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新規ICOによる資金調達額が97.5%減

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update 2021.08.31 15:27
新規ICOによる資金調達額が97.5%減

update 2021.08.31 15:27

停滞する価格や規制の流れが影響

仮想通貨の新規公開プロセスであるICO(イニシャルコインオファリング)は、これまで短時間で数百万ドルもの資金調達を可能とする方法として世界中で利用されてきたが、最新の統計ではその有効性が薄れていることが示唆されている。調査会社であるDiarの報告では、今年11月のICOによる資金調達額は、ピーク時から97.5%も減退していることが明らかになった。

今回の報告によると、2018年2月に全世界で実施されたICOでは、合計26億ドルもの資金調達に成功しているものの、直近の11月ではその額が6,500万ドルまで落ち込んでいるという。[1]この傾向は、ICOの評価と宣伝を担うicobench.comが公表するデータでも顕著に表れており、数字の違いこそあれど、同サービスがリスティングしたICOの資金調達総額は、今年3月が17億ドル、11月が2億8,680万ドルとの結果が出ている。また、同様のサービスを提供するCoinschedule.comでも6月の58億ドルから11月には3億5,940万ドルへ、またIcodata.ioでは、1月の15億ドルから11月には1億7,930万ドルへと、年末にかけて大幅な減退を見せているようだ。

世界的なICO停滞は、各国の規制当局が仮想通貨市場を注視していることも無関係ではないだろう。ICOを禁止した中国や韓国、新しく法律を制定したマルタやジブラルタルなどの一部の国を除いて、多くの国でICO実施のルールが不明確となっている状況から、詐欺的行為を試みる企業が後を絶たなかった。これを受けて、昨年以降、それぞれの国家や地方政府が、ICOや仮想通貨関連事業の規制や取締りを強化する方向に動き出しており、直近ではシンガポール当局がICO規制のためのガイドラインを発行したことが明らかになるなど、こうした規制の動きが、ICOへの過剰な資金流入の阻止につながっているようだ。

もちろん、一般に公開されている情報だけでは、全てを結論付けるには不十分かもしれないが、これらの情報は全て仮想通貨市場への資金供給量が減少していることを示している。仮想通貨市場全体の時価総額は、今年1月には8,310億ドルを記録していたが、現在ではその13%程度となる1,090億ドル付近まで低迷しており、ICOは以前ほど魅力ある投資とは認識されていないのかもしれない。

release date 2018.12.12

出典元:

ニュースコメント

フランス金融市場庁もICO投資の限界を指摘

今年11月、フランス金融市場庁(AMF)によるICO調査で、ICO投資が限界を迎えていることを発表し、今回調査を行なったDairと同様の結論を導き出している。AMFは、仮想通貨を利用した資金調達額が、エクイティファイナンス市場の規模に対して、わずか1.6%の規模に留まっていることを指摘しており、金融市場への影響力の少なさや、伸びしろの無さなどの懸念点を既に挙げていた。また、米国企業が行なった別の調査結果では、ブロックチェーンに関する訴訟件数が極端に少ないことが明かされ、違った角度の分析として、ICO投資が活発性に欠けるとの結果も出ている。以前から言われているように、投資としてのフレームワークが出来上がっていないことや、投資先となる有効なプロジェクトが不在であること、仮想通貨に関する先行きの不透明さなどが、ICOを停滞させる要因となっているようだ。多くの課題を抱える仮想通貨市場だけに、積極的なソリューションの実施が求められる。


Date

作成日

2018.12.12

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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