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コインベースが50億ドルの仮想通貨資産を新ウォレットへ移動

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update 2021.08.31 15:27
コインベースが50億ドルの仮想通貨資産を新ウォレットへ移動

update 2021.08.31 15:27

ウォレットシステムのセキュリティ強化を実施

米国の大手仮想通貨取引所、Coinbase, Inc.(本社:548 Market St #23008 San Francisco, CA9410[1])【以下、コインベースと称す】は、最近、セキュリティを強化したウォレットシステムに約50億ドル相当の仮想通貨資産を移動したことを発表した。[2]移動された資産は、コインベースが保有するビットコイン(Bitcoin)の5%、イーサリアム(Ethereum)の8%、ライトコイン(Litecoin)の25%にあたる。

コインベースが今年10月に開始したセキュリティアップグレードでは、テクニカルチームにより鍵の発行プロセスが変更され、さらに複雑化されている。暗号理論の取引において、秘密鍵を他者に公開しないことが鉄則となっているが、新しい鍵発行プロセスでは、秘密鍵が分割されることで、それが複数の場所で管理されることになる。従って、コインベースの新しいウォレットシステムでは、複数のスタッフが秘密鍵を使用し資金移動を承諾する必要があり、より安全なシステムにアップグレードされている。この仕組みは、マルチシグウォレットに類似しているが、異なる仮想通貨でも互換性があるという点で違っている。既に多くのユーザーを取り込んでいるコインベースは、この新しいウォレットシステムをローンチすることで、機関投資家の利用促進や米国当局との良好な関係の保持、信頼性の向上などを狙っているようだ。

コインベースのセキュリティ責任者であるPhillip Martin氏によると、この仮想通貨資産の移動は4カ月の計画の末、実施されたという。事前に長期計画が必要になったのは、過去数カ月にわたってコインベースが実施している取り扱い通貨の拡大への影響を抑えるためだという。コインベースのビジネスモデルは、当初、ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、ライトコインなどの限定された仮想通貨のみ取り扱う予定だったが、現在では、イーサリアムクラシック(Ethereum Clasic)、ベーシックアテンショントークン(Basic Attention Token)、ジーキャッシュ(Zcash)なども追加されている他、今月19日には、新たにゴーレム(Golem)、ダイ(DAI)、メイカー(Maker)、ジリカ(Zolliqa)の4つをラインナップに加えることを発表するなど、取り扱い通貨の拡大を進めている。

コインベースは、これまで、顧客資産を守るために多くの安全策を実施してきた。例えば、98%以上の顧客資産をコールドウォレットで管理し、残り僅か数%の資産で日々のオペレーションに必要性な流動性を確保している。また、Vaultという防護機能も提供しており、ユーザーはこれを利用することで、資金引き出しに48時間の時間制限を設けることができる。加えて、米ドルで資産を保有するウォレットに対しては、25万ドルを上限とした連邦預金保険公社(Federal Deposit Insurance Corporation, FDIC)の保険が適応となり、コインベースが閉鎖になった場合でも資産を守ることができるという。そもそも、コインベースはこれまで、大きなハッキング被害に見舞われたことはない上に、ICOの格付けサイトのICOratingが実施した調査で多くの取引所のセキュリティ上の欠陥が明らかになる中、コインベースは見事最高点を取得しており、対策は万全に近づいていると言えるだろう。

release date 2018.12.21

出典元:

ニュースコメント

危険なホットウォレットでの資産管理

仮想通貨取引所がハッキング被害を避けるためには、コールドウォレットに資産を保有することが有効だと言われているが、反対にコールドウォレットで管理する資産が増えると、オペレーションコストが増加して取引所の負担となるため、それを嫌ってか、多くの取引所ではネットワークに接続されているホットウォレットで大量の仮想通貨資産を管理しているのが現状のようだ。しかし、昨今ホットウォレットを狙ったハッキングが多発しており、2018年に発生したコインチェックとZaifのハッキング事件でも、ホットウォレットにある資産が狙われ、結果的に合計600億円相当の資産が不正に流出した。この脅威を目の当たりにした日本市場では、自主規制団体を中心としたルール作りが進められており、資産全体の10%から20%を上限にホットウォレットで管理する案が有力となっている。コインベースは、ホットウォレットにほとんど資産を保管することなく運営を継続させているが、それは、セキュリティへ意識の高さの表れと言えるだろう。もちろん潤沢なリソースや市場環境など背景の差異はあるだろうが、日本や他国の取引所がコインベースの取り組みに倣う部分は多い。米国仮想通貨市場のロールモデル的存在になりつつあるコインベースの動きに、今後も注目していきたい。


Date

作成日

2018.12.21

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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