では、テヘランやイスファハーンなどの中心都市でのマイニング事業の禁止や、マイニング事業者が消費する電力には割高な輸出向け料金が適応されることが盛り込まれているという。
米国の経済制裁が強まる中、イランでは国家主導の仮想通貨開発が決定されるなど仮想通貨関連の法整備が進んでいるが、国内にマイニング機器を輸入するためのライセンス制度を導入しておらず、同国の税関は懸念を露わにしている。先月31日、イランの州警察は約23万ドル相当のマイニング機器を密輸した個人を逮捕しており、国内に違法なハードウェアが出回っている可能性があることが明らかになったが、当局はどのような対応を見せるのか、今後もイラン政府の動きには注目していきたい。
release date 2019.08.05
米中の貿易戦争が加熱する中、米国のドナルド・トランプ大統領は中国に対して強気の姿勢を崩さず、様々な項目で追加関税を課すことを宣言しており、中国側も負けじと応戦する構えを見せている。米国が開示した追加関税のリストの中には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれる仮想通貨マイニングに特化したハードウェア製品も含まれ、25%程度の関税が追加で課されることになっているという。この追加関税が現実のものとなれば、Bitmainをはじめとする中国の大手マイニング機器メーカーにとって大打撃となるだけでなく、少なからず仮想通貨市場全体にも影響がおよぶ恐れがあると言えるだろう。多くの仮想通貨は中国製のマイニング機器や中国内のマイニングプールからのハッシュパワーに大きく依存しており、供給源となっている中国企業の力が弱まればネットワークの効率性やセキュリティが低下する可能性もあるだけに、今後は米中の戦いの行方も注視していきたい。
作成日
:2019.08.05
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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