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国際決済銀行、店頭デリバティブ統計を公表

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update 2021.08.31 15:26
国際決済銀行、店頭デリバティブ統計を公表

update 2021.08.31 15:26

店頭FX取引は市場規模が縮小するもののシェアは拡大

国際決済銀行(Bank for International Settlements)【以下、BISと称す】は5月2日、店頭FX取引市場などの複数の市場規模を把握することができる店頭デリバティブ統計を公表した。[1]

BISが公表した2018年度下半期の統計レポートによると、店頭FX取引の市場規模は2.3兆ドルとなり、2018年上半期と比較して約11%、金額にして3,000億ドルほど減少した。また2018年12月末時点の金利デリバティブ取引の市場規模は9.7兆ドルであり、かつてピークをつけた2008年12月末の35兆ドルから大きく縮小する結果となった。加えてクレジットデリバティブ取引に関しては2018年12月末に2.3兆ドルに落ち込み、2008年の金融危機以来の低水準となっている。これらの結果を踏まえ、店頭デリバティブ市場全体を占める店頭FX取引の市場シェアは2014年6月末時点の10.5%から2018年12月末時点には23%へと拡大している状況だ。なお中央清算機関(Central CounterParties, CCPs)を絡めたFX取引は僅か3%程のシェアに留まった。

また店頭デリバティブの取引残高は、2018年6月末と比較して8.5%減少の544兆ドルであった。取引残高が縮小した主な要因として、店頭デリバティブ規制をきっかけとして市場構造が変化を遂げる中、米ドル建ての金利デリバティブ取引が低迷したことが挙げられる。市場全体を占める金利デリバティブ取引のシェアは2014年6月末の80%から2018年12月末には66%まで低下している。加えて店頭デリバティブ取引の取引残高ベースの通貨別内訳を確認すると、依然最も高いシェアを占める米ドル建てとユーロ建ての金利デリバティブ取引は、それぞれ2018年6月末の193兆ドル、129兆ドルから、2018年12月末には169兆ドル、114兆ドルに減少している。また、英ポンドは39兆ドル、日本円は36兆ドルといずれも低水準で推移している状況だ。

なお足元ではESMAがMiFIDⅡ適用計画を公表し、ブレグジット(英国のEUからの離脱)後のデリバティブ取引に係るレポーティング規制に関する詳細な計画書をまとめている。欧州を始めグローバルベースで規制強化の波が押し寄せる中、ブローカー各社はいち早く規制に対応した形で顧客取引を喚起する画期的なソリューションの提供が求められていると言えよう。

release date 2019.05.03

出典元:

ニュースコメント

各国におけるデリバティブ取引の動向

デリバティブ取引は、欧州や米国の経済に大きな影響を与え得る市場であるといわれている。欧州では、店頭デリバティブ取引の透明性の向上やリスク低減を目的として、欧州市場インフラ規制【以下、EMIRと称す】が構築されている。更にブレグジット情勢の方向性に応じて、迅速な対応を迫られる市場関係者の混乱を避けるため、ESMAはデリバティブ取引情報の報告義務の詳細な適用計画を公表している。米国においては、国外を拠点とする企業2社が米国のデリバティブ市場を統括する自主規制機関、全米先物協会に申請を行っていることも分かっており、市場の動きが活発化し始めていることが伺える。ただし、CFDやデリバティブ取引はリスクを伴うトレーディングのため、ブローカー各社は当局の規制に対応した上で取引量の拡大を目指すだけでなく、顧客に対し質の高い投資教育を行っていく必要性も、今まで以上に高まってくるだろう。今後、フィンテックやAI技術を活かすことで、投資パターンの分析や顧客の意思決定に役立つソリューションの開発が進むことを期待したい。


Date

作成日

2019.05.03

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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