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コインチェックのサービス再開を受けてネムが高騰

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update 2021.08.31 15:27
コインチェックのサービス再開を受けてネムが高騰

update 2021.08.31 15:27

日本を含む大手取引所でのネム取引が活発化

9億6,500万ドルで世界第17位の時価総額を誇るネム(NEM)は、コインチェック株式会社(本社:東京都渋谷区渋谷3-28-13 渋谷新南口ビル3F[1])【以下、コインチェックと称す】での取り扱い再開のニュースを背景に、多くの仮想通貨が値を下げる中、今月12日に12.55%以上の急激な価格上昇を記録している。

ネム(XEM/USD)は、1通貨あたり0.107ドル程度で取引されており、日間取引量は、ここ一週間で13.82%の伸びを見せ3,000万ドル以上を誇っている。ここ最近のネムの取引量は、大手仮想通貨取引所であるバイナンスのXEM/BTCペアが最大となっており、次点で、ZaifのXEM/JPYの通貨ペアが多くを占め、ネムの取引量ランキング上位5つには、アップビット、Poloniex、ビットレックスなどの有名取引所も含まれている。今回、影響を与えたとされるコインチェックは、外部専門家の協力を得てイーサリアム(Ethereum)、ネム、リスク(Lisk)取引において技術的な安全性を確保したとして、10月30日からコインチェックは新規口座開設と入金を再開している。

仮想通貨市場が上り調子だった今年1月、コインチェックでネムのハッキング事件が発生し、流通する約6%のネム(5億ドル相当)を失うという、マウントゴックス事件以来の大規模なハッキング事件となった。流出した仮想通貨は、ダークネットでの利用、現金化または他の仮想通貨に変換されており、未だ正確な行方はわかっていない。

コインチェックのハッキング被害は、26万人ものユーザーに影響を与え、当時、コインチェックは、仮想通貨交換事業者としての金融庁のライセンスを取得していなかったことから批判も受けたが、総額4億4,000ドルの補填を実施することで信頼回復に努めている。

release date 2018.11.13

出典元:

ニュースコメント

独自路線を行くネムの今後にも期待

大手取引所での取り扱い開始やハードフォークなどのニュースは、時に市場の期待を煽る結果となり、価格へ大きな影響を与えることがある。例えば、直近では、11月初めに報道されたビットコインキャッシュのハードフォーク前の価格上昇は、市場の期待により高騰した典型だと言えるだろう。今回のネムの高騰もその類と考えることもできるが、ネムが積極的な開発やパートナーシップによって、付加価値を生み出す下地となる活動を継続していることは忘れてはならない。ネムは、業界初となるアポスティーユを実装しているが、アポスティーユとは公証サービスとも呼ばれる証明書発行システムであり、ブロックチェーン上で公証を行う画期的な機能である。また、Proof-of-Importanceといった効率的なアルゴリズムの導入など、独自路線での開発を行っており、最近では、貧困層やライトユーザーに向けた小口金融ソリューションのマイクロファイナンスの分野に進出している。今回のネムの価格の高騰は、一時的なイベントが要因となったかもしれないが、今後も仮想通貨業界の先頭を行くネムのチャレンジは注目に値するだろう。


Date

作成日

2018.11.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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