作成日
:2018.11.05
2021.08.31 15:22
11月15日に予定されているハードフォークに先立ち、ビットコインキャッシュ(BCH/USD)の価格が4日には15%以上高騰して、535ドルを記録している。ビットコインキャッシュは、前日の3日にも425ドルから477ドルへと約12%価格が上昇しており、強気な価格推移を見せている。このビットコインキャッシュの連日での急伸は、米国大手仮想通貨取引所のコインベースによって公開されたロードマップに関する情報が要因となったと言われている。
コインベースは、ビットコインキャッシュが予定している年2回のハードフォークをサポートすることを今月初めに表明したが、それが市場の期待を強める結果となり、ビットコインキャッシュの日間取引量は、今月1日の2億ドル以下から3日後には9億8,000万ドルと約5倍まで達している。
この取引量の多くは、OKExやBinance、Huobiなどを通したアジアからの投資で、ビットコインキャッシュのハードフォークから投機的な利益を得ることが目的だという。今回のハードフォークは、Creg Wright氏が率いるNchain社によって主導され、ビットコインキャッシュの保有者には同数の新規通貨が配布される。今回の件で、ビットコインキャッシュの取引量は、人気のアルトコインであるリップル(Ripple)に迫っている。リップルは、先月10月に同通貨を基軸とするモバイルアプリケーションの開発のため、欧州の大手銀行であるサンタンデール銀行と提携したことが発表され話題となった。しかし、その後は、ビットコインの下落に引きずられる形で取引量が減少したが、その間、ビットコインキャッシュの取引量が増加しており、リップルと同程度の13億ドル近くまで上昇している。
ビットコインキャッシュ以外の仮想通貨価格は、小幅な上昇を見せており、カルダノ(Cardano)、オントロジー(Ontology)、トロン(Tron)などは2%から5%の上げ幅にとどまっている。コインベースに上場したことで注目されるBrave BrowserのトークンであるBrave Attention Tokenは、過去24時間で1,800万ドルの取引量と1.5%の下落を記録した。ビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)などの主要通貨も安定しており、ビットコインキャッシュの動きがひときわ目立つ近況となっている。
release date 2018.11.05
ビットコインキャッシュは、数多く存在するビットコイン系のハードフォーク通貨の中でも、主要な存在として認知されている。ハードフォークを定期的に実施しているビットコインキャッシュは、批判も一部あるものの、比較的順調に開発を進めていると言えるだろう。時価総額で2位を行くイーサリアムは、先月、次期ハードフォークのコンスタンティノープル(Constantinpole)を来年に持ち越すことを発表しており、テストネットワークでの失敗やバグの発見など対照的な結果を招いている。ビットコインキャッシュは、業界の実力者からも高い評価を受けており、資産の10%を仮想通貨に投資することを公言しているソフトバンクの孫正義氏も推す仮想通貨のひとつである。また、経済予測機関であるEFA(The Economy Forecast Agency)によると、ビットコインキャッシュ価格は、2020年までには1通貨あたり32万円に達すると予測され、業界や各方面からの期待は大きいと言える。
作成日
:2018.11.05
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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