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Bakkt、事業展開を見据えて初の企業買収に動く

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update 2021.08.31 15:27
Bakkt、事業展開を見据えて初の企業買収に動く

update 2021.08.31 15:27

100年近い歴史がある大手先物ブローカーと買収合意

ニューヨーク証券取引所を運営するインターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange)【以下、ICEと称す】の子会社で仮想通貨取引プラットフォームを提供するBakktは、同社で初となる企業買収に動いていることがCEOを務めるKelly Loeffler氏の発表で明らかとなった。

今回、Bakktが買収する企業は、シカゴを本拠に置く先物取引の仲介企業であるRosenthal Collins Group, L.L.C.(本社:216 W Jackson Blvd Suite 400 Chicago, IL 60606-6918[1])【以下、RCGと称す】である。100年近くの歴史を持つ老舗であるRCGは、1万4,000人の顧客ベースにブローケージサービスを提供しており、先物取引ブローカーとして最大の規模を誇ったMFグローバルの崩壊後は、同分野で最も成功した企業として認知されている。

Bakktは2019年2月中での買収契約の完全締結を目指しているが、より規制が厳しい市場へのアクセスを得るとともに、仮想通貨先物の取引プラットフォームとしての地位を確立することを狙っているという。前述のLoeffler氏は、FCM(Futures Commission Merchant)として登録のあるRCGのシステムや専門的な知識を取り込むことで、Bakktのマネジメントや財務業務などの向上に繋がると確信しており、RCGの買収は、マネーロンダリング対策(AML)やKYC(顧客確認)などのオペレーション規定の側面でもBakktの助けとなることが予測されている。

またBakktは、昨年後半からブロックチェーンを基礎としたセキュリティの統合を目的として、金融ブローカー企業を買収したコインベースなどを含む米国の仮想通貨取引所の流れを追従しており、今回の買収はその結果であるとしている。仮想通貨関連企業が既存の金融企業を買収することで、米国の規制当局が定める規制を遵守すると同時に、より幅広い仮想通貨ベースの金融商品を市場に提供することが可能となると踏んでいるようだ。

一方のICEは、当初昨年11月にビットコイン(Bitcoin)先物の提供開始を計画していたものの、度重なる延期で大幅な遅れを見せている。当局の認可を受けた後にサービス提供開始となるのだが、既に3回延期されており、今月24日が新たな開始予定日と設定されている。CboeやCMEなどのライバル企業は、既に仮想通貨先物市場に進出しているだけに、ICEもBakktによる早期の市場参入を果たしたいところだろう。

release date 2019.01.15

出典元:

ニュースコメント

Bakktの報道に好反応を示す仮想通貨市場

Bakktの仮想通貨を対象とした先物契約は、CMEやCboeが提供する法定通貨を基準としたものとは異なり、法定通貨を通さず仮想通貨で直接清算するため、新しいタイプのデリバティブへの分類が考えられれている。当局の判断が遅れているのも、そこに一因があるとも考えられるが、Bakktの市場参入の期待は高まるばかりだ。今月15日のビットコイン価格は、このBakktによる企業買収のニュースを主な材料として4%以上の高騰を見せている。その他、主要な通貨も、イーサリアム(Ethereum)が10%、リップル(Ripple)が5%、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)が7%と、軒並み大幅な価格上昇となった。また、先日報道された通り、最初の投資ラウンドでBakktは1億8,000万ドルの資金調達に成功しており、業界からの評価の高さも伺える。最近では、仮想通貨市場の再浮上に向けた好材料が乏しかっただけに、Bakktの市場参入までの動きとその後の展開は、投資家にとって注目すべきトピックとなるだろう。


Date

作成日

2019.01.15

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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