Select Language

ESMA、正式にバイナリーオプション取引禁止措置を再延長

ESMA、正式にバイナリーオプション取引禁止措置を再延長

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.27 17:06
ESMA、正式にバイナリーオプション取引禁止措置を再延長

update 2022.01.27 17:06

CFD同様、個人投資家保護を徹底する動き

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は12月21日、正式に個人投資家向けバイナリーオプションの販売やマーケティング及び流通を禁止する規制策の適用を延長する旨の通知を、ESMAのサイト上に公表した。[1]

11月下旬にESMAはバイナリーオプション取引禁止措置の再延長を行っていることから、今回のニュースは多くの業界関係者にとってサプライズとなるものではなかろう。2度目の延長措置では、2019年1月2日から2019年4月1日までの3カ月間の延長となっており、ESMAでは、個人投資家へのバイナリーオプション取引の提供は、依然として投資家保護の観点から見て重大な懸念が生じるとして、規制措置延長の必要性を慎重に検討したうえでの決断となったようだ。

この度のバイナリーオプション取引禁止措置の正式延長に際しては、取引禁止条件も改めて再確認されている。リスクの高いデリバティブ商品の1つであるバイナリーオプションと見なされるには、債務不履行や解約事由以外、オプションの買い手が権利行使した場合には、権利行使日に売り手が予め定められた金額の差金決済(ペイアウト)を行わなければならないことや、オプションの買い手による権利放棄時にはプレミアム(オプションの買い手が支払うオプション料)の支払いがなされなければならないという取引条件が付されている。加えて金銭の支払いに関しては、一定期間内に予め設定した条件を満たすもしくはその逆で設定した条件に達しない際に、事前に決められた金額を支払うか、もしくはオプションの買い手による権利放棄の場合にはオプションの価値がゼロとなる(買い手はプレミアムを支払う)。これらの条件に合致した際にはバイナリーオプションとして、取引禁止措置が講じられることになるという。

ESMAでは、今回のバイナリーオプション取引禁止措置の正式延長を決めた僅か数日前に、個人投資家向けCFD取引に関する規制に関しても適用期間の延長を行うことを発表している。その際にも、ESMAは、従来の規制下でCFD商品を個人投資家に提供することは、投資家保護の観点から懸念が大きいという認識を変わらず抱いているとコメントしており、ESMAが今後も規制強化の手を緩める意向はないことが伺い知れよう。

ESMAは市場介入を行う権限を有していることから、バイナリーオプションとCFD取引規制措置を引き続き期間延長させることが可能だ。向こう数年後には、ESMAがこれらの金融商品の取引を永久に禁止することも考えられるが、それまでの間は、永遠に亘って取引禁止措置の期間延長を続ける可能性が高そうである。

release date 2018.12.21

出典元:

ニュースコメント

2018年のFX業界に大きな影響を与えたESMAによる新規制

ESMAによるバイナリーオプション全面禁止の措置やレバレッジ規制は、該当業者を廃業に追い込むほどの厳しい対応であったが、それにより個人投資家の保護が重要視され、業界自体も良い環境が整い、安定した取引ができる時代になっていくことが期待される。ただ、バイナリーオプションはギャンブル性が高く、賭けを好むEU内の投資家は、EU圏外の業者を利用し、引き続きバイナリーオプション取引を行っているともいう。こういった欧州の厳しい対応は、他の国にも大きな影響を与えていることは間違いなく、世界規模で取り締まりの動きが強まっている。ESMAの規制が日本に直接影響することはないものの、日本においても有識者検討会などでレバレッジ規制強化の是非について議論されているようだ。また、日本人顧客を多く抱える海外FXブローカーのXM社のように、日本人顧客をキプロスから別の管轄区域の口座に移行させることで日本人トレーダーに対しこれまでと同様にハイレバレッジ及び豊富なボーナスの提供を行っているブローカーもいる。バイナリーオプションの取引自体が悪いわけではないが、悪用されやすい要素を持つため、その部分がクリアされるまでは当面は禁止の措置が続行されることが予想される。今後もESMAによる監視の目が強化されていくことは違いない。


Date

作成日

2018.12.21

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

【要注意】Axi口座から不正出金被害、セキュリティ対策に不安の声

海外FX業者のAxiで、不正出金の被害が海外フォーラムなどで報告されています。国内で同様の被害は確認されていませんが、日本人ユーザーも無関係ではありません。この記事では、報告されている不正出金の事例やセキュリティの問題点のほか、現状でユーザーがとれる対策を説明します。
update2025.09.29 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Exnessがスプレッドを最大30%OFF!仮想通貨・株価指数で大幅縮小

海外FX業者のExnessが主要銘柄のスプレッドを縮小しています。BTCUSDは16%、ETHUSDでは23%の縮小が確認されています。本記事では縮小後のExnessスプレッドを主要なブローカーと比較しました。
update2025.10.02 19:00

話題のDCJPYとJPYCの違い|海外FXの入出金に使えるのは?

DCJPYというデジタル通貨が話題となっています。一方で、海外FXユーザーの間ではJPYCへの期待も高まっています。本記事では、DCJPYとJPYCの特徴や違いを比較し、海外FXトレーダーにとってどちらが送金手段の選択肢となるのかを解説します。
update2025.09.26 19:30

SNSでステーブルコイン利息の議論が勃発!Bybitで手軽にUSDT等を高利回り運用

ここ最近、SNS上ではステーブルコインの利回りに関する活発な議論なども見られます。本記事では、SNSで話題となった議論を整理しつつ、Bybitでのステーブルコインの運用方法や、海外FXとの仮想通貨入出金ルートの全体像などをまとめます。
update2025.10.01 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

【独自】海外FX利用で銀行口座が凍結・解約された一部始終!「自分には関係ない」は危険かも

みんなの銀行の口座を実際に凍結・解約されたトレーダーから当サイトに寄せられた情報をもとに、解約までの流れを一部始終紹介します。海外FXユーザーにとって、銀行口座凍結は決して他人事ではありません。海外FX利用時に注意すべき送金パターンも説明します。
update2025.08.12 19:00

Exnessのスワップフリーが突然解除?!条件をサポートに直接聞いてみた

「Exnessのスワップフリーが解除された」という投稿がSNSの一部で話題になっていますが、解除の具体的な条件は公式サイトにも掲載されていません。そこで当サイトではサポートに直接条件を質問してみました。
update2025.08.25 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル