Select Language

米SEC、2つのICOプロジェクトに罰金を課す

米SEC、2つのICOプロジェクトに罰金を課す

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
米SEC、2つのICOプロジェクトに罰金を課す

update 2021.08.31 15:27

施行による指導で規制の第二段階へ

Kobre & Kim LLP(本社:800 Third Avenue New York, New York 10022[1])の政府執行や証券訴訟を専門とする弁護士、Jake Chervinsly氏によると、米国証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】は、仮想通貨規制の第二段階に移行しており、2つのICO(イニシャルコインオファリング)に対して罰金を課していることが明らかになった。

罰金を課せられたのはParagonとAirFoxと呼ばれるICOプロジェクトで、異なる分野でそれぞれ1,200万ドルと1,500万ドルの資金調達に成功したが、SECは、未登録の証券を発行したことへの罰金として両社に各25万ドルずつの支払いを命じている。また、ここ2週間で、仮想通貨取引所のEtherDeltaもターゲットとなっており、同社も30万ドル程度の罰金を支払っているようだ。前述の2社も含めて罰金は比較的少額だが、SECの本来の狙いは、仮想通貨セクターの主要なプロジェクトを指導する前例を確立するところにあり、今後数ヶ月で不正なICOの一掃に動くことが予測される。それを裏付けるかのように、SEC執行部門の共同ディレクターは、ワシントンで開催された投資顧問会議で、現時点で数十のICOが当局によって調査されていることを示唆している。今回SECは、既存の規制で証券とはみなされない仮想通貨への指導は控えているようだ。

Chevinsky氏によると、新興市場において、SECは、施行による指導という戦略を採用する傾向にあり、明確な法的ルールを定めないことによって州裁判所や連邦裁判所がプロジェクトや市場の規制を固める働きを期待しているという。

このSECの戦略についてChevinsky氏は、以下のようにコメントしている。

これは、施行による指導、として知られる古典的なSECの戦略です。この戦略は、明確なルールが必要な業界にとってはフラストレーションが溜まるものとなりますが、自由裁量を行えることからSECは好んで採用します。SECは、不明確な法論理を裁判所でテストすることはほとんどありません。もし、仮想通貨は証券に該当するかなどの、重大な争点で負けてしまえば、業界全体の執行戦略を崩壊させる可能性があるからです。それを避けるためには、ルールを曖昧にしておくのが最良だということでしょう。

Jake Chervinsly, Attorney at Kobre & Kim - CCNより引用

公式発表でSECは、当局と協力しての仮想通貨発行を推奨しており、ブロックチェーン技術への中立的なスタンスや法令に遵守したICOの実施を尊重する意向であることも強調した。しかし、SECが推し進める規制の第二段階は、税法やマネーロンダリング、経済制裁、その他多数の分野にまたがるもので、仮想通貨関連企業にとっては非現実的で厳しい状況を招くことが懸念されている。過去数カ月にわたって、SECは単独で、対象となった企業との和解に取り組んできたが、アメリカ合衆国内国歳入庁(Internal Revenue Service, IRS)や米商品先物取引委員会(Commodities and Futures Commission, CFTC)、その他の機関は仮想通貨市場にほとんど関与していないという。

Chervinsky氏によると、この第二段階は、ある意味で正しいアプローチかもしれないが、辛く長いものになることが予測されるという。証券法に関する部分は、仮想通貨市場を包括的に規制するためのひとつのピースだと考えられ、これはまだまだ始まりに過ぎないようだ。

release date 2018.11.19

出典元:

ニュースコメント

SECはAirTokenも証券と判断

今回、SECの制裁の対象となったICOプロジェクトの一つのAirFoxは、モバイルインターネットの利用をより安価に広く普及させるためのプロジェクトとして米国市場でも大いに期待されていた。AirFoxでは、Ethereumのプラットフォーム上で機能するトークンであるERC20の規格に則ったAirTokenが発行されており、ユーザーへの報酬やプラットフォーム内で消費するためのユーティリティトークンとしての役割を担っている。法規制という観点でユーティリティトークンに関して述べると、各地域や国によって、証券として管理すべきか、投資にはなり得ない無害なサービスの価値交換媒体として見なすか、意見が分かれるところだ。10月に発行された欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority, ESMA)の報告書では、譲渡可能であれば証券法の範疇内だとの結論に至っている。米国でもSECが同様の結論を導き出したようだが、その線引きは依然として難しいことは事実であり、日本国内の仮想通貨業界は有益なICOを数多く抱えているだけに、慎重な対応が望まれるだろう。なお、SECはICOのガイドラインを発行する計画があることを、今月5日に明らかにしている。


Date

作成日

2018.11.19

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

XMTradingがおみくじプロモ2025を実施!総額1,000万円越えのキャンペーン

海外FX業者XMTradingは、1月2日~1月31日までの期間限定で「おみくじプロモ2025」を実施すると発表しました。賞金総額は1,000万円以上であり、抽選で100名に最大75万円の現金がキャッシュバックされます。
update2025.01.06 19:00

このローソク足あと何秒!?残り時間を表示するMT4/MT5のインディケータを比較

MT4やMT5でトレードする際、インディケータを使えばローソク足が確定するまでの残り時間を表示できます。アラート機能付きや残り時間以外の情報も表示するインディケータもあります。本記事では、MT4・MT5にローソク足の残り時間を表示するインディケータを紹介します。
update2024.12.12 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル