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イーサリアム、次期ハードフォークが来年に持ち越しへ

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update 2021.08.31 15:22
イーサリアム、次期ハードフォークが来年に持ち越しへ

update 2021.08.31 15:22

ProgPowの追加を間に合わせる可能性を示唆

今月19日に開催された開発者会議で、イーサリアム(Ethereum)の次期ハードフォークであるコンスタンティノープル(Constantinpole)の実施を、来年初頭まで延期することが合意された。

当初、このハードフォークは、今年11月に実施される計画で進んでいたが、先日複数のバグが見つかったことによりイーサリアムのロプステンが停止となっており、このままハードフォークを進めるのは賢明ではないとの判断の下、延期が決定された。ストリーミング配信された今回の開発者会議では、イーサリアムの開発者であるAfri Schoeden氏が、実施を急ぐよりもリスク回避に徹するためだと説明している。[1]

もともと、コンスタンティノープルのハードフォークでは、マイニングコードの最適化やマイニング報酬の低減など、5つの変更が予定されていたが、今回の遅延が時間的余裕を生んだことで、セキュリティ担当者のMartin Holste Swende氏は、コンスタンチノープルの後に予定されていたProgPowの追加についても可能性を示唆している。ProgPowは、メモリなどのGPU特有の有効性を最大化することによって、イーサリアムプラットフォーム上のASICマイニングを最小限に抑え、システムの中央集権化を回避する効果があると考えられているが、同時にGPUなど汎用機での非効率なマイニングが、イーサリアムの取引コスト上昇を招くとの懸念も存在するという。

このProgPowの機能追加に関して、Swende氏は次のようにコメントしている。

ProgPow実装の可能性に備えて、準備を進めるつもりです。コンスタンティノープルが、1月か2月まで延期されるのであれば、ProgPowの追加を間に合わせる方向で検討します。

Martin Holste Swende, Security Lead of Ethereum Foundation - Smartereumより引用

社外広報担当のHudson Jameson氏によると、開発者はメインネットの準備に手一杯で、ProgPowの実装は、マイナーやマイニングリソースの状況を見て時期を考える必要があり、Swende氏の思惑とは裏腹に課題も多くあるようだ。尚、今回の延期に伴う新たな日程については公表されておらず、今後のイーサリアム開発者たちの動向に注意していきたい。

release date 2018.10.22

出典元:

ニュースコメント

ASIC耐性向上のために繰り返されるハードフォーク

ASICとは、ある目的に特化して設計された集積回路で、主にマイニング事業者などの大口のマイナーが、大規模なマイニングを行う際にこのASICが組み込まれた専用機を利用している。先月、香港証券取引所に上場申請したBitmainは、このASICの設計・製造で年間1億ドル以上の利益をあげているというから驚きだ。しかし、ASICテクノロジーの開発は、マイニングリソースの集中によって引き起こされる「51%攻撃」と呼ばれるシステムの不正利用にも繋がるため、批判の声も多い。過去には、ビットコインゴールド(Bitcoin Gold)が標的となり20億円の被害を受けた事例もある。公平性と透明性の高い取引を求める仮想通貨業界は、この流れを嫌って排除する方向に向かっているようだ。モネロ(Monero)やビットコイン系の仮想通貨はイーサリアムのProgPowと同様に、マイニングアルゴリズム変更のためのハードフォークを実施することによって、システムのASIC耐性を高めてきた。今後も新しいASICの開発が進められることが予測されるが、仮想通貨開発者はその都度ハードフォークを繰り返すしかなさそうだ。


Date

作成日

2018.10.22

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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