Select Language

ハッカーが盗難した10万ドル相当の仮想通貨をGate.ioに返還

ハッカーが盗難した10万ドル相当の仮想通貨をGate.ioに返還

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
ハッカーが盗難した10万ドル相当の仮想通貨をGate.ioに返還

update 2021.08.31 15:27

ホワイトハットハッカーの可能性も資金の返還は無し

先週51%攻撃と呼ばれるハッキング被害を受けた仮想通貨取引所のGate.ioは、不正に流出した10万ドル相当の仮想通貨がハッカーによって返還されたことを今月12日に公式ブログ上で明らかにした。[1]

これまでGate.ioは、ハッカーに連絡を取ろうと試みていたところ、しばらく返答はなかったが、なぜか最近になって仮想通貨の返還があったという。理由は定かではないが、今回、ハッキングを主導したハッカーが、私益のために行為に及んだのではないのであれば、ホワイトハット(ホワイトハッカーのようにハッキング技術を善良な目的に駆使すること)ハッカーとして、仮想通貨で利用されるアルゴリズムの脆弱性を警告する目的があった可能性も考えられる。

今月9日にGate.ioが出した発表によると、ハッカーは、総額で27万1,500ドル相当のイーサリアムクラシック(Ethereum Classic)【以下、ETCと称す】を自身のウォレットに送金していることが確認されているという。つまり、返還された10万ドルを差し引いても、約17万ドル相当の仮想通貨資産がまだハッカーの手元にある計算になる。Gate.ioに攻撃を仕掛けたハッカーが、残りの仮想通貨を直ちに返還しない点を考慮すると、善意での行為だったとは言い難いだろう。結果的に、ETCのネットワーク上の弱点は指摘する形にはなったが、少なくとも一般的に認知されるようなホワイトハットハッカーの類ではない。

ETCへの51%攻撃の影響は、Gate.ioだけに留まらず、今月5日に米国の大手取引所であるコインベースがハッキングでETCへの51%攻撃を受け、同仮想通貨の取引および入出金を停止することを発表している。コインベースは、ETCブロックチェーン上での再編成を確認しており、不正な二重送金が発生したことで、ユーザーへ51%攻撃を受けたことを伝えた。当初、コインベースは被害額を46万ドルと報告していたが、実際には110万ドル相当ものETCが盗まれていることが後に発覚している。

Gate.ioによると、ETCのネットワークは、十分なハッシュパワーを得られていないため、セキュリティメカニズムが正常に機能しておらず、再び51%攻撃を受ける可能性があるとして注意を促している。Gate.ioは、ETCのトランザクションに関して、承認するブロック数を上げる(取引の承認を急がない)ことで対策を打っているが、肝心なETCのネットワークは不安定な状態が続いているようだ。

release date 2019.01.15

出典元:

ニュースコメント

マイニング収益の減退でマイナー不足が懸念

これまで、仮想通貨に絡んだ大規模なハッキング事件は、中央集権型の取引所が管理するサーバーを攻撃することで、企業が保有する顧客資産の盗難を狙ったものが主流だった。事実、日本では、昨年1月にコインチェックのハッキング事件、また9月には、Zaifがハッキング被害を受けており、日本の2大仮想通貨取引所をターゲットとしたハッキング事件の発生により、数百億円規模での損失を出している。対策として、金融庁が企業の運営に指導を行うなど、基準を強化することで再発防止に努めており、法規制の整備などと併せて改善が進んでいるようだ。しかし、今回、コインベースやGate.ioが被害を受けた51%攻撃など、ブロックチェーンのアルゴリズムの脆弱性を突くようなハッキングは、仮想通貨の構造的な問題で簡単に回避できる問題ではない。ETCは、比較的メジャーな仮想通貨ではあるが、調べによると、ネットワーク上のハッシュパワーが低下しており、簡単にマイニングリソースの寡占化が起こり得る状態にあったという。大勢のマイナーがネットワークに参加して、うまくマイニングリソースが分散している通常の場合であれば、問題なかったかもしれないが、マイニング収益が低下している現在、このような事件が起きるのは、必然的だったのかもしれない。


Date

作成日

2019.01.15

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

MT4のバックテストに正確なヒストリカルデータが必須!無料・有料データを比較

MT4でバックテストをする際にはヒストリカルデータの取得が必要です。ヒストリカルデータは無料と有料のものがありますが、どっちがいいのか、気になる人もいるでしょう。本記事では、ヒストリカルデータのダウンロード方法を詳しく解説します。
update2025.03.26 19:30

仮想通貨INITの将来性は?アプリチェーン統合レイヤー1「Initia」の特徴や評判

仮想通貨INITは、複数のアプリチェーンを統合するレイヤー1ブロックチェーン「Initia」のネイティブトークンです。当記事では、INITの将来性やSNSでの評判、Initiaの特徴などを解説します。
update2025.04.24 19:00

MT4初心者必見!FX自動売買EAバックテストのよくあるトラブルと対策集

バックテストをした際にEAを選択できない、途中でテストが止まる、結果が安定しないなどの症状が発生することがあります。本記事では、バックテストをした際に発生する症状別に対処方法を解説します。
update2025.05.13 19:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル