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仮想通貨ETPがスイス証券取引所で上場予定

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update 2021.08.31 15:27
仮想通貨ETPがスイス証券取引所で上場予定

update 2021.08.31 15:27

5つの主要仮想通貨を対象とした新しい投資手段

スイスのスタートアップ企業であるAmun AG【以下、Amunと称す】によって開発された、世界初となる複数の仮想通貨から構成される上場取引型金融商品(Exchange Traded Products)【以下、ETPと称す】が、今週中にスイス証券取引所(SIX Swiss Exchange)に上場されることが明らかになった。

このETPは、HODL5という名称でリスティングされる予定で、ビットコイン(Bitcoin)、リップル(Ripple)、イーサリアム(Ethereum)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、ライトコイン(Litecoin)など5つの主要仮想通貨を対象としている。[1]それぞれの仮想通貨が占めるポートフォリオの割合は、ビットコインが48.69%で、リップルが約25.72%、イーサリアムが約17.6%、ビットコインキャッシュが5.11%、ライトコインが2.8%となる。同社公式サイトによると、この商品は最も規模が大きく、流動性の高い仮想通貨を投資先としており、ステーブルコインのように法定通貨の価値に紐づいた仮想通貨や匿名仮想通貨は取り扱わない方針だ。また、流動性リスクが高く、ローンチされて6ヶ月以内である場合や、信頼できる取引所で扱われていない仮想通貨も除外するとのことだ。

Amunが開発したETPは、機関投資家と認定されたリテール金融業者向けで、資産管理や各国の規制に縛られることなく投資できるデジタル資産商品というコンセプトを持っており、上場投資信託(Exchange Traded Fund)【以下、ETFと称す】に近い特性があるという。多くのメディアではHODL5がETFであると誤報道されているほか、SNS上でも事実とは異なる記事がシェアされている。正確にはETPは、取引所に上場し、特定の指標の値動きに連動して運用成果を得るETFや、上場投資証券(Exchange Traded Note、ETN)、コモディティ上場投資信託(Exchange Traded Commodities、ETC)などの金融商品の総称を指す。また、ETPは、積極的な戦略で管理されるアクティブファンドも含んでいるが、一方のETFは受動的な投資方法だという。

一部コミュニティでは、HODL5の上場が米国証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】のETF承認を促すのではないかと囁かれているが、ETF採用のためには、上場を提案する企業が仮想通貨市場の安全性を示す必要があり、その道は険しい。ETPに関して言えば、既にGrayscale InvestmentのBitcoin Investment TrustというETPが存在するためその必要性がなく、この度のHODL5がETP上場することとなった。

海外SNSコミュニティサイトなどでもETFとETPが混同しているようで、多くのユーザーは、今回ローンチされたETPのことを、SECに承認されていないETFであると間違った認識をしたうえで、上場について懐疑的になっている。この認識は、実際に取引が開始されるまで続くかもしれない。

release date 2018.11.20

出典元:

ニュースコメント

長期的な投資先として認識を強める仮想通貨

2017年の中旬以降は、仮想通貨市場全体がピークを迎えていたということもあり、短期的な利益を求めるトレーダーの需要が大半を占めていたが、一旦値動きが落ち着いた2018年後半に入ってからは特に、中長期の投資を想定した投資商品のローンチが目につくようになった。米政治家のロン・ポール氏が行なったTwitter上でのアンケートによると、1万ドル分の資産を10年間保有するならどの形で保有したいかという問いに対して、約50%の回答者がビットコインと答えていることがわかった。次に多かった回答は、金で37%、米国政府の10年国債は11%、そして米ドルが2%と続いている。この回答から、市場が仮想通貨を長期投資の対象として認識していることは明らかだが、SECは、あくまでもリスク回避の姿勢を貫いているようだ。最近では、有望なICOプロジェクトに罰金を科しており、今後も継続的に締め付けを強めることが予測されている。金融業界において、米国の影響力はまだまだ大きく、仮想通貨業界はSECの協力的な動きを望んでいるだろう。


Date

作成日

2018.11.20

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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