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ビットコイン価格の暴落でマイニング活動が減退

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update 2021.08.31 15:27
ビットコイン価格の暴落でマイニング活動が減退

update 2021.08.31 15:27

60万から80万人規模のマイナーが活動停止か

2017年以降、初めて4,000ドルを割り込んで、最悪の状況となっているビットコイン(BTC/USD)だが、ここ数週間の価格暴落がマイニングの収益性に作用しており、60万人から80万人規模のマイナーの活動停止を招いた可能性があると示唆されている。

この見解を示したのは、世界第3位の規模を誇るマイニングプール、F2poolの共同創設者であるMao Shixing氏で、正確な数を把握することは難しいとしているものの、大手マイニングファームに聞くところ、ここ数日間だけでも数万単位でマイナーが離脱していることが確認されているという。今回、ビットコイン価格が急落したことによって、獲得できるマイニング報酬額と電力コストやマシンコスト、設備費用のバランスが崩れ、マイナーが以前のような収益性を維持することが厳しくなったことが主な原因だと考えられる。 Shixing氏によると、今回の価格変動で最も割りを食ったのは、Bitmain Technologies Ltdが開発したT9+やCanaan Creative Co., LtdのAvalinMiner 741のような、電力効率の悪い古いタイプのASICを搭載したマイニングマシンを利用していたマイナーだという。

11月中旬ごろからのビットコイン価格の下落に伴い、ハッシュパワーの低下も観測されており、ビットコインネットワーク全体では、11月10日の4,700万TH/s(テラ毎秒)から11月24日の4,100万Th/sまで偏移している。これに準じて、F2poolのハッシュパワー占有率も11.4%から10%へと低下しており[1]、同社の収益性にも影響を及ぼしていることがわかった。

Shixing氏は、このハッシュパワーの低下は、いくつもの要因が重なり合って発生したとしているが、第一にマイニングハブとなっている中国市場での電力コスト増加の影響を挙げている。中国では、冬季に水力発電による発電量が落ちることから、割高な石油燃料に頼ることになり、まさに今、電力料金のピークを迎えているという。これにより、多くのマイナーがマイニング活動を停止したことが考えられる。また、軒並み競争力を失った古いマイニングマシンが、ネットワーク上から撤退していることもこの流れに拍車をかけたようだ。

しかしながら、一方で、Shixing氏は、このような状況でも希望はあるとの意見も示している。ビットコインには、14日スパンで難易度を調整するアルゴリズムが搭載されており、ハッシュパワーが不足する状況下では、マイニングの難易度は低下する傾向にあるという。 つまり、今を凌げば、マイニング環境が好転する可能性も見えて来るということだ。

release date 2018.11.27

出典元:

ニュースコメント

サバイバルが激化するマイニング業界

現在、ビットコインやビットコインキャッシュなどで主流となっている、ある特定のアルゴリズムを持つ仮想通貨専用に設計されるASICを利用したマイニングは、2017年頃までは効率的な手法として確立されていた。しかし、アルゴリズムの変更や難易度の向上などで、消費電力やマシンコストが増加し、採算を取ること自体が難しくなってきており、マイニング企業のサバイバルは激化している。先日、破産申請を行なったギガワットに象徴されるように、マイニング業界は不況に突入したとも言われており、中国でも、中小規模のマイニング企業やマイニングマシンを製造する企業の倒産が相次いで報告されているという。その影響で、中国では大量のマイニングマシンが通常の20分の1の価格で投げ売りされるケースも発生しており、特に旧型のマシンが多く市場にあふれている状態だ。ビットコイン価格の急落が全ての元凶とも言えるが、どちらにせよ、マイニング業界は持続可能なモデルへと再編が必要な時期に迫っていたのかもしれない。


Date

作成日

2018.11.27

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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