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ZenGo、Facebookのリブラに対応したウォレットを公開

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update 2021.08.31 15:26
ZenGo、Facebookのリブラに対応したウォレットを公開

update 2021.08.31 15:26

容易に利用可能な非カストディアルウォレットを開発

イスラエルのスタートアップ企業であるZenGoは、Facebook, Inc.(本社:1 Hacker Way, Menlo Park, California 94025[1])【以下、Facebookと称す】が独自に開発を進める仮想通貨のリブラ(Libra)に対応したキーレスウォレットのソースコードを公開した。

Facebook(フェイスブック)の子会社でリブラの運営を担うCalibra(カリブラ)は、専用のCalibra Walletを開発しているが、ZenGoはリブラに対応した初となるサードパーティ製のウォレットをローンチする見通しだ。このウォレットは非カストディアルウォレットに分類され、中央組織に代わってユーザー自身が資金管理を行う仕組みを採用している。

Calibraの責任者でもあるDavid Marcus氏は、リブラのウォレット向けのサービスに関して以下のような見解を示した。

カストディアルウォレットや非カストディアルウォレットなど、互換性があるサービスの中からユーザーは自由にウォレットを選択することができます。つまり、異なるウォレット間でも送金や支払いの受け取りが成立し、ユーザー自身の管理が必要なソフトウェアウォレットの利用も可能となる見込みです。Facebookがリブラネットワークの後ろ盾になっているわけではありませんが、人々がCalibra Walletに好意的な反応を示すことを願っています。

David Marcus, Head of Calibra - Facebookより引用

また、ZenGoのウォレットは、TSS(Threshold Signatures Scheme)という暗号化技術を駆使し、プライベートキーを不要とするキーレスの構造を実現している。運営側の過失による紛失や盗難のリスクを排除するために、プライベートキーの管理はユーザーに委ねられているが、ZenGoは共同署名者として機能することでセキュアなトランザクションを可能にするという。

ZenGoのCEOであるOuriel Ohayon氏は、その機能の特徴について次のように述べている。

このアイディアはプライベートキーの管理におけるユーザーの負担を軽減するという発想で生まれました。もしリブラが広く普及しても、多くのユーザーはバックアップやリカバリー、マルチシグの設定方法さえわからないでしょう。TSSベースのウォレットは、非カストディアルウォレットの煩雑さを排除し、カストディアルウォレットのような体験を提供します。

Ouriel Ohayon, CEO of ZenGo - CoinDeskより引用

Calibraのようなカストディアルウォレットには、パスワード保護や厳格なKYC(顧客確認)プロセスが必要となってくるが、今の所、米国の金融犯罪を取り締まる金融犯罪捜査網(Financial Crimes Enforcement Network)は、非カストディアルウォレットを金融サービとして認識しておらず、ZenGoには同様の基準が当てはまらない。ZenGoのウォレットはビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)など複数の仮想通貨に対応しているものの、現在、リブラのテストネット環境でのみ利用可能な状況だという。Ohayon氏は、リブラが分散型の構造やプライバシー性能に改善が必要だと言及し、同時にZenGoのウォレットに関してもセキュリティ強化を目的としたt out of n分散署名の実装計画があることを明かしている。

FCAがFacebookにリブラの詳細情報を要請するなど、リブラやFacebookの仮想通貨分野での取り組みには、各国政府からの批判の声が上がっているが、世界の規範や経済を大きく変える存在になる可能性があるだけに、今後も同社やZenGoの活動は注意深く見守っていきたい。

release date 2019.07.04

出典元:

ニュースコメント

リスク集中を嫌い分散型サービスへ需要が移り変わる

2017年の仮想通貨ブーム以降、仮想通貨取引所や関連サービスを狙ったハッキング被害の件数が飛躍的に増加しており、世界最大の取引量を誇る仮想通貨取引所バイナンスでもハッキング被害が報告され、コンプライアンス基準の引き上げやセキュリティの強化が業界全体の課題として焦点が当てられてきた。しかしながら、近年、大手仮想通貨関連企業を中心に分散型サービスを導入することによるリスク回避の流れが生じ、バイナンスやHuobi(フォビ)などの主要な取引所は分散型取引所(DEX)の立ち上げを実現している。その動きに合わせて仮想通貨ウォレットの分野でも、中央集権型のウォレットサービスからハードウェアウォレット、分散型ウォレットなどに需要がシフトしているという。これによりプライベートキー紛失やソーシャルハッキング(直接個人から情報を盗み出す手段)など、相対的に個人でのセキュリティ対策が重要になりつつあるため、ライトユーザーのリテラシー向上が新たな課題として表面化しているのも事実だ。ZenGoの非カストディアルウォレットは、この課題に切り込むソリューションとなることが予想されるが、将来的に仮想通貨市場に広く波及することを期待したい。


Date

作成日

2019.07.04

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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