Select Language

OctaFX、英国子会社を閉鎖

OctaFX、英国子会社を閉鎖

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
OctaFX、英国子会社を閉鎖

update 2021.08.31 15:27

事業基盤をオフショア市場へ移行

海外FX・CFDブローカーのOctaFX(本社:Suite 305, Griffith Corporate Centre, Beachmont, Kingstown, St. Vincent and the Grenadines[1])が、欧州当局によって打ち出される規制の影響を考慮した結果、英国子会社を閉鎖すべく強制的な登記抹消(strike-off、通常の清算手続きを経ることなく会社を抹消)手続きを行ったことが明らかとなった。

OctaFXが英国子会社の閉鎖を決断するに至った背景には、欧州証券市場監督局ESMAがバイナリーオプション取引禁止の再延長措置を、英国金融行動監視機構FCAが永続的なCFDレバレッジ取引規制を導入する意向を示していたことが大きく影響している模様だ。なお、OctaFXでは、2017年4月にFCAライセンスの活用を自主的に見合わせていたことから、長い期間に亘り規制策への対応策を協議していたものと伺える。

一方でOctaFXは、オフショア市場であるセントビンセント・グレナディーン諸島に子会社を設立しており、欧州の規制枠組みから外れるオフショア市場にて、これまで数年に亘り行ってきた入金ボーナスやハイレバレッジサービスを提供していく意向だ。ハイレバレッジを求めオフショア市場へとシフトするトレーダーが増えているのも事実であり、OctaFXがオフショア市場に構える子会社にて口座開設をすること自体は容易ではあろう。ただし、現在までのところ、EU域内の顧客に関しては、デジタルウォレットサービスを提供するNETELLERと仮想通貨のビットコイン(Bitcoin)しか利用できず、入出金が制限されていることには注意が必要である。これは、マスターカードがFXやCFD業者をハイリスクマーチャントとして位置づけ、VISAが無認可ブローカーの取締りを強化していることが大きく影響していると考えられる。なお、OctaFXに限らず、多くのブローカーが充実した決済サービスを提供すべく、新たなソリューションの開発を急いでいる状況だ。

足元の数四半期に亘り、欧州当局が繰り出す規制策に対応すべく、ブローカー各社はそれぞれ異なる戦略を打ち出している。完全にオフショア市場へシフトするブローカーがいる一方、引き続き欧州当局の規制下で子会社を維持するブローカーや、新たな市場開拓を図るところも出てきている。EUの金融市場環境が変化を見せる中、ブローカーによる顧客争奪も激しさを増している状況だ。他方で、欧州とは異なる市場環境を形成するアジア市場においては、ブローカー各社は苦戦を強いられている模様で、特に中国においては、政府が国外へ資金を移すことを厳しく規制していることもあり、神経質な対応が求められている情勢である。

OctaFXでは、オフショア市場へ事業基盤をシフトさせると共に、東南アジア市場の開拓を図るべく、ベトナムやタイ、マレーシアなどの地元銀行と協働し、入出金サービスの提供を行っている。この度英国子会社は閉ざされたものの、グローバルベースで事業の再構築を図るOctaFXの次なる一手に注目したい。

release date 2019.01.10

出典元:

ニュースコメント

ESMA、仮想通貨の規制への取り組み

昨年より規制の強化を進めているESMAだが、今月7日、欧州連合(EU)機関、委員会、理事会および議会に対し、イニシャル・コイン・オファリング(デジタル通貨やトークン発行による資金調達、ICO)の提供および仮想通貨について、これらの金融商品に適用される既存のEU規制の内容を明確にし、規制適用に際し何か問題がある場合は、ESMAに報告するよう促している。ESMAは、仮想通貨を利用したビジネスモデルや、それがもたらすリスクやメリット、また既存の規制の枠組みにどのように適合するかを分析した結果、仮想通貨に関連したビジネスを規制するにあたり、多くの懸念材料を特定しているという。大きな論点となっているのが、既存の規制の効果的な適用を可能にするために、仮想通貨の特定の要件や解釈を再検討する必要があるということだ。つまり、仮想通貨が既存のEU会計基準に適合されない側面をもっており、現状の法規制では完全に規制することができないということだ。ESMAは、アンチマネーロンダリング(AML)の要件がすべての仮想通貨および仮想通貨を含む活動に適用されるべきであると考えている他、仮想通貨の取引にあたり、潜在的なリスクを事前に投資家に知らせることができるよう、適切なリスク開示も行われるべきであると考えているようだ。仮想通貨に対する規制の取り組みは、ESMAの権限を超えた多くの問題を浮き彫りにしており、EUの規制当局並びに該当機関全体が一丸となって取り組む必要性が明らかになった。今後の進捗にも注目していきたい。


Date

作成日

2019.01.10

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル