欧州大手取引所ユーロネクスト、iBabs社株の60％を買収

欧州最大の取引所の一つである、Euronext【以下、ユーロネクストと称す】は、オランダのポータルサービスプロバイダーであるiBabs B.V.（本社：De Factorij 33, 1689 AK Zwaag, Netherlands）【以下、iBabsと称す】の60%の株式を総額3,010万ユーロで買収することを発表した。

法人向けのオンラインポータルサービスを取り扱うiBabsは、オランダに拠点を置き、2017年6月現在、77,000人以上の顧客を保有し、約1,000社の企業や公的機関へサービスを提供している。iBabsの年平均成長率（CAGR）は、2014年以降、36%を達成しており、2016年の売上高は590万ユーロを突破、EBITDA（減価償却前営業利益）は380万ユーロにも及ぶ。2017年の上半期の売上高においても、前年同期比29%増と、堅調な伸びをみせている。

iBabsの買収は、2016年5月にユーロネクストが発表した成長戦略であった、法人向けサービスのフランチャイズ事業の開発において、重要な節目を達成することを意味している。今回の買収によって、上場企業であるユーロネクストは、企業価値の向上という恩恵に加え、今後のサービス対象となる顧客層の幅をより一層広げることが可能となる。

ユーロネクストは、法人向けにWebキャスティングや、投資ツール関連のサービスを提供しており、今後はこの既存のサービスに、iBabsのサービスを取り込んで、新たにサービスを展開していく予定である。iBabsの資産運用部門も、ユーロネクストの下、引き続きビジネスの成長を支えていく立場を表明している。

この買収取引は、ユーロネクストの1年間の資本コストを上回る、使用資本利益率（Return on Capital Employed,ROCE）に即時反映される。使用資本利益率とは、投資した資本に対する、リターンを計る指標である。

Euronextの会長兼、CEOであるStéphaneBoujnah氏と、iBabsのCEOであるPaul Neefjes氏は、今回のユーロネクストにおけるiBabsの買収について以下のようにコメントしている。

iBabsのサービスにより、上場企業や、非上場企業、公営企業、民間企業など、企業の形態を問わず、完全にデジタル化されたソリューションを提供することで、効率的な組織の運営が可能となるでしょう。iBabsを買収することで、法人向けサービスの簡易性や安全性、生産性の強化を図ることができます。規律ある買収方針によって、株主へ我々の成長と利益を実現するための取り組みを証明します。iBabsチームの起業家精神や業務の推進力、そして日々の顧客へのサービス対応から判断すると、今後ユーロネクストの下でも、iBabsのサービス提供力が向上していくことに確信を持つことができます。

StéphaneBoujnah, Chairman and CEO of the Managing Board of Euronext NV

今日、iBabsがユーロネクストに加わる事ができたこと大変嬉しく思っています。我々は、多くの組織における、会議や管理の効率化を図るため、ユーロネクストと共に、欧州の真の発展を目指します。オランダにおいて、ポータルソリューションの主役として活躍していますが、ユーロネクストの支援により、今後更なる開発の拡大や、開発の加速化を実現することができるでしょう。

Paul Neefjes, CEO of iBabs

release date 2017.07.10