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慈善団体がモネロのマイニングで寄付を実現

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update 2021.08.31 15:27
慈善団体がモネロのマイニングで寄付を実現

update 2021.08.31 15:27

拘束された米国移民の保釈金支払いなどに貢献

インターネット上で活動する慈善団体のBail Blocは、仮想通貨モネロ(Monero)のマイニングで資金の寄付を募っており、共同創設者であるMaya Binyam氏のSNS投稿よると、今月15日に活動が始まってちょうど1年が経過することが明らかとなった。同団体のミッションとして、米国土安全保障省傘下の移民関税執行局(US Immigration and Customs Enforcement)【以下、ICEと称す】によって告発され、公判前の勾留に苦しむ人々を救うことを掲げている。

Bail Blocは、小規模なコンピューターリソースを活用してモネロのマイニングを実施するアプリケーションをローンチしており、数ある国際的な支援団体の中でも斬新な試みを行っている。この活動に同意するユーザーは、アプリケーションを通して任意の余剰コンピュータリソースを、10%から50%の間で提供することができるという。

Bail Blocは、公式サイトにて、マイニングされたモネロは、月末ごとに米ドルに交換され、基金活動を行う団体National Bail Fund Networkに所属するファンドへ寄付していることを明らかにしている。また2017年11月からの1年間はBronx Freedom Fundへ寄付を実施し、現在はImmigrant Bail Fund in New Havenというファンドを支援していることも同サイト内にて通知している。[1]

ICEは、米国における移民法の効力を行使することを使命とし、同時に国内に居住する外国人による犯罪行為やテロ活動を調査する役割も担う存在だ。ICEは、2017年期に14万3,470件もの行政逮捕を執行しており、2016年の11万104件と比べると、30%増加している。また、ICEの逮捕者の92%は、最終的に有罪判決を受けたか、刑事告発が保留されている状況に至っている。

一時入国保証証券を取得するため、支払いに応じれば勾留者は保釈されるが、現状は全体のわずか47%しか審問に進めていないという。もし、保釈金の支払いができない場合や、要求自体が拒否された場合は、通常数か月は勾留されることになる。多くの人権活動家は、告発された罪に対して適切な調査が行われない可能性があり、個人を不当に扱っていると、ICEの対応を強く批判している。米国とカナダの刑務所に収容されている受刑者も「現代の奴隷制度」であると声を上げ、全国的なストライキを行って抗議しているようだ。

Bail Blocがマイニングによって獲得したモネロは、100%基金に寄付されており、保釈金の支払いに有効活用されている。

release date 2018.11.19

出典元:

ニュースコメント

マイニングによる寄付活動は今後どうなるのか

仮想通貨の価値が認められつつある近年、主要な慈善団体でも、マイニングを資金源とした新しい寄付の形態が広まっており、ユニセフも仮想通貨による募金を行っている。数ある仮想通貨の中でモネロは、GPUマイニングという個人レベルのコンピュータリソースでも収益化しやすいことが知られており、多くのプロジェクトで利用されているようだ。しかしながら、モネロは犯罪利用が懸念される匿名通貨という特性を持ち合わせていることから、日本など国によっては取り扱いが禁止されており、少なからず問題もある。さらに、先月、イーサリアムのハードフォークの延期が報道されたことからも見て取れるように、仮想通貨は全般的にマイニング報酬は低減傾向にあり、専用のマイニングマシンによるネットワークの独占を防ぐためにより複雑なアルゴリズムが採用され始めている。寄付を目的にした仮想通貨の利用は、社会的にも認められている数少ない正の側面だけに、より複雑化し報酬も低減していくマイニング通貨の行く末が案じられる。


Date

作成日

2018.11.19

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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