作成日
:2019.07.26
2021.08.31 15:30
自国通貨ボリバルのインフレ率が1,000万%に達したベネズエラでは、ニコラス・マドゥロ大統領の意向でベネズエラ国営仮想通貨であるペトロの導入が進められているようだ。
驚異的なインフレが国内経済の足かせとなっているベネズエラだが、同国政府は仮想通貨全般の規制および監督を行うNational Superintendency of Crypto Assets and Related Activities【以下、SUNACRIPと称す】を中心に、積極的にペトロ(Petro)を経済活動に組み込もうとする動きを見せている。ベネズエラ国有銀行でペトロの取り扱いを開始すべく、専用窓口を設置するよう指示を出したという。ベネズエラ国民は政府機関から配布を受ける以外にも、政府公認の仮想通貨取引所でライトコイン(Litecoin)やビットコイン(Bitcoin)などの仮想通貨と引き換えにペトロを購入することができる。
先日もマドゥロ大統領は、報道によると、ベネズエラ政府は国民から資金調達を行うことを目的にペトロを発行し、集めた資金をビットコイン(Bitcoin)に替えて香港やロシア、ハンガリーなどの口座に送金していると噂されている。その真偽は明らかではないが、ベネズエラ政府は今年4月にドナルド・トランプ大統領の政策により米ドルの調達手段を断たれ、それ以来、仮想通貨を経済制裁の回避策としたことが批判の的となっている状況だ。
ベネズエラ政府の思惑とは裏腹に、肝心要のペトロは米国内での取引が禁止されるなど、国際社会で信用を完全に失っており、国外の取引所では殆ど取り扱われていない。国内経済も一向に改善せず、ベネズエラ政府は存亡の危機に直面しているが、マドゥロ大統領に次なる策はあるのか、今後の展開に注目していきたい。
release date 2019.07.26
ベネズエラの法定通貨であるボリバルは、ここ1年ほどでその価値が急激に減少しており、昨年末ごろに1通貨あたり約1.8円を記録していた為替レートは、現在、約0.012円にまで下げてきている。このような状況下でベネズエラ政府はボリバルに代わる通貨としてペトロの利用を促したが、国民はトランザクションスピードや信頼性の観点から匿名通貨のダッシュ(Dash)をはじめとする主要な仮想通貨の利用を選択したようだ。ペトロは国営プロジェクトとして開発がスタートしたものの、裏付けとなる天然資源の存在が確認できないことやホワイトペーパー公開時に持ち上がった剽窃疑惑など、当初から黒い噂が後を絶たず、国内外で信頼を勝ち取ることはできなかった。独裁的な政治を行なってきたマドゥロ大統領にとって、ペトロの失墜は手痛い誤算になったと考えられるが、ベネズエラ政府は立ち行かない経済を回復に導くことができるのか、今後の取り組みに期待したい。
作成日
:2019.07.26
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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