Select Language

ドイツ、大手証券取引所が仮想通貨取引に進出

ドイツ、大手証券取引所が仮想通貨取引に進出

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
ドイツ、大手証券取引所が仮想通貨取引に進出

update 2021.08.31 15:27

2019年第2四半期までのローンチを計画

ドイツで2番目、欧州で9番目の規模の証券取引所を運営するBoerse Stuttgart GmbH(本社:Börsenstraße 4, 70174 Stuttgart[1])【以下、Boerse Stuttgartと称す】は、2019年の第2四半期までに仮想通貨取引所をローンチする計画があることを今月12日に発表した。

今後数カ月間で、Boerse Stuttgartは、ブロックチェーン開発も手がけるフィンテック企業のsolarisBank AG(本社:Anna-Louisa-Karsch-Straße 2, 10178 Berlin, Germany[2])【以下、solarisBankと称す】の協力を得て仮想通貨取引のためのインフラ構築を進めるという。

Boerse StuttgartのCEOであるAlexander Hoptner氏は、solarisBankとの協業について以下のようにコメントしている。

テクノロジーと銀行業での専門性を考慮すると、solarisBankはデジタル資産を取り扱う我々の試みには素晴らしいパートナーだと言えます。solarisBankのブロックチェーンサービスであるBlockchain Factoryは、仮想通貨やトークンの取引事業の質を高め、業界の新しい基準となるような透明性と信頼性を提供することでしょう。

Alexander Hoptner, CEO of Boerse Stuttgart GmbH - solarisBankより引用

過去5年間、欧州市場はその豊富な人材や整備されたインフラ環境を活かすことができず、仮想通貨分野での競争に苦戦してきた。その一方で、シンガポールや韓国、日本などが巨大な仮想通貨市場を抱えるまでに成長し、取引高や関連するスタートアップ企業の活躍は米国に迫る勢いを見せている。ビットコイン(Bitcoin)とイーサリアム(Ethereum)の取引量も、1年近く前までは、日本、韓国、米国に偏っていたという。しかしながら、G20による仮想通貨規制の影響や、英国やフランスなど多数の欧州諸国が動き出したことを背景に、ここ数カ月で変化が現れており、CryptoCompareの統計によれば、欧州の取引所がそれらの主要通貨の取引シェアを獲得し始めている。Boerse Stuttgartの発表は、この欧州での仮想通貨の盛り上がりに同調する形となり、グローバル市場での競争が期待される。

現在、Bitstamp Ltdが提供するような仮想通貨取引所を除いても、欧州市場では個人や機関投資家が、公に仮想通貨を取引する手段が確保されている。例えば、スウェーデンのNasdaq Stockholmは、2015年にビットコインETN(Exchange-Traded Note)をリスティングしている他、最近では、スイスのスタートアップ企業であるAmun AG【以下、Amunと称す】が主要仮想通貨5つの価格に連動するETP(Exchange-Traded Product)を発行し、このAmunのETPをスイスの証券取引所が認可(世界初)している。

11月15日に実施されたビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)のハードフォークは、仮想通貨の大幅な価格下落を促す要因になったと考えられているが、あるアナリストによると、もし十分な流動性と取引高があれば、市場はその衝撃の80%から99%吸収できたとの見解もある。大きなポテンシャルを抱える欧州の仮想通貨市場の拡大は、市場に安定性を与えることにおいても重要で、今回のBoerse Stuttgartの動きはその先駆けとなることを期待されている。

release date 2018.12.14

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨市場、信頼できる大手金融企業の参入で好転となるか

これまで、仮想通貨ベンチャーなどの新興企業が多く仮想通貨の取引サービスを提供していたが、ここにきて、既存の大手金融企業の参入も活発になってきている。例えば、先日、米国で実施された新規仮想通貨取引所であるErisXの立ち上げプロジェクトへの投資ラウンドには、ナスダックベンチャーズやフィデリティ・インベストメンツ、日本のマネックスグループの米国子会社などが参加している。仮想通貨投資が金融業界のメインストリームへと成長しきらない理由として、仮想通貨取引所運営の不透明さや、社員や経営陣の倫理観の緩さ、ユーザーへの不誠実な対応などが挙げられている。しかし、米国のErisXの例や今回のBoerse Stuttgartの参入によって、信頼できるプラットフォーマーも誕生しており、その状況は変わりつつある。米国をはじめ各国の規制当局もこの流れを支持しているようで、仮想通貨市場にとってはプラスに作用することだろう。


Date

作成日

2018.12.14

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

MT4/MT5対応の通貨強弱インディケータを徹底比較!無料で使えるおすすめは?

通貨強弱インディケータを使うと各通貨の強弱が一目で分かり、初心者でも視覚的に相場状況を把握できます。この記事では、無料のおすすめインディケータを比較し、選び方や活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:30

MT4/MT5のローソク足の色は4つのポイントでカッコよくできる!

MT4/MT5は、自分だけのオリジナルデザインにチャートをカスタマイズできます。配色や表示設定を少し変えるだけで、補色やコントラストを意識することで、より視覚的に分かりやすいチャートにすることも可能です。この記事では、誰でも簡単にできるチャートのカスタマイズ方法を4つのポイントに分けてご紹介します。
update2025.02.12 19:30

MT4/MT5の自動売買をスマホだけでやるって本気?!EA設定はPCに任せよう

「MT4/MT5の自動売買をスマホで完結させたい」と考える方もいるでしょう。スマホだけで自動売買の設定やEAを稼働させることは可能ですが、操作性の低さから現実的ではありません。本記事ではMT4/MT5の自動売買におけるスマホの活用方法を解説します。
update2025.02.05 19:00

MT4のバックテストに正確なヒストリカルデータが必須!無料・有料データを比較

MT4でバックテストをする際にはヒストリカルデータの取得が必要です。ヒストリカルデータは無料と有料のものがありますが、どっちがいいのか、気になる人もいるでしょう。本記事では、ヒストリカルデータのダウンロード方法を詳しく解説します。
update2025.03.26 19:30

GEMFOREX問題が大手メディアに掲載、世論を動かせるか注目

複数の大手メディアがGEMFOREX問題を取り上げたことが話題になっています。GEMFOREX騒動の経緯や2億円が未出金のままになっている元ユーザーの体験談などが掲載され、ネット上ではこの件を拡散して、世論を動かして事件化しようとする動きも見られます。
update2025.04.17 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル