作成日
:2018.01.16
2021.08.31 15:23
今週16日火曜日の朝、ビットコイン(BTC/USD)が15%急落し、12月初旬以来、初めて12,000ドルを下回った。また、その他のほとんどの主要仮想通貨も軒並み大暴落となった。ビットコインは、先週17%急落を記録しているが、この時から暴落が始まったとみられる。
ここで、時価総額上位トップ5の仮想通貨における16日の値動きと、暴落の原因を考察してみる。下記は、16日の時点での時価総額上位トップ5の仮想通貨価格と24時間の価格変化率である。
仮想通貨 | 価格 | 価格変化率 |
---|---|---|
Bitcoin (BTC) | $11,946 | 14.9% |
Ethereum (ETH) | $1,115 | 15.6% |
Ripple (XRP) | $1.36 | 24.3% |
Bitcoin Cash (BCH) | $2,005 | 18% |
Cardano (ADA) | $0.65 | 22.1% |
上記数値より、ビットコインだけではなく、上位5つの仮想通貨全てにおいて大幅な下落傾向が見られ、仮想通貨市場全体でも、先週から1,000億ドル以上も下落している。
暴落の主な要因としては、主要国際市場における規制当局の取り締まり強化への懸念や主要仮想通貨市場における取引量の減少が考えられる。
仮想通貨市場が急速に加熱している国の一つである韓国では、先週仮想通貨取引を禁止する法案を検討していることが報道されたことにより、資産クラス(投資対象となる資産の種類)への大きな打撃となることが懸念された。しかし、同報道の翌日には、韓国政府より仮想通貨取引の禁止は選択肢の一つに過ぎず、決定事項ではない、という公式声明が発表されたことにより、万が一仮想通貨取引の禁止が決定されたとしても、禁止法案の設立から実施までには数ヶ月もしくは数年かかるとの見解の元、韓国市場の混乱は一時沈静化したように見えた。
ところが、金東泳(キム・ドンヨン)財務相は、16日ラジオ番組に出演し、「仮想通貨取引所の廃止は、現実的な法案として検討中である」との意見を述べたことで、韓国市場の混乱は再熱した。
さらに、中国では仮想通貨に対する取り締まりがますます厳しくなる中、中国当局は集中型の取引を可能にする国内外のプラットフォームへのアクセスを遮断する方針である他、仮想通貨取引に関連するサービスを提供する個人や企業も規制の対象とすることを明らかにしている。
デジタル通貨情報サイトCryptoCompare.comによると、主要国際市場における仮想通貨の取引量が急減したことにより、米国のビットコイン取引が世界全体の40%を占めているという。現在、日本が最も活発な仮想通貨市場であるとされているが、16日の時点で、第3位の韓国とともに、取引量が全体の30%にも満たない結果となった。
仮想通貨は、投機的な資産クラスであり、高値を維持するためには多くの投資家の関心をひきつける必要がある。そのため、主要市場において投資家の関心が衰えた場合、確実に仮想通貨の価値を押し下げる要因となる。投資家が継続的な投資を続けない限り、仮想通貨の相場が回復するのは難しいであろう。
release date 2018.1.16
作成日
:2018.01.16
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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