Select Language

グレースケール、投資戦略におけるビットコインの有用性を示す

グレースケール、投資戦略におけるビットコインの有用性を示す

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
グレースケール、投資戦略におけるビットコインの有用性を示す

update 2021.08.31 15:26

世界的な流動性危機のリスクを軽減する可能性

仮想通貨を対象とした投資商品を開発するGrayscale Investments(本社:250 Park Avenue South, New York[1])【以下、グレースケールと称す】は、ビットコイン(Bitcoin)が既存の金融市場における流動性危機のリスクを軽減する可能性があることを示すレポートを公開した。[2]

グレースケールによると、ビットコインはその透明性や持続性、流動性の観点から、長期投資のポートフォリオにおいて戦略的な役割を担っており、景気循環が不況のサイクルに入った時には他の資産クラスの低迷を補完する動きを見せる傾向があるという。グレースケールは、世界各国の金融や会計、取引政策が急速に変化していることから、国家や政治家が経済をコントロールすることが益々困難になっていると指摘し、ビットコインをはじめとする仮想通貨の重要度が増しているとの見解を示した。また、このレポートでは、ギリシャや英国の欧州連合離脱(グレグジットおよびブレクジット)、中国の人民元(CNY)切り下げ、2度にわたるトランプショックなど、重大なイベントが発生した際に仮想通貨が資産の回避先となることが示唆されている。

例えば、2015年4月から7月にかけて公的債務のデフォルトが問題となったグレグジットでは、ギリシャ政府が3週間に亘って銀行を閉鎖し、厳格な資本規制を実施したことで中央政府の金融体制に対する不安が浮き彫りとなった。グレースケールによると、この頃からビットコインは政府に依存しない価値の移転手段としての認識を強めており、2015年7月13日にグレグジットリスクが解消されるまでの間、平均1.7%下落した法定通貨やその他市場とは対照的に28%も価格が上昇したという。

同様に2015年8月から2016年12月に中国政府が実施した金融政策の変更時には、構造的な人民元の切り下げで対米ドルレートが1.9%も減少している。世界第2位の経済規模を誇る中国は、輸出が支える経済を活性化する目論見があったようだが、国民がリスク回避に動いたことから人民元の売り優勢な状況が5か月も続き、ここ20年間で最大の価格暴落を記録した。中国政府の発表があった当日、法定通貨やその他市場は10.1%のマイナスを計上したが、一方ビットコインは53.6%の価格上昇を見せた。

加えて、最近では欧州連合からの離脱を求める英国の国民投票が、英ポンド(GBP)およびユーロ(EUR)の売りを誘導する要因となっており、これらの法定通貨が平均で-2.1%も下落するという結果を招いている。ビットコインは取引量の増加を伴いながら7.1%の高騰を記録したが、欧州連合加盟国にもブレクジットに関する不安が広がっているため、更なるビットコイン需要の高まりが見られる可能性がある。この仮説が正しければ、仮想通貨関連商品を販売するグレースケールにとっても追い風となることが予想できるが、どのような展開を見せるのか今後も注目していきたい。

release date 2019.06.18

出典元:

ニュースコメント

将来的に株式市場への統合が予想される仮想通貨

現在、ビットコインやイーサリアム(Ethereum)などの主要な仮想通貨は、株式市場と長期的な相関性がないとされていることから、投資ポートフォリオのリスク分散には有効だと考えられる。例えば、米国の主要テクノロジー企業の株価に連動するダウ平均株価は、ビットコインとの相関性が0.8から-0.8の値で乱高下する状況となっており、短期的に同調することはあってもそれが続くことは珍しい。しかしながら、近年米国ではFacebookが2020年までに独自仮想通貨をリリースする計画であるなど、大手企業の参入によって仮想通貨市場が株式市場との相関性を強めていく可能性が議論され始めているという。特にシリコンバレー企業は仮想通貨市場に積極的に投資を進めており、2021年までにFacebookが仮想通貨分野で190億ドル規模の売上を計上するとの見通しもあるようだ。まだ仮想通貨市場には不確定な要素も多いが、この流れが投資家にどのような影響を与えるのか、今後もその動向を注意深く見守っていきたい。


Date

作成日

2019.06.18

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

またコピトレ詐欺か?WeekendFXにAmazingTick型の詐欺疑惑

WeekendFXのコピートレードに参加したユーザーが、「出金できなくなった」と次々に声を上げ始めています。AmazingTickの詐欺事例との類似点も多く、同じ手口のコピトレ詐欺なのではないかという疑惑が持ち上がっています。
update2025.06.23 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

Exnessの出金遅延はなぜ起きた?オンラインカジノ規制の影響とは

海外FX業者のExnessでは、国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

【速報】イラン・イスラエル停戦報道でビットコイン反発、一時10万6,000ドル突破

2025年6月23日、トランプ大統領がイラン・イスラエル間の停戦を自身のSNSで発表しました。これにより中東での地政学リスクが後退し、ビットコイン(BTC)の価格は一時10万6,000ドルまで急反発しました。
update2025.06.24 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

【スリトレ堂安氏の約3倍】本田圭佑×Titan FX、SNSフォロワー数379万の影響力は?

海外FX業者のTitan FXがサッカー選手の本田圭佑氏をグローバルアンバサダーに起用したことを発表しました。なぜTitan FXは「本田圭佑」を選んだのか、SNSの反応や業界の過去事例からその影響力を読み解きます。
update2025.06.09 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル