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金融庁が日本仮想通貨交換業協会を自主規制団体として認定

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update 2021.08.31 15:22
金融庁が日本仮想通貨交換業協会を自主規制団体として認定

update 2021.08.31 15:22

JVCEAの自主規制は市場の信頼回復につながるか

今月24日に金融庁(Japan Financial Services Agency, JFSA)は、国内の仮想通貨取引事業者によって構成される日本仮想通貨交換業協会【以下、JVCEAと称す】を、有効な自主規制団体として正式に認めたことが明らかになった。[1]JVCEAは、運用基準の制定や利用者保護、マネーロンダリング対策、従業員の法令遵守などの観点で規制の検討を進めている。

今年に入り日本の仮想通貨取引市場は、1月にコインチェックがハッキング被害を受け被害額が5億3,000万ドルに達し、マウントゴックスに次ぐ大規模な事件となったことや、9月にZaifがハッキング被害を受け合計6,000万ドルが不正流出したことなどの影響で信用を失っている。このような状況の中、金融庁は利用者保護の観点から厳格な規制ガイドラインを制定しており、また今後も金融庁主導で継続的な市場のコントロールが必須となることが考えられている。しかし一部の金融庁関係者は、市場の動きが速い仮想通貨業界では、官僚組織よりもJVCEAのメンバーのような専門家の方が、より適切なルールを作成することができるとの見解を示しており、JVCEAの協力は歓迎されているようだ。

渥美坂井法律事務所・外国共同事業(本社:東京都千代田区内幸町2-2-2富国生命ビル[2])のシニアパートナーである鈴木由里氏によると、JVCEAの自主規制で定められている内容は、既存の法規制よりもずっと厳しいものであるため、市場の信頼回復の手助けになるという。同時に自主規制機関としては負担が大きく、十分な専門知識を持ったスタッフを確保できるかという問題が懸念されているものの、JVCEAは今回の金融庁による認定を前向きに受け止めており、市場を取り巻く環境の改善に継続的に注力していきたいとの声明を出している。

去年から日本では、世界で初めて仮想通貨交換事業者の登録制度が導入されており、これまで16の事業者が認可されていることに加え、現在は、160社以上が登録審査を待っている状態だという。今後も市場の拡大が期待される日本だが、一刻も早い安全性の確保が求められている中で、現在JVCEAでは、レバレッジを4倍に制限することやネットワークに接続されたホットウォレットで管理する仮想通貨保有数の上限を全体の20%に制限するなど、自主規制の詳細について議論が進んでいる。

release date 2018.10.25

出典元:

ニュースコメント

法整備により伸び悩む日本の仮想通貨市場

今年に入って発生したコインチェックとZaifのハッキング事件は、国内の仮想通貨市場にとっては非常に残念な出来事となったが、結果として事業者の登録を義務付けるなど金融庁主導での法整備を加速させ、日本の仮想通貨を取り巻く環境は向上していることが見受けられる。しかし、他国に比べると規制が強すぎるとの見方もあり、9月に開催された第5回仮想通貨交換事業等に関する研究会での金融庁の報告によると、16社あった認可待ちのみなし事業者に対して監査を行った結果、基準を満たした企業は3社のみだったという。日本市場の厳しさは金融庁からの認可だけではなく、取り扱いできる仮想通貨の種類にも現れている。例えば、中国資本の大手取引所であるバイナンスでは、140種類を超える仮想通貨が取引可能なのに対して、日本の取引所で取り扱われているのはわずか20種類だ。また、日本では、モネロ(Monero)やダッシュ(Dash)、Zcash(ジーキャッシュ)などの匿名通貨と呼ばれる類の仮想通貨は取り扱いが禁止されている。JVCEAは、自主規制の中で、取引所の新規仮想通貨のリスティングを承認制にしようと検討しているようだが、市場の自由を奪ってしまう結果に繋がりかねないことも考慮すべきだろう。


Date

作成日

2018.10.25

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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