Select Language

大手仮想通貨マイニング企業が破産申請

大手仮想通貨マイニング企業が破産申請

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
大手仮想通貨マイニング企業が破産申請

update 2021.08.31 15:27

仮想通貨の暴落で事業拡大に失敗

ワシントンに本社を置くマイニング大手のGiga Watt Inc.(本社:1 Campbell Pkwy, East Wenatchee, WA 98802[1]) 【以下、ギガワットと称す】が、今月19日に破産保護を申請したことが明らかになった。

ギガワットの管理職を務めたGeorge Turner氏によると、同社のオーナーが破産保護を申請したことは、何の前触れもなく伝えられており、20日には彼を含む同社の19名全ての従業員が解雇されたという。ギガワットは、連邦倒産法第11章の適応をスポケーン地方裁判所に申請しており、今回の件は同社の主要な株主3名によって企てられたことが推測されている。申請書によると、ギガワットの資産は5万ドル以下なのに対して、債務額は700万ドル近くあるようだ。主な債権者とその額は、Douglas County Public Utility Districtが31万ドル、シンガポールのCryptonomos PTE. LTD.とGigaWatt PTE. LTD.が合計367万ドルとなっている。

共同創立者のDavid Carlson氏は、2013年に当初では世界最大となるビットコインマイニング施設をワシントン州ワナッチー市の旧市街地に建設しており、他マイニング企業へホスティングサービスを提供するような大規模な事業へと成長させている。また、2018年8月には、ワシントンで初となる水力発電を利用した安価なマイニング手法の確立を試みていた。 ギガワットの発展に貢献してきたCarlson氏だが、最終的に同社の運営から身を引いている。ギガワットの没落は、2017年頃から見られた野心的な事業拡大の動きに起因している可能性があるという。通称「ポッド」と呼ばれる、24戸の組み立て式のマイニング施設を建築するプロジェクトもそのひとつだと言える。このプロジェクトは数百万ドルを要すもので、複数の投資家と地方政府官僚の支援を受けており、農業に偏った地域経済の変革となることが期待されていた。

2017年12月以降の仮想通貨の暴落は、ギガワットにとって大きなトラブルとなっており、何千万ドルもの資金を提供した投資家は見返りを求めている。工事の遅延と費用超過のため、ギガワットが計画していたホスティング施設はどれも完成しておらず、複数の投資家がすくなくとも4つの訴訟を起こしているようだ。複数の建設企業はギガワットがダグラス郡の地域開発事業を担うPort of Douglas Countyとのリース契約に違反したとして、他社よりも先に弁済を受けるための先取特権を申し立てている。Port of Douglas Countyは、ギガワットの立ち退き手続きを開始しているというが、同社が破産保護の申請を行ったことで、立ち退きは一旦保留となっているという。

Port of Douglas Countyの執行役員であるLisa Parks氏は、ギガワットや他の組織が代わりにプロジェックトを完遂し、どのような形であれ、ダグラス郡のポートエリアの発展とリース契約の獲得、事業の創出や経済成長に貢献できる生産的なものとなることを期待している。

release date 2018.11.23

出典元:

ニュースコメント

再生可能エネルギーで持続可能な業界へ

ギガワットの共同創立者のひとりであるCarlson氏は、もともとマイクロソフトのソフトウェアエンジニアで、その発想の柔軟さと高い実行力でマイニング業界を切り開いた人物だと言える。特に水力発電を利用したマイニングのための電力確保は、一般的に電力コストが高いとされている先進国でも持続可能な事業モデルを確立する可能性があった。米国では、Googleなどの巨大企業も水力発電所の近くにデータセンターを構えるなど、そのコスト効率の高さは認められている。他国では、エストニアが仮想通貨のマイニングに風力発電を利用するなど、再生可能エネルギーを活用したユニークな取り組みを行っているようだ。昨年8月、エストニアは政府によるICO計画を発表しており、東欧の仮想通貨先進国として知られているが、これとは別に再生可能エネルギーをトークン化して取引するためのプラットフォーム立ち上げなども発表された。まだまだ未知数な取り組みと言えるが、仮想通貨業界のエネルギー問題へのソリューションとなることが期待される。


Date

作成日

2018.11.23

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

またコピトレ詐欺か?WeekendFXにAmazingTick型の詐欺疑惑

WeekendFXのコピートレードに参加したユーザーが、「出金できなくなった」と次々に声を上げ始めています。AmazingTickの詐欺事例との類似点も多く、同じ手口のコピトレ詐欺なのではないかという疑惑が持ち上がっています。
update2025.06.23 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

Exnessの出金遅延はなぜ起きた?オンラインカジノ規制の影響とは

海外FX業者のExnessでは、国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

【速報】イラン・イスラエル停戦報道でビットコイン反発、一時10万6,000ドル突破

2025年6月23日、トランプ大統領がイラン・イスラエル間の停戦を自身のSNSで発表しました。これにより中東での地政学リスクが後退し、ビットコイン(BTC)の価格は一時10万6,000ドルまで急反発しました。
update2025.06.24 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

【スリトレ堂安氏の約3倍】本田圭佑×Titan FX、SNSフォロワー数379万の影響力は?

海外FX業者のTitan FXがサッカー選手の本田圭佑氏をグローバルアンバサダーに起用したことを発表しました。なぜTitan FXは「本田圭佑」を選んだのか、SNSの反応や業界の過去事例からその影響力を読み解きます。
update2025.06.09 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル