Select Language

日本政府、仮想通貨向けの国際決済システムを導入へ

日本政府、仮想通貨向けの国際決済システムを導入へ

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:30
日本政府、仮想通貨向けの国際決済システムを導入へ

update 2021.08.31 15:30

FATFの協力を経て国際的な包囲網を構築

仮想通貨を使ったマネーロンダリング対策(AML)の取り組みとして、日本政府が仮想通貨向けにSWIFT(国際銀行間通信協会)のような国際決済システムの導入を推進していることが、報道によって明らかになった。[1]

日本の財務省および金融庁(Japan Financial Services Agency, JFSA)は、今後数年でこの決済システムを完成させることを計画しており、既に金融活動作業部会(Financial Action Task Force)【以下、FATFと称す】にも承認を得ているという。FATFはこの決済システムを監視する役割を担い、国際的な包囲網を構築することによってマネーロンダリングを未然に防ぐ狙いがあるようだ。しかしながら、分散型ネットワークやブロックチェーンの性質を考えると、ウォレットアドレスさえあれば国際送金が成立する仮想通貨に対し、当局がどのように監視体制を確立するかは依然として明らかにされていない。

日本は、世界でもいち早く仮想通貨に関する法整備を進め、先進的な市場環境を構築してきたが、未だに仮想通貨関連の犯罪に苦しめられている状況だ。昨年のコインチェックのハッキング事件を受け、金融庁も規制強化を実施すると同時に、多数の取引所に業務改善命令を出したものの、今年に入ってもビットポイントがハッキングで大規模な被害に見舞われたことを報告している。金融庁は取引所のライセンス制度を導入しており、事業者の申請に対しても高い基準を持って承認作業を行なっているが、ビットポイントの件で業界全体におけるセキュリティ強化の必要性が浮き彫りとなったと言えるだろう。

この決済システムの導入が現実のものとなれば、仮想通貨の犯罪利用に対する抑止力となるだけでなく、世界的なソリューションとして仮想通貨の普及を加速させる可能性があるが、今後の開発に期待しながら進捗を見守っていきたい。

release date 2019.07.19

出典元:

ニュースコメント

個人情報の紐付けには各国の連携が必須

取引履歴が公にされているパブリックブロックチェーンでは、その記録からトランザクションを追跡することはそれほど難しくはなく、マネーロンダリングや違法行為などの動きを検出することも可能となっている。特にChainalysisなどの先進企業が開発を進めるブロックチェーン解析ソリューションを用いれば、リアルタイムで膨大な量のトランザクションを監視することも容易に実現できるだろう。しかしながら、KYC(顧客確認)の徹底や国際的な運用スキームが確立されているSWIFTとは違い、ブロックチェーン上の情報だけでは取引に関与した個人を特定するには不十分だと言える。各国政府は法定通貨と仮想通貨の両替が可能な取引所やウォレットサービスなどの事業者を規制することで、犯罪利用を抑止しようとしているが、オフショア地域や後進国との連携も課題となっているのが現状だ。先日、米上院で公聴会が開催されたFacebookのリブラ(Libra)のような仮想通貨であれば、政府主導で統制することも不可能ではないが、多数の仮想通貨に対応するには各国機関が連携することは必須になるといえよう。


Date

作成日

2019.07.19

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

話題のDCJPYとJPYCの違い|海外FXの入出金に使えるのは?

DCJPYというデジタル通貨が話題となっています。一方で、海外FXユーザーの間ではJPYCへの期待も高まっています。本記事では、DCJPYとJPYCの特徴や違いを比較し、海外FXトレーダーにとってどちらが送金手段の選択肢となるのかを解説します。
update2025.09.26 19:30

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル