Select Language

タイ財務省、仮想通貨関連事業者4社にライセンスを発給

タイ財務省、仮想通貨関連事業者4社にライセンスを発給

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
タイ財務省、仮想通貨関連事業者4社にライセンスを発給

update 2021.08.31 15:27

仮想通貨合法化の流れで市場拡大が予測される

タイの証券取引委員会(Securities and Exchange Commission, Thailand)【以下、SECと称す】は、タイの財務省が、国内4つの仮想通貨関連事業者に営業ライセンスを与えたことを発表した。[1]今回ライセンスを取得した企業は、仮想通貨取引所を運営するBitcoin Exchange Co., Ltd.とBitkub Online Co., Ltd.、Satang Corporation、それに加えて、仮想通貨ブローカーおよびディーラー業を展開するCoins TH Co., Ltd.である。

SECの発表によると、前述の企業以外にもCash2coin Co., Ltd.とSoutheast Asia Digital Exchange Co., Ltd.の2社がライセンス申請を行っていたようだが、財務省は、標準的な資産管理システムやKYCシステムが一定の水準を満たしていないとの理由で、申請を拒否したようだ。

ライセンスを取得できなかった企業は、すぐさま仮想通貨事業を停止しなければならないが、財務省はこれら2社に対して2019年1月14日までの営業を認めており、顧客資産の返却期間とするよう指示するとともに、顧客資産の返却処理の完了報告を求めているが、それが済めばライセンスの再申請が可能だとしている。なお、別の仮想通貨取引所であるCoin Asset Co., Ltd.も、財務省へのライセンス申請を届け出ているものの、当局が事業運営の実態を精査している段階にあるため、同社に関してはひとまずの営業が許可されているとのことだ。

タイでは2018年初旬、各金融機関に仮想通貨関連の事業展開を控えるよう中央銀行のタイ銀行から通達が出ていたが、5月後半には仮想通貨関連の事業を認可する旨の法令が王室から承認を受けたことで、国内の状況が一変している。さらに、昨年、SECはICO(イニシャルコインオファリング)投資に関するフレームワークを公開しており、多くの企業が仮想通貨分野に進出するきっかけとなった。近年のタイ国内の楽観的な仮想通貨市場の動きは、機関投資家の仮想通貨への投資を促すと考えられる。

Bitkub Capital Holdingsの共同創設者でCEOのJirayut Srupsrisopa氏は、このことについて以下のようにコメントしている。

仮想通貨市場は、今後2年から3年で1,000億ドル(3兆2,100億バーツ)から、その10倍に相当する1兆ドル(32兆1,000億バーツ)への成長を達成することも可能だと考えています。70兆ドルを誇る世界の株式市場と比べると小さいですが、それでも十分な規模だといえるでしょう。

Jirayut Srupsrisopa, Co-founder and CEO of Bitkub Capital Holdings - Bangkok Postより引用

Srupsrisopa氏はまた、仮想通貨の投資家は現在そのほとんどが個人などの小口であるが、仮想通貨関連事業が合法化されたことで、将来的には既存の投資市場のように機関投資家が仮想通貨取引の大きなシェアを握ることが予測されると述べている。なお、Srupsrisopa氏は、現在2つの証券会社とのパートナーシップの提携により、既存の投資市場から仮想通貨市場へ投資を誘導することを検討しているという。

release date 2019.01.10

出典元:

ニュースコメント

バンコクを中心にキャッシュレス決済が進む

東南アジアの優等生として、近年、目覚ましい経済発展を遂げているタイだが、社会ではキャッシュレス決済の導入が過渡期を迎えているようだ。これまで、地域経済ではクレジットカードやデビットカードの普及率が上がっているにも関わらず、トランザクションコストがかからない現金での支払いが根強く残っていた。しかし、ここ数年では首都のバンコクでは、Suicaに代表される日本の交通系ICカードのようなRabbit Cardと呼ばれる決済システムや、Lineグループが展開するLine Payなどの導入がコンビニエンスストアやスーパー、百貨店などを中心に進んでおり、また、観光地などでは、中国から押し寄せる観光客向けにAlipayなどへの対応が見られるようになった。この決済インフラの変化は、利便性をもたらすだけではなく、仮想通貨受け入れの基盤を作るという次のステップの意味でも非常に重要だと言える。幸いなことにタイでは現金以外の決済手段はまだまだマイナーなため、仮想通貨決済への移行が本格化すれば一気に導入が進む可能性も考えられる。Srupsrisopa氏が提唱するように急速な成長で規模が10倍に達するかは定かではないものの、いずれにせよタイの仮想通貨市場は、今後の変化が楽しみな期待の市場であることには間違いないだろう。


Date

作成日

2019.01.10

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

話題のDCJPYとJPYCの違い|海外FXの入出金に使えるのは?

DCJPYというデジタル通貨が話題となっています。一方で、海外FXユーザーの間ではJPYCへの期待も高まっています。本記事では、DCJPYとJPYCの特徴や違いを比較し、海外FXトレーダーにとってどちらが送金手段の選択肢となるのかを解説します。
update2025.09.26 19:30

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル