Select Language

ユーロネクスト、Commcise社株78%を取得

ユーロネクスト、Commcise社株78%を取得

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
ユーロネクスト、Commcise社株78%を取得

update 2021.08.31 15:27

M&A戦略を着実に実践し、高付加価値サービス提供を実現

欧州最大の取引所の一つである、Euronext【以下、ユーロネクストと称す】は、英国・ロンドンを拠点とするソフトウェアプロバイダーであるCommcise(本社:4th Floor, Francis House, 11 Francis Street, London, SW1P 1DE[1])の株式78%を2,700万ポンドで取得することを発表した。

この度のユーロネクストによるCommcise株取得に際し、ユーロネクストのCEO兼取締役会長を務めるStéphane Boujnah氏と、CommciseのCEOであるAmrish Ganatra氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

Commciseの買収は、全てのお客様に対し、付加価値の高い商品・サービスを提供するという我々のコミットメントを示しております。Commciseの実績ある高付加価値サービスを活用することで、バイサイド(資産運用者)・セルサイド(証券会社など)双方のニーズを満たし、業務の簡略化と効率的なリサーチ情報の購入(利用)・手数料管理などを実現できるようになるでしょう。そして、Commciseの買収は、我が社が掲げるM&A(買収・合併)戦略を着実に実践させると共に、達成に向け積極的に取り組んでいる成長戦略プランとも一貫性を確保させております。更には、我が社のお客様に広範なサービスを提供する意向に沿うものでもあります。

Stéphane Boujnah, CEO and Chairman of the Managing Board of Euronext Mondo Visioneより引用

ユーロネクストによる我が社の大量株式取得は、我々のこれまで成し遂げてきた実績が評価されたものと認識します。我が経営陣は、ユーロネクストの一員として、更なる成長の実現に向けて挑戦するビジネス機会を手に入れられたことを大変喜ばしく思っております。我々はユーロネクストが掲げる経営戦略に完全に沿う形で、バイサイドやセルサイド、そして企業といったお客様に対し付加価値の高いサービスを提供していく意向であります。ユーロネクストは既に強固で巨大な収益構造を構築しておりますが、そこに我が社が加わることで、ユーロネクストと我が社が誇る顧客基盤に加え、新規のお客様に対しても高付加価値サービスを提供していけると考えております。

Amrish Ganatra, CEO of Commcise Mondo Visioneより引用

今回ユーロネクストが大量株式取得したCommciseは、金融機関向けに3つの主力商品を提供している。まず1つ目のCommciseBUYは、資産運用者向けのSaaS(Software as a Service、ソフトウェアをクライアント側に導入せず、提供者側で稼働させるソフトウェアを、ネットワーク経由でクライアントが利用するサービス)形式のクラウド型プラットフォームである。証券会社などのリサーチファームのリサーチ情報の購入(利用)及び適正評価を行うと共に、CSA(コミッション・シェアリング・アレンジメント、売買執行とリサーチの対価を分離)などの取引慣行に基づく、運用会社が証券会社などに支払う手数料調整・計算を自動で行う機能が付されている。資産運用者にとっては、CommciseBUYを活用することで、特にリサーチ分野において幅広い業者から選定及び適正な評価を下せるようになることが期待されよう。

2つ目のCommciseSELLは、ブローカーディーラーやリサーチファーム向けに、手数料管理やリサーチ情報サービスの適正価格の設定などに役立つ機能が付されたクラウド型プラットフォームである。そして3つ目のCommciseRPは、リサーチ提供に特化するなど独自サービスを手掛ける独立系リサーチ会社向けに、適正なサービス価格の設定や収益性向上につながるツールとして設計がなされている。

2017年5月、FXマッチングシステムを提供するファストマッチ社株をユーロネクストは買収し、続く7月にはオランダのポータルサービスプロバイダーであるiBabs社株をユーロネクストは買収している。そして、この度はリサーチ評価などの分野で定評あるソフトウェアを提供するCommciseの買収を手掛けており、M&Aを通じてより広範囲に亘るサービス提供を着実に実践していくユーロネクストの意図を汲み取るができ、更なる顧客満足度の向上が期待されよう。

release date 2018.12.21

出典元:

ニュースコメント

巨大な取引所連合、ユーロネクスト

ユーロネクストは、2000年にパリ、アムステルダム、ブリュッセルの証券取引所が合併し設立された欧州の取引所連合である。その後、2002年にリスボンとダブリン証券取引所が加入し、欧州最大の取引所となった。2007年には、ニューヨーク証券取引所を運営する米国のNYSEグループと合併しNYSEユーロネクストとなるが、その後、2013年に米国のインターコンチネンタル取引所が買収、翌年2014年にはインターコンチネンタル取引所がNYSEユーロネクストを売却し、ユーロネクストに戻っている。ユーロネクストの上場企業には、INGグループ、ダノン、ロレアルなど、欧州トップクラスの企業が名を連ねている。証券取引所の合併や買収は珍しいことではなく、その目的は、先物、オプションなどのデリバティブ取引の強化やサービスの拡充であり、今回のCommciseの買収もユーロネクストのサービス拡充を目的としている。今後もユーロネクストの多角化戦略は続いていくだろう。


Date

作成日

2018.12.21

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

メタバース麻雀とは?Riumで遊べる麻雀 to Earnの始め方・稼ぎ方を解説

メタバース麻雀とは、オンライン麻雀の利便性とリアル麻雀の臨場感を組み合わせ、さらにトークン報酬システム「麻雀 to Earn」を導入したプロジェクトです。本記事では、メタバース麻雀の概要や特徴、「麻雀 to Earn」の仕組み、メタバース麻雀の始め方や稼ぎ方について解説します。
update2025.03.19 19:00

MTF-MAでトレードのレベルを上げる。MT4/MT5で使えるインディケータを比較

MTF分析は複数の時間足を組み合わせて相場全体を把握する手法です。MTF分析を使いこなすことでエントリーの方向やタイミングを掴みやすくなります。本記事ではMTF分析を簡単にするインディケータや、エントリー精度を上げる方法を解説します。
update2025.01.21 19:15

MT4/MT5対応の通貨強弱インディケータを徹底比較!無料で使えるおすすめは?

通貨強弱インディケータを使うと各通貨の強弱が一目で分かり、初心者でも視覚的に相場状況を把握できます。この記事では、無料のおすすめインディケータを比較し、選び方や活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

【MT4/MT5】別チャートにラインを同期できるインディケータを比較検証

MT4やMT5に複数のラインを表示させるために毎回描画することを面倒に感じていませんか?「ライン同期インディケータ」を描画すれば、引いたラインが全てのチャートに自動的に表示されます。本記事では、別チャートにラインを同期できるおすすめのインジケーターを解説します。
update2025.01.28 19:00

Bybitからメタマスクに送金してみた!送金手数料や送金時間は?

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からメタマスクに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などをもとに、送金手順や送金手数料、注意点などを紹介します。
update2025.01.31 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

【MT4/MT5】フィボナッチを自動で描写!便利なインディケータを徹底比較

フィボナッチを使ってチャート分析をする際、ラインの引き方が分からなかったり、毎回手動で引くのが面倒だったりなどの難点があります。そこで本記事ではフィボナッチを自動描画できるMT4/MT5用インディケータを徹底比較します。
update2025.02.12 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル