Select Language

仮想通貨取引所のLiquiが事業の閉鎖を発表

仮想通貨取引所のLiquiが事業の閉鎖を発表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
仮想通貨取引所のLiquiが事業の閉鎖を発表

update 2021.08.31 15:27

仮想通貨市場の環境変化が要因か

ウクライナで小規模な仮想通貨取引所を運営するLiqui Exchange Ltd【以下、Liquiと称す】は、流動性が減少したことを理由に、長年継続してきた取引事業の閉鎖を決定したことを自社ウェブサイトで発表した。同時にLiquiは、口座からの資金引出しを2019年2月28日まで約30日間対応することも伝えている。[1]

発表の中で、Liquiは、事業を継続させることに経済的な意味を見出せなくなったとして、全ての取引口座閉鎖とサービス提供停止の決断に至ったことを説明している。Liquiの事業閉鎖の決定には、仮想通貨市場の不調で取引需要が落ち込んだことにより、収益性向上の見込みが立たず、事業継続を諦めざるを得ない状況に追い込まれたという背景があるようだ。仮想通貨市場の市場環境は大きく変化しており、ピーク時には8,113億8,000万ドルを記録した時価総額も、2018年末までにはそこから80%低下している。

Liquiの事業廃止の発表は、仮想通貨取引業の終わりの始まりをコミュニティに暗示するものだとの見方もあり、ニュース専門放送局のCNBCに所属するRan Neuner氏は、2019年には、更に多くの取引所が事業撤退に追い込まれると見通している。また、Neuner氏は、Twitter上で、昨年から既に取引所の倒産ラッシュが始まっていたことを指摘しており、ほとんどの取引所が運営に必要なインフラさえ維持できなくなるとの予測を示した。

Neuner氏の予測が、デタラメだと言い切れないのは、仮想通貨マイニング業界が既に同じような状況に陥っているからだ。マイニング業界では、収益に直結する仮想通貨価格の低下が原因で、企業がマイニングに必要なコンピュータを運用するための電力や税金などの割高なコストを賄うことが困難になったことで、事業として採算が合わなくなってきており、マイニング活動が減退していることが伝えられている。仮想通貨マイニング大手企業のBitmainでさえもリストラを実施し、人員の80%に相当する社員を解雇したことが伝えられている他、12月には国内大手のインターネット企業であるDMMがマイニング事業から撤退することを明らかにしている。その他、小規模なマイナーや多くの企業も弱気な相場観に飲まれて撤退を余儀なくされているという。

この収益性の低下により淘汰が進む構造は、取引所にも当てはまるもので、小規模な取引所から事業継続がより難しくなることが予測される。また、小規模な取引所の経営を苦しませる要因はそれだけではなく、バイナンスやコインベースといった大手取引所が、売上や日間取引量を伸ばすことで、結果的に顧客を奪っていることも影響しているようだ。加えて、セキュリティ面での規制強化が進んだことで、取引所の重要な収入源となっていた多くのICOプロジェクトが失敗に追い込まれ、ビットコイン(Bitcoin)、イオス(EOS)、イーサリアム(Ethereum)など主要な仮想通貨以外の流動性の低下を招いていることが考えられる。今後、果たしてこの流れを変えることができるのか、小規模企業は事業継続へ向け経営再編が求められている。

release date 2019.01.29

出典元:

ニュースコメント

小規模取引所の閉鎖に出口詐欺の疑い

表向きには、Liquiの取引所事業からの撤退は、経営的な理由だとされているが、一部コミュニティでは、計画的に企てられた出口詐欺の可能性もあると囁かれている。前々から、Liquiは、取り扱いを廃止した仮想通貨の出金トラブルや口座にアクセスできなくなる問題を抱えており、取引所の不正や詐欺行為を警戒するユーザーから不満の声が挙がっていたという。別件では、最近、ニュージーランドを拠点とする仮想通貨取引所のCryptopiaがハッキングにより1,600万ドル相当の仮想通貨を盗難された事件で、出口詐欺の疑いがかけられていることが話題となっている。もちろん、どちらも疑いの域を出ない話だが、奇しくも両者とも小規模な取引所という共通点を持っており、仮想通貨市場の低迷で苦しい内情が伺えるだけに、事業の継続を断念して詐欺に及んだ可能性も完全には否定できない。今の所、まだ正式な調査結果などは出ていないが、今後も両者の続報には注目していきたい。


Date

作成日

2019.01.29

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

XMTradingがおみくじプロモ2025を実施!総額1,000万円越えのキャンペーン

海外FX業者XMTradingは、1月2日~1月31日までの期間限定で「おみくじプロモ2025」を実施すると発表しました。賞金総額は1,000万円以上であり、抽選で100名に最大75万円の現金がキャッシュバックされます。
update2025.01.06 19:00

このローソク足あと何秒!?残り時間を表示するMT4/MT5のインディケータを比較

MT4やMT5でトレードする際、インディケータを使えばローソク足が確定するまでの残り時間を表示できます。アラート機能付きや残り時間以外の情報も表示するインディケータもあります。本記事では、MT4・MT5にローソク足の残り時間を表示するインディケータを紹介します。
update2024.12.12 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル