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仮想通貨業界大手のBitmainとHuobiがリストラを実施

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update 2021.08.31 15:27
仮想通貨業界大手のBitmainとHuobiがリストラを実施

update 2021.08.31 15:27

リストラの規模等の詳細は不明

仮想通貨市場低迷の煽りを受けて、中国大手のマイニング企業であるBitmain Technologies Ltd(本社:Building 25, North Olympic Science & Technology Park, Baosheng South Road, Haidian District, Beijing, China 100029[1])【以下、Bitmainと称す】と世界最大の仮想通貨取引所のひとつであるHuobiが、人員整理のリストラを実施していることが明らかとなった。両社は、その事実を認めているものの、人数などの詳細についてはコメントを控えている。

Bitmainのリストラのニュースは、SNS上などで噂や憶測を呼んでおり、一部では、年末までにおよそ半分の社員を解雇するとの情報もささやかれている。これに対して、Bitmainの広報担当者は、同社のリストラは大規模なものとなる見込みはないと否定した上で、年明けから引き続き優秀な人材の確保に努めることを伝えた。Bitmainが香港証券取引所への新規株式公開(IPO)を申請した際に提出された目論見書によると、同社の従業員は、2,600人ほど在籍しており、その内1,500人がリサーチやプロダクト管理、535人がマイニングビジネス関連、550人がフロント営業オペレーションなどの職務を担っているという。

また、その目論見書によると、仮想通貨市場がピークを迎えていた2017年後半、Bitmainは、自社製品のマイニングマシンであるAntminerの大量予約注文を受けていたことがわかっている。しかし、その後は、仮想通貨価格の低下や他マイニング企業との激しい競争などが原因で、状況が一変しており、2018年のBitmainの受注は軟調な結果に終わったようだ。

同様にHuobiも仮想通貨市場の変化に苦しんでおり、より多くの従業員のリストラを実施せざるを得ない状況に追い込まれている。Huobiの広報担当者によると、同社は、業績の悪い人員を削減することで体制の最適化を図っているという。もともと中国に設立されたHuobiは、シンガポールに本社を移し、今では6億5,000万ドルもの日間取引量を誇る世界第3位の規模にまで成長した。Huobiは、グローバル市場でのシェア拡大を狙い、世界中に事業所を展開しており、今年初めにロンドンに新オフィスとサポートセンターを開設することを発表している。

他の仮想通貨関連企業もここ数ヶ月で大規模なリストラを実施しているが、今回のリストラ報道は、関係者やコミュニティにとっても大きな衝撃となっただろう。BitmainやHuobiは、今後、業界をリードする立場にあるだけに、一刻も早い業績の回復が望まれる。

release date 2018.12.27

出典元:

ニュースコメント

対照的なアプローチで生き残りをかける両社

今年12月にBitmainはイスラエルの研究開発センターの閉鎖とそこに従事する従業員を解雇することを発表しており、組織再編に乗り出している。この研究開発センターは、マイニングプール、Connect BTCの開発や人工知能を搭載したアプリケーションの開発を行うなど、Bitmainが要する先進テクノロジーの中核として機能してきた。しかしながら、市場の流れには勝てず、Bitmainは、縮小の道を選ばざるを得ない結果となっており、今後は本業であるマイニングマシンの開発やマイニングプールの運営に注力することが予測される。対照的にHuobiは、グローバル市場への拡大路線を突き進み、Huobi Globalの名称でカナダ、ブラジル、英国、オーストラリア、韓国、日本などに進出している。Huobiの仮想通貨取引ビジネスは、取引量の高さが収益に直結するため、そういった意味では事業の拡大を今止めるわけにもいかないのかもしれない。Bitmainも、Huobiも、苦しい内情を抱えながら経営努力が求められているが、苦難を乗り越え、イノベーションの火を絶やさず邁進されることに期待したい。


Date

作成日

2018.12.27

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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