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マネックス、来年1Qまでの米国仮想通貨市場参入を表明

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update 2021.08.31 15:27
マネックス、来年1Qまでの米国仮想通貨市場参入を表明

update 2021.08.31 15:27

ライセンス申請と顧客ベースの強化を実施

日本の大手ネット証券会社であるマネックスグループ株式会社(本社:東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル25階[1])【以下、マネックスと称す】は、米国市場へ向けた仮想通貨関連サービスの提供を、2019年度の第1四半期に開始する予定であることを今月12日に発表した。

報道によると、マネックスは、各州政府に対してMoney Transmittal License(MTL)と呼ばれる、仮想通貨同士や仮想通貨と法定通貨の取引事業を認可するためのビジネスライセンスを申請しているという。今年7月には、米国の仮想通貨市場へ進出するための足がかりを作るために、機関投資家を中心にサービス提供のオファーを出しており、全世界で200万件を超えると言われるマネックスの顧客ベースの強化も図っている。実際の米国でのオペレーションは、2011年にマネックスが買収した現地証券会社のTradeStationを通して行われる。

既にマネックスは、証券ブローカーとして世界各国に進出しているが、最近では、仮想通貨市場への積極的な投資を行っており、本格的な参入が噂されている。2018年初めに、マネックスは、仮想通貨分野を研究するためマネックス仮想通貨研究所を立ち上げている。続く4月には、5億3,400万ドルものハッキング被害を受け、経営難に追い込まれていた仮想通貨取引所のコインチェックを買収した。加えて最近では、2,500万ドルもの資金調達に成功した仮想通貨取引所ErisXに、フィデリティ・インベストメンツやナスダックベンチャーズなどと並んで、TradeStationも投資している。

大手金融機関が参加したErisXへの投資は、デジタル資産の正当な取引プラットフォームを模索している米国証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】も関心を示しているようだ。SECは、利益を生む仮想通貨全般を既存の証券法の範疇とする方針を固めたことにより、対象となる企業はATS(代替的取引システム)としてSECへの仲介業者登録や、米国の自主規制団体であるFINRA(Financial Industry Regulatory Authority)などのメンバーとなることが求められるようになった。結果的に、マネックスがErisXの投資に参加したことは、SECへ真っ当な事業者としてのアピールとなり、米国市場参入への追い風となるだろう。

一方で、マネックスは先日コインチェックの事業再開を発表しているものの、金融庁の審査が厳格化していくなかで、当初の予定より大幅に遅れた再開となった。今後どのように巻き返していくのか、期待したいところだ。

release date 2018.12.13

出典元:

ニュースコメント

技術開発やSTO提供で海外市場への拡大を目指す

ブロックチェーンや仮想通貨関連企業の買収だけではなく、技術開発にも積極的な投資を行っているマネックスは独自ブロックチェーンプラットフォームの開発に着手していることを今年4月に明らかにしている。事業地域も日本や米国だけの先進国市場だけに留まらず、アジア・パシフィック地域での展開を見据えて、新しくセキュリティ・トークン・オファリング【以下、STOと称す】などの新規事業などにも取り組む見通しだ。STOは、ブロックチェーン関連プロジェクトへの投資を既存の金融フレームワークの枠組みで実施することで、詐欺的な企てを排除することができる。現在のSECの規定では、企業や一定以上の資産を持つ投資家のみが参加できるとの要件が定められており、ICOに比べて投資対象者が限定されてしまう可能性があるが、仮想通貨市場が抱えている懸念を解消することで、今までリーチできなかった層の投資家を取り込む可能性もある。本格的に仮想通貨市場へと歩みを進めるマネックスは、日本企業の代表格として、世界での活躍が期待される。


Date

作成日

2018.12.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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