Select Language

CMCとIG Group、FCA新規制に関する声明を発表

CMCとIG Group、FCA新規制に関する声明を発表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.06.01 12:49
CMCとIG Group、FCA新規制に関する声明を発表

update 2022.06.01 12:49

永続的なCFD取引規制導入は想定済み

英国の大手FX・CFDブローカーであるCMC Markets UK plc(本社:133 Houndsditch, London EC3A 7BX[1])【以下、CMCと称す】と、同じく英国・ロンドンを拠点とするFX・CFDブローカーであるIG Group(本社:Worting House, Church Lane, Basingstoke, Hampshire, RG23 8PX, UK[2])は、12月7日に英国金融行動監視機構(The Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】が発表した、FCAの永続的なCFD取引規制策の導入方針に対する声明をそれぞれ発表した。

FCAは7日、時限措置として導入した個人投資家向けCFD取引サービスを制限する規制策を永続的なものにする意向を示したが、CMCとIG Groupの声明によれば、仮にFCAによるCFD取引規制が永続的なものになったとしても、業績への影響は既に織り込み済みであるとのことだ。両社は既に伝統的なビジネスモデルからの転換を図っているため、FCAの声明はネガティブサプライズとはならなかったようだ。また、金融業界の一部からは、CFDの永続的な規制措置の延期を求める声が上がっていたが、FCAの声明を勘案するに、実際には新規制策を導入する方針は堅いようである。また、仮想通貨CFDなど複雑なデリバティブ商品を含む永続的な取引規制策の導入に際し、FCAでは企業からのフィードバックを求めていたものの、ブローカー各社から提出された意見書のほとんどが退けられる結果となった。

なお、CMCはFCAによる新規制策は既に想定済みであり、加えて、いかなる複雑なデリバティブ商品も顧客へ提供しておらず、仮想通貨CFD取引からの収入も見込んでいないことから、売上高見通しを変更する考えはないとのことだ。2019年上半期決算を基に、CMCでは仮想通貨CFDは業績に与える影響は軽微であり、仮に取引が禁止されたとしても、ほとんど問題はないとコメントしている。

一方IG Groupも、FCAによる永続的な規制策導入を想定していたことから、業績への影響は見込まれず、売上高予想を維持する意向だ。またIG Groupでは、欧州当局が打ち出す規制枠組みの遵守をコミットすると共に、規制当局の目的である個人投資家保護に向け協働していく方針を示している。加えて、IG Groupのこれまでの経験に基づくと、永続的で適切な規制策が導入されることで、長期的な観点に立った場合には、顧客が利益を生み出せるようになり、コンプライアンスを遵守する企業にとっても収益をもたらすともコメントしている。

さらに、CMCはプロトレーダーにハイレバレッジ取引を継続的に可能とするサービスに注力しており、現在、プロフェッショナルトレーダーに位置づけた顧客層が、会社全体の売上高の40%以上を構成し、機関投資家部門に至っては、売上高の50%がプロフェッショナル顧客が占めている。欧州域外からの売上高は30%に留まっているが、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)とのパートナーシップ契約を通じ、今後はオーストラリアでのストックブローキング業務の拡大にコミットしていく意向である。一方のIG Groupは米国オフィスを開設して、欧州域外でも市場拡大を図っていく意向が示されており、両社それぞれが売上高拡大に向けた経営戦略を打ち出している。

release date 2018.12.7

出典元:

ニュースコメント

英国ブローカーへの影響は

FCAが発表したCFD取引規制策の永続化であるが、バイナリーオプションやCFD取引は、高いリスクを伴うため、元来、主に非認可ブローカーの顧客を保護するために取り入れられたものである。FCAの発表は市場でも好意的に捉えられたようだが、CMCとIG Groupにおいては発表された声明の通り、CFD取引規制は想定済みであり、英国二大ブローカーの両社の今後の業績に与える影響は少ないのかもしれない。しかしながら、ESMAの新規制の影響からか、先日発表されたCMCの2019年度上半期決算は低迷している。また、CMCは2019年度売上高見通しを下方修正したことも発表されており、今後の見通しは決して良好とは言えないようだ。様々な規制が強化される中、今回の発表が、両社にとってどのような影響を与えるのか、これからの展開を見守る必要がありそうだ。


Date

作成日

2018.12.07

Update

最終更新

2022.06.01

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

XMTradingがおみくじプロモ2025を実施!総額1,000万円越えのキャンペーン

海外FX業者XMTradingは、1月2日~1月31日までの期間限定で「おみくじプロモ2025」を実施すると発表しました。賞金総額は1,000万円以上であり、抽選で100名に最大75万円の現金がキャッシュバックされます。
update2025.01.06 19:00

このローソク足あと何秒!?残り時間を表示するMT4/MT5のインディケータを比較

MT4やMT5でトレードする際、インディケータを使えばローソク足が確定するまでの残り時間を表示できます。アラート機能付きや残り時間以外の情報も表示するインディケータもあります。本記事では、MT4・MT5にローソク足の残り時間を表示するインディケータを紹介します。
update2024.12.12 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル